#56 魔法は心の彩を宿す
「…………ということで、魔法は炎、水、雷、風、光、超の六つあるんだ。俺の知ってるこの星のことは以上で全てだ」
「……まるでアニメとか漫画の世界ね、魂の時点で不思議なのに、それが炎や水になるなんて……。ところで、この星は何ていう名前なの? 地球じゃないのはわかるんだけど」
「…………そういや、何ていうんだろなぁ? 俺知らないや……」
俺は、自分の寝床であるマットレスの上で胡座をかいて、シーカに世界のことを教えていた。
彼女は椅子に座って、インクの瓶を手の中で弄びつつ、物珍しそうに部屋を見回しながら話を聞いていた。
今、ラフェムたちは食堂を囲んで、ラスリィで何があったかと、龍の復活にあたり、防衛だとかなんだとかを話し合っている。
彼は魔法供給者という役を受け持つ人。街全体に魔法を分け与えるのだから、町人より町長に近い立場だ。街の存亡に関わる話など当たり前にするだろう。
一方、この星に来たばかりの俺たち転生者は、当然この話題についていける訳がない。それを見越したラフェムに、帰宅してすぐに休むなりシーカと話したりして待っているよう指示されたのだ。
そういうことで、ずっと世界のことを教えていたのだが……ついに知識が底をついた。そもそもまだ学んでいる最中なのだから、彼らの難しい議題が解決するまでの時間稼ぎになるわけないのだ。
急に暇になってしまった。
コミュ障野郎が、女の子と楽しく話せる話題など持っている筈がない。クアのときもそうだ、俺はラフェム以外とろくに会話を続けられたことがない。
先程まで饒舌に世界のことを語っていたのに、紡ぐ言葉が無くなってしまったから黙るしかないこの急な温度差が、非常に耐え難かった。
彼女も、会話が続くものだと思っていたようで、頭上にハテナマークを浮かべていそうな呆けた顔でこっちを見ているから尚気不味い。
「話すことなくなっちゃった」
いつまでも黙っていても仕方がないので、素直に白状する。
すると彼女は朗らかに笑った。
「じゃあ私、質問するわ。自分がなんの魔法を使えるかってどうやって知るの?」
「ああ、俺の場合は総当たりだったな……結局どの魔法も使えなかったけど」
「それじゃあさっきの話おかしいじゃない、魔法は皆使えるんでしょ?」
そういえば、世界の説明にばかりに集中してて、俺の事は何にも言ってなかったな。
「俺の魔法はちょっと特別でな……話すより見たほうがわかりやすいし、なんならそのついでに君が何の魔法を使えるか試しに行かないかい?」
「それ面白そうね、そうしましょ!」
彼女は、未知の体験に興味津々のようだ。
ずっと手の中で回して遊んでいたインク瓶を机に戻し、勢いよく立ち上がる。
俺も、詩歌がどんな魔法を使えるか楽しみだ。青い髪だから水魔法だろうか? それとも、同じ転生者……特殊な魔法だろうか?
「よし! 行こう!」
高まる思いを抑えきれず、白い鞄を掴んで部屋を飛び出した。
階段を駆け下りると、食堂と廊下の境の壁から、ラフェムが顔を出して様子を伺っていた。
煩かったのだろう。反省し、足音を最小限にして彼の元へ近付く。
敷居の向こう、ダイニングテーブルを囲んで座る三人は、上半身を捻ってこちらを不思議そうに見ていた。机の上に、切り分けられた果物が盛られた小皿が、人数分置いてある。喉を潤わせる水代わりなのだろう。
「急にドタバタしてどうしたんだ?」
「すまん……詩歌に魔法を見せてやろうと思ったら、いてもたってもいられなくなって。あの、前に使ってた石の的ってどこにある?」
「それなら、家の裏に立て掛けてある。外に出るならついでに、ドラゴンにこれをあげてくれないか?」
ラフェムは台所まで、老いたペンギンのようによたよたと歩いていくと、バスケットを持って戻ってきた。
これは、見舞いに貰ったやつだ。今話し合っている四人が食べたから、嵩はビリジワンに着いた時から更に減っている。
ドラゴンは、家の中にいない。何故なら玄関より体が大きいからだ。だから、今は家の影で、壁に寄りかかるようにして横になって休んでいる。
「お腹空いているかもしれないからな。でももし君たちが食べたいのがあったら、残しておいてもその場で食べてもいいからな、そもそも君と僕への見舞いの品だし」
「わかった! じゃあ、行ってくる!」
足を滑り込ませるように靴を履き、意気揚々家を出た。
どこまでも続く空。真っ白な雲が浮かんでいる。人が外に出ていないからか、草原に絶えず流れる風のせせらぎが、一段と鮮明に聞こえた。
夏の陽射しに恵まれて、真っ直ぐ伸びる青い草を靴の先で掻き分け、駆け足で裏へと向かう。
