表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/19

9日目

キスの翌日、15分の空気は少し違っていた。

言葉よりも、沈黙が多い。

だけどそれは“気まずさ”ではない。


心が静かにほどけていくとき、

人は言葉を探さなくなる。


タクヤ「……昨日のこと、後悔してない?」


タクヤの問いかけに、エリはほんの一瞬、空を見上げた。

雲ひとつない昼下がり。

柔らかい光が、彼女の横顔をやさしくなぞっていた。


エリ「ううん。後悔……してないよ。

たぶん、今までで一番、

ちゃんと息ができた気がしたから」


タクヤはゆっくり頷いた。

彼女の心に届いたという確信が、

胸の奥をあたためた。


それからの日々、

15分はゆるやかに変化していった。


どちらともなく手がふれるようになった...

エリがタクヤの手をぎゅっと握る


タクヤも握り返す

ぎゅっ…ああっ気持ちが落ち着く…

若い男の子なのに…安心する…


こんな若い子に心を惹かれるなんて…

絶対に誰にも知られたく無い…


ファミレスのバックヤードとはいえ同僚の目も気になる

二人はそれ以上には踏み込めなかった。


タクヤは女性経験が無くこれ以上

どうしていいのか分からない


ある日、いつもの15分は裏口の物陰で

タクヤは思い切ってエリをハグした…


ドキドキする…

たかがハグに二人はドギマギする


エリはぽつりと言った。

「私ね、最初は、“おとなしい子だな”って思ってたんだよ」


タクヤは目を伏せずに聞いていた。


エリ「でも、違った。あなたは……

私より、ずっと強い。

私が見たくなかったものから、

逃げずに真っ直ぐに向き合ってる」


こんな関係許されるはず無い…

若者の未来を奪っちゃいけないのに…


タクヤ「エリさんがいたからです。

僕、怖かったですよ。でも……

あなたが笑ってくれたとき、全部救われたんです」


若さなのか、一途に思い込むと

他が見えなくなる…


エリは少し照れたように笑い、

そっとタクヤの肩に頭を預けた。


もう、“時間”なんてどうでもよかった。

でも、“日常の15分”を守ってきたからこそ、今がある。


カズ「なんか、君ら最近仲良過ぎない?」

雰囲気で察する


タクヤ「ああ、いい感じだよ」

今日は一緒に帰るんだ♪


カズ「ふ~ん」

調子に乗ってコケるなよ


今日はファミレスの裏口で待ち合わせ、

シフトを調整してもらって帰り時間を合わせた


エリの家までの帰り道。

タクヤの家の前を通るいつもの道。


今日は自転車を止めた。

エリが自ら言った。


「……少しだけ、寄っていっていい?」


言っちゃった...

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