詩: 特別に甘い夜
掲載日:2026/03/21
わたしはシナモンティー
あなたのシナモンスティックでかき回してよ
耳元で囁くシュガーはとても甘いわ
これは今夜のわたしのセリフ
あなたは カップの縁を指でなぞりながら
「熱い夜になりそうだね」と笑いました
テーブルの下で
わたしの足先は あなたの影を探して
触れるか触れないかのところで
ずっと 揺れています
わたしは知っています
甘いだけの恋なんて
きっと どこにもない
紅茶だって 冷めれば渋みが出るもの
だから特別に甘い夜が欲しいのです
ふと目線を落とせば
あなたのカップに揺れていたのは
琥珀色ではなく 白いミルクティー
あなたが高まっていく色
今夜のわたしは
お砂糖を入れすぎたみたいだわ
あなたのミルクに
溶けきれないほど