今の時間帯は、玄関出て左側が影になっている。ドラゴンはそこで休んでいると考えて、そっちに曲がったが、彼の姿は無かった。裏にいるのだろうか。
一歩進むと、隠れていたバッタが驚いて、油に水を垂らしたかのように跳ねて逃げていく。虫を見るのはここに来て初めてだった。寒い夜が終わったから、動き始めたのだろうか。
ふと、詩歌の事が気になった。俺は虫が平気だが、女の子は気持ち悪いとか、嫌だとか思っているかもしれない。
角のところで、速度を緩めて後ろに振り返った。
何故か詩歌は、おにぎりを握るように、両手を胸の前で合わせていた。
彼女は急に止まった俺を不思議がりつつ、そっと側によると、ゆっくりとその手の内を見せる。
そこにいたのは、バッタ。逃げ出そうと、奥側の指と指の隙間に顔を突っ込んでいた。
「虫、平気なのか?」
「ええ。大きさ的にオンブバッタかなって思ったんだけど、見たことない形だったから、つい……」
彼女の言う通り、翅が笹型ではなく、七夕の短冊を何枚も集めたような形だった。よく見れば、脚の内側に青いラインが入っていて、細長い顔に宝石のように埋まっている目も青い。
俺たちの知るバッタの、どれでもないこの世界だけの種だ。
バッタは手が開いていることに気付いて方向転換すると、力強い跳躍で巨人が作った牢獄から脱出した。
「…………へえ、私のこと、気味悪がらないんだ」
草むらに落ち、慌てて走る虫を目で追いながら、独り言のように、感心と愉快が半々混ざった声で言う。
「女の子なのに触れるなんてちょっぴり驚いたけど……だからといって君が変ってことにはならないだろう」
「その通りよ。なのに、皆は周りと違う事を愚かだと指差し笑って蔑むの。馬鹿はどっちよ? 好き嫌いに決まりなんてないのに」
その恨み節は、彼女の境遇と性格を的確に表していた。
目線は、虫が消えた草に向いたまま。蘇ってしまった辛苦をこらえるかのように、眉間に皺を寄せている。
もごもごと口元を動かして、何かを言語化しようと試みていたが、結局吐き出す前に飲み込んでしまって、声にしてはくれなかった。
寡黙が、数回ほどの呼吸の間続いたのち、彼女は諦めたかのように目を伏せ、首を横に振った。
「まあ、そんなことどうでもいいの。早く魔法を使ってみたいわ、行きましょ」
彼女は、そう言って歩き出した。
声も表情も、その全く言葉と釣り合っていなかった。
どうでもいいとは建前だ、本心は俺にもわかる。どうでもいいなんて適当にあしらえない、憤怒と悲愴と憎悪、数多の重い感情がぐちゃぐちゃと混ざった、かつて世間に呪われていた事への思いから逃れようとしたのだ。
そこまでしてを追求する必要はないし、権利もない。
口を噤んで、仔鴨のように彼女の背に付いていった。
すぐに辿り着いた家の後ろには、ドラゴンが中央辺りで鎮座していた。
スフィンクスのように、太陽へ向き合って座っている。
まぶたを固く閉ざし、翼はその大きさをあたかも誇示するように広げられている。凛とした姿勢は微動だにせず、王の側近のような冷厳さを感じた。
これは……ただの日向ぼっこだ。
辺りを見回す。
ジョウロやシャベルと思わしき道具や、いつから放置されてるのかわからない鉄の棒やレンガが壁に沿って置かれているが、石板の的は見当たらない。奥にあるのだろう。
竜の前を横切って向こう側へ行こうとすると、彼は目を開き、首をこちらに伸ばしてきた。
鼻先が籠へ近付くと、数回軽く匂いを嗅ぐ。
気になっている様子なので、とりあえずこの中で一番大きい手毬ぐらいの果物を選び、差し出した。
さっきまでの威厳はどこへやら、朗らかな笑みを浮かべると子犬のように齧り付く。
巨大な口の前には、この大きな果物もたまごボーロみたいなものだ、あっという間に飲み込んでしまう。
多分、腹は満たされていないだろう。
だから次のフルーツを渡すが、これもまたたく間に胃の中へ。次々に渡し続け、あっという間にバスケットはスカスカになってしまった。
「うーん、これは魔法練習の後の休憩に食べたいから、とっておきたいな」
ピ、と鼻を鳴らす。このニュアンスはわかった、了解した、ということだろうか。
「ごめんな、少なくて」
ドラゴンは、どのぐらいの食糧を必要とするのだろうか。別に放っても、彼はペットではなく個人……じゃなくて個竜だから勝手に食べに行くのだろうけど、側にいる存在のことをちゃんと知っておきたくなった。
今度、ドラゴンの生態の文献を探しに図書館に出向こう。
右を見る。ドラゴンと角の中間地点に、空へ杭を向けた的が壁に立て掛けてあった。
これだこれだ。駆け寄り、手を触れる。
うぎゃ!
