星彗華
う、ギリギリアウトですね( >_<)
バレンタインデー兼ホワイトデー小話。
アンケートに答えて下さった方にお送りしたものです。
「星彗華ですね」
黄色い小さな星のような花を手に持ってキシがいった。
ここはダウス邸の近くの森。
わたしの我が儘を聞いてくれたキシと絵の題材を探し、歩いている途中だ。
「星彗華?」
聞いた事のないお花……。
小首を傾げてキシに聞く。
「ええ。単体で見かけることは少ないので近くに群生地があるはずですよ」
「みてみたい!」
こんな可愛いお花の群生だなんて素敵!
きっと絵になると思う。
わたしは辺りを見回した。
「暗がりに生える花なんですよ」
「へえ……」
キシは物知りだなぁ。お花の名前も特徴もすぐに言い当てるから凄い。
「ティーリア様、こちらです」
それに。強いし、探し物もすぐに見つけちゃうんだから。本当に完璧な人だよね。
声に反応して近づく。
うん。やっぱり可愛い。
キシのいった通り暗がりに咲いている。
単体でも星みたいだけど周りが薄暗いから余計夜空に散る星みたいにみえる。
「この花は全体に薄い毒があって、薬として利用されているんです。稀少な花なのでダウス子爵に報告したら喜びますよ」
「そうなんだ!」
嬉しいな。お世話になってばかりいるダウス家の人々にお礼ができる。
小さなものなんだけど、ちょっとでも恩返しが出来るなら嬉しい。
不意にキシはしゃがみ込んだ花を折り、そっと花びらに口を近づけた。
その様子がなんだか幻想的で魅入ってしまう。
格好いいというか、綺麗だよね。キシって。
「……星彗華の花言葉は《光を求める》、そして」
囁くような声音でキシが呟いた。
立ち上がると、わたしに向かって花を差し出す。
「《この生涯はすべてあなたの為に》」
星彗華を背景に笑みを浮かべるキシの姿はとろけそうなほど素敵だった。一瞬で顔が赤くなる。
「あ、そ、そうなんだ」
言葉にも詰まるし、顔が火照って火照って仕方ない。
キシはそんなわたしに近寄ると髪に星彗華を差した。
「あなたは私の光。これからもずっと輝いていて下さい」
……そんな台詞反則だと思う。
嬉しくて恥ずかしくて言葉が出なくて、心の中で呟いた。
―――大好きだよ。キシ
キシに言えない変わりに星彗華にちょんっと触れる。
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ちなみに、モチーフはコキンバイザサです。
あと
花言葉の「光を求める」とキシの台詞「あなたは私の光」
=あなたを求める。
とも考えられるなーと書いていて思いました。
でもキシには深い意味は多分ないです。




