表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

異世界恋愛+α(短編)

トレーニングの成果を試すため、いざ、一打席勝負!(打者視点)

作者: いのりん

※第6回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞参加作品です。キーワード『トレーニング』

「秋田ぁ!今日こそ打ってやるからな!」


俺、大野豊は、18.4m先のマウンドにいる女に話しかける


女の名前は秋田恵。小、中学校と同じチームで野球をやってきた、旧友で球友だ。


小学生の頃から、お互いのトレーニングの成果を試すために月に一度、河川敷でこうやって一打席勝負をしている。


「そんなこと言って、高校入ってから君、全然勝ててないよ……ね!」


投球動作に入りながら挑発してくる恵。

頭に血が昇りそうになるが、その状態で勝てるほどコイツは甘い相手じゃない。心は熱く、頭の中は冷静に……


「うるせー!」


パシーン


な、何とか打てた。

今月も必死にトレーニングしといて良かった。

けど……柵越えはまだまだ遠い。


「あーあ、とうとう負けたちゃったか」


「……いや、今のは深い外野フライだ、俺の負けでいい」


「え、いいの?やったー!じゃあ、またハンバーガー奢ってもらうね」


無邪気に笑う恵。

これで9連敗だ。高校に入ってからは全敗。

ただ、これにはカラクリがある。俺は飛ばない竹バットを使っているし、多少いい当たりでもアウト判定にしているんだ。



この勝負で竹バットを使うことようになったきっかけは、中学校卒業の時。


中学の後半から俺に殆ど勝てなくなった恵が、卒業を期に、この一打席勝負は終わろうと言ったんだ。


そこで言ってやった。

『通算成績で勝ち逃げは許さん。ハンデとして飛ばない竹バットを使うし、負けたら奢ってやるから続けろ』

ってな。


まあ、元々高校からは一打席勝負は竹バットで行う予定だったしな。


特に理由はないけど


小学生の時に恵が


『好きなタイプ?竹バットで私からホームラン打てるくらい野球が上手な人かなぁ』


なんて言ってたのは、全然関係ないけど!



ただ、まあ今回も負けは負けだ。

仕方ない、奢ってやる。一緒に飯を食べながら、次こそはホームランを打てる様に色々と情報収集してやる。


あくまで野球のための情報収集だぞ

別に、一緒に食事したいわけじゃないんだからな!


そうだ、ホームランを打ったあかつきには、チョコレートでも作らせてやる。

毎月奢ってるし、その時は嫌とは言わせねーぞ



……今、おれの顔が顔が赤くなっているのは、負けて悔しいからに違いない。


普段、ぜんぜん女扱いしていないしな


恵が可愛い女子だとか、全然意識してないんだからな!

関連する短篇もあります

一打席勝負!(投手視点)N1488JX

一打席勝負!(捕手視点)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
色々と本音が漏れてしまっているところが面白いですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