はじまり
ひとつため息
この世界はまだ残酷
それでも彼女は深呼吸
準備はできた、何処までも行こう
最高の味方はいつでも側に
砂漠は続いていく
バスはがらんとしていて
いつ放り出させるんだろう
頬杖をつきながら鼻歌
彼女は不思議と怖くなかった
傷だらけの少女は立ち尽くして
私はダメなんだと言った
彼女は少女を抱きしめて言った
ダメなんかじゃない
あなたは良い子で
その傷は罰ではないの
そして準備は終わったのだ
彼女は何処までも行ける
遠回りしたのだろうか
もっと簡単に見つけられたのだろうか
バスはガタガタの道を進む
彼女は気にしない
途中で浴びた大雨は
息を呑むほど美しかった
彼女の旅は始まったばかりだ