石は真夏の陽射しで熱せられ、想像以上に熱かったので反射で手を引っ込めてしまった。この体なら恐らく痛いだけで、火傷はしないだろうが我慢するのは嫌なので、木の杭部分を抱え、引き摺って道を引き返す。
「よし、早速魔法を試してみるか! 日陰でな!」
ドラゴンは全体的に白に近いし、それに氷の力を持つから平然としているが、俺たちの黒髪は既に光を吸収して燃えるように熱くなっている。
直射日光の当たるここで魔法のあれこれなんかしていたら、熱射病になってお陀仏だよ。
急いで角を曲がり、大体十メートルほどの離れた場所に石版をぶっ刺して、家の影へと避難した。
バスケットを邪魔にならないように少し離れたところの地面に置いてから、ショルダーバッグの中から、見せびらかすように本とペン、そして消しゴムを取り出した。
「俺の魔法は、これ!」
彼女は理解が及ばぬようで、怪訝な顔して首を傾げる。
まあ当然さ。俺も、偶然によって自分の魔法を知ったのだから。
的を狙いながら、炎魔法の詠唱を書き込んだ。
本の先に魔法陣が現れると、間もなく熱い紅蓮の弾がくぐる様に飛び出して、真っ直ぐ空気を唸らせながら飛んでいく。そして見事中央に当たって破裂した。
暗雲が晴れるように、彼女の顔が生き生きと輝き出す。
あまりにも無邪気に興奮してくれるので得意になって、水魔法、雷魔法、風魔法を次々に綴って発現させると、彼女はたちまち魔法の虜になった。
「ショーセの魔法は、文字を書くとその魔法が出るのね!」
「ふふふん、出るのは魔法だけじゃないぜ」
思い浮かんだ物を、メモを取るような素早さで矢継ぎ早に筆記する。
レンガ、籠、筆、スコップ、石ころ……文字の通りに、様々な物が産まれて目の前に積み重なっていく。
「そう、これが俺の能力……魔法! 書いた言葉を現実にする力さ! まるで文字書きである俺を象徴するような、良い魔法だろ!?」
「凄い、凄いわショーセ! ……私も、あなたのように素敵な魔法使えるかしら? 使えたら、楽しいだろうに……」
「まずは、色々試してみないとな! 手始めに、皆のような六個の魔法が使えるか確かめよう」
彼女は頷くと、おどおどと手を前へと出し、棒読みで炎の詠唱をする。失敗を恐れているようだ。
……言い終わるが、何も起こらない。
煽るような静寂は、彼女の自信とやる気を損ねるには充分だった。もっと生気のない声で、次々に水、雷……と続けるが、どの言葉にも世界は応答しなかった。
「駄目……私には使えない……」
彼女はすっかり落ち込んでがっくり肩を落として、今にも家へと帰ろうとしている。困る、魔法が使える人間は当てずっぽで探すのが始まりだが、魔法が使えないのなら逆にここからが始まりなんだ。
「諦めるのにはまだ早すぎるぜ! 単なる予想だけど、君は俺と同じでこの世界の枠に囚われない、特殊な魔法使いだと思うぜ! そうだ、あの棒は? ほら、漫画とか映画だと呪文を唱えながら振って出すだろ?」
「何言ってるの、あれはタクトよ、魔法のステッキじゃ……」
彼女は呆れて、ベルトである腰のリボンに挟んでいたタクトを手に取ると、何か浮かんだみたいで急に真剣な表情で黙り込んだ。
そして、目を閉じると深く息を吸い……歌い始めた。
側に俺がいて気恥ずかしいのか、口角が歪んでいて、声も小さい。他の詠唱のように、何も起こらない。
しかし、それでも彼女は諦めずに歌い続けた。
暫くして、俺の存在……取り巻く世界からの目線から自分の世界へと抜け出したのだろう。歌声から怯えが消えると、たちまち力強い音色へと変化していく。
それと同時に、彼女のコートの青い装飾が光り出して、絹のような炎が姿を見せると周りで踊りだす。
魔法が発現して興奮する俺とは正反対で、彼女ははしゃぐ声や自分が生み出した炎の舞に逸れることなく、真剣に歌を続ける。
普段から歌っていなければ出せないであろう豊かな音域。
そこから発せられる情緒溢れる歌声は、あたかも壮大なクラシックを聞いているかのように錯覚させられた。胸震わすティンパニや大太鼓の重いリズムが、鳴ってもいないのに聞こえてくる。
焔の歌だ。
