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ペコの気持ち03

ペコと竜の出会い。

ペコの気持ち03





「ペコ〜。お散歩行くよ。」



今日も秋はペコを連れてお散歩に出かける。小学校が終わると、司や竜と用事がない限り、直帰しては、ペコと一緒に出かけ、夜夕日が沈み切るまで一緒に遊ぶのが日課となっている。まぁ、日もだんだん長くなってきているので、ペコとしても秋と一緒にいられる時間が増えて喜んでいるのだろう。



『仕方がないわね。秋ちゃんがどうしてもって言うなら今日も一緒にいてあげるわよ。』



ペコの尻尾ははちきれんばかりに風を切り、左右に振られている。



『べ、別に嬉しくって振ってるわけじゃないのよ。それに、運動不足になったら困るでしょ。』



いや、別に喜んでてもいいんだけどね。そんなわけで、秋とペコは一緒にお散歩だ。しばらく歩いていると、住人から挨拶をかけられる。



これもよくあることで、秋は地元では結構有名人で、いつも元気にあいさつをする蟹津さんところのお嬢さんとしてご年配の方々からは好評で、時々お菓子や飲み物などを奨めてくる人もいるくらいだ。


「あら、秋ちゃんこんにちは、犬なんて飼いだしたんか。どうりで最近うちの司んとこにこんわけじゃな。最近では竜くんしか来てくれやんからおばあちゃんも心配しとったで。」



「司のおじいちゃん、こんにちは。遊びに行ってなくても、学校であってますから、それに、ボクと竜と司は心友なので、また機会があったらお邪魔しますね。」



「ほうか。ほんまに秋ちゃんはええこやな。」



「えへへ。ありがとうございます。これでももうすぐ中学生なんですよ。」



「あの秋ちゃんが中学生になぁ。そりゃみちがえるほどのべっぴんさんになるわけやわな。」



「べっぴんさんだなんて、ボクは昔から男勝りな秋のままですよ。」



「そんなことはあらへん。ほんまにめんこうなって、麻美ちゃんと二人で祭りの時は巫女さんしとったときは、ほんまに天女さんが降りて来たんかと思たわ。」



「天女だなんて大袈裟ですよ。地域に麻美とボクしかいなかったんで仕方ないですが、麻美みたいな可愛い子の横でボクなんかが立っちゃって申し訳なかったです。」



『天女ってなんだろう?というか、私の情報源って武兄さんの愚痴とお母さんのおしゃべりと、こうして秋ちゃんがいろんな人に話しかけられた時の話題しかないのよね。』



「そんなことあらへんよ。秋ちゃんも十分べっぴんさんやった。わしらも、おったまげとったんや。」



「もう、おじいさんったらそんなに褒めても、ボクは司のところにお嫁に行く気はありませんよ。」



「それは残念じゃの。まぁ、また遊びにおいで、まんじゅうでも用意してまっとるでな。」



「はい、では、ペコの散歩の途中ですので。」



秋は司の祖父との会話を終えると、ペコを伴って散歩を再開した。話している最中かまってもらえずに不安そうだったペコも、歩きだすと、自分が秋の道案内をするんだと一生懸命リードを引っ張りだす。



「そんなに急がなくても道は逃げないよ。ほら、こっちに来て一緒に歩こ。」



秋がリードを手繰り寄せると、ペコは秋の側を歩き出す。



『ふん。秋ちゃんがさみしいって言うから一緒に歩いてあげてるんだから。』



ペコの尻尾は依然として左右に揺れている。秋との散歩を楽しんでいるのだろう。



小さな用水路の側で秋は立ち止まると、ペコと一緒にそこに腰かけた。田舎の海良町は田に水を引くためにこうした輸水が多数引かれており、歩き疲れたペコはそこで水分を補給したりしてくつろぐのだ。



『秋ちゃんって体細いのに体力あるわよね。私の方が先に疲れてるなんて、本当に人間とはいえ魂の結合がしっかりしてると違うものね。』



魂の結合だけが理由ではないのだが、人体の構造までペコでもわからないので、そんな風に考えても仕方がない。



「あ、竜。どうしたのこんな時間に?」



すると、向こうの方から竜が自転車に乗ってやってきた。



「秋?さっきまで司の家におったんや。ペコの散歩か?」



『なにこいつ?私の秋ちゃんに馴れ馴れしくしちゃってガルルル。』



「なんか、ペコが敵意むき出しな気がするんやけど気のせいか?」



「あはは、前にあった時はそうでもなかったのにね。ペコ、竜だよ。覚えてない?」



『ふん。秋ちゃんに馴れ馴れしい男の記憶なんてとうの昔に捨てたわよ。』



実際は竜のことをペコは覚えている。しかし、その時も竜と秋の仲の良い関係を見て、嫉妬していた。この賢い?ワンコは竜を本能的に秋を奪う敵とみなしたのだった。



「ペコってもの覚え良いからこんなことないのに、変だな。」



「まぁ、そのうち慣れるやろ。俺と司はしょっちゅう秋と一緒におるんやからな。」



「それもそうだね。もう帰りってことはこのあと何かあるの?」



「何言うとんねん。今日は道場やろ?秋も今日は来るんやないんか?」



「ああ、忘れてた。じゃあ、ボクらも帰ろっか。」



『ええ?もう帰っちゃうの?いつもならもっと一緒に遊ぶじゃないの?』



これにより、ペコの中で竜は秋とペコの仲を割く悪者という情報がインプットされ、今後竜が訪れるたびに吠えるという習慣が定着するのであった。




ペコは女の子です。でも秋のことが大好きです。


え?百合?ペコは犬だし・・・・


とにかくツンデレワンコ(ペコ)は竜を敵とみなしたわけです。本編でもそうですが、竜の敵って秋loveが99%以上ですよね。

まぁ、逆もしかりといった感じではありますが。


お家もできて、散歩も行ったので次回は躾でもしてみようかとおもいます。

ツンデレなのに躾なんてできるのか?

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