歌詞は無くとも、優れた低く揺れる烈しい旋律が、雄々しくかつ荘厳な炎の姿を的確に描いていく。
彼女はおもむろにまぶたをあけると、大きく全身でタクトを振るって、リズムと音色を制御する。
ぐるぐると駆け巡る緋色は、まさに炎の竜。
次第に強く盛り上がっていく歌に応えるように、炎も勢いを増すが、闇雲ではなくきちんとコントロールされている。
彼女は突然身振りも声も小さくする。
小さな三拍子を刻むタクトの先に、全身で纏っていた炎が集い、圧縮され始める。
そして、抑えていた声を一気に解放すると同時に、タクトを大きく振り翳して、フィニッシュへと移った。
炎の弾は、キャノンのように発射され、石版へと衝突すると凄まじい轟音を放ちながら、花火のように炸裂する。
彼女は疲れたようで、ふぅと一つ息を吐き、手の甲で汗の滲んだ額を拭った。だが、その顔色はとても清々しそうで、やり遂げられたこと、魔法を使える事に感激しているようだ。
「シーカ、君ってば素晴らしいな、つい見とれちゃったよ! 初めての筈なのに、立派に使いこなしちゃってさ」
「あはは、私も驚いてる……。あなたのお陰で、こんなにも素敵な魔法を知ることが出来たわ、ありがとう……」
シーカがふらりと蹌踉めいた。
咄嗟に彼女が倒れぬよう肩を支える。
どうやら、集中しすぎた反動のようだ。まあ、初めてなのにあれほどの力を出してしまえばガス欠にもなるだろう。
彼女の足に力が戻りそうな気配がなかったので、ゆっくりと腰を降ろして座らせてやった。
さて、きっと、喉も乾いているだろう。
バスケットを取ってきて、果物を食べさせることにした。
……果物を切るために、ナイフがいる。
自分の武器の剣の刃の鋭さを思い浮かべながら、ささっと本にその三文字を綴る。目の前に掌ほどの魔法陣が展開され、光の粒子からナイフが現れる。
俺の魔法は、こういうところが便利だ。
重力で地面に落ちる前に、柄を掴んだ。
早速果物をカットしようとしたのだが……彼女の不思議そうな目線に意識が向いてしまう。
「どうしたんだ?」
「いや、特に問題ってのじゃないんだけど……あなたの魔法から生み出される物って随分質素よね。それに緑色だけ。他の色って出せるの? 例えば……青とか」
彼女の言うとおり、書いて出てくるのは最低限の機能だけを備えた、緑の物だ。
今までは興味も必要性もなかったから、形だとか色だとか、凝ったものが出せるのかなんて試すことは微塵たりとも無かったが、指摘されて少しばかり気になった。
取り敢えず、名詞を修飾してみればいいのだろうか?
手にしていたナイフを一旦バスケットに入れ、もうすでに乾いた筆跡の真下に、『青いナイフ』とささっと綴ってみた。
同じように、魔法陣から二本目のナイフが出現する。色違いだった。
彼女は、草むらへと落下したそれを拾い上げると、観察を始めた。
「青も出るのね、さっきのバッタの眼みたいな青。……それ以外は変わりないわね」
単なる色違いだから、つまらなそうだ。
……うーん。もっと描写と情緒を込めてみれば、彼女を驚かせる物を生み出せるだろうか。
表現するには、知識がいる。知らないものを思い浮かべるなどできっこないからだ。だから俺は記憶を辿る。
武器屋で、選ばなかった剣の事を思い出した。
海のように透き通った蒼の宝石で作られた刃を持つ、洒落た剣。俺には似合わないし、それで戦えるのか不安だったから選ばなかった両手剣。
その姿はあまりにも綺麗だったから、俺の目に焼き付いたままだ。あの刃に替えてしまおう。
形もどうにかしよう。
果物を切るために出したから、小さな包丁みたいで平凡なナイフ、既にシルエットがダサい。
じゃあ、格好いいナイフって何だ?
そういえば、洒落たサバイバルナイフをアイツが持っていた。
アイツは俺と違ってアウトドア派だから、どこかで買ってきた奴を愛用してた。数回しか見たことがないが、背の鋸、沿った尖端、赤のグリップ、そのデザインは覚えてる。アイツは嫌いだけど、あのナイフは好きだ。
だから脳内でモデリングしたイメージを必死に回しながら、『澄んだサファイア刃のサバイバルナイフ』と本に書く。
またまた魔法陣からナイフが出てきて、ボトっと落ちた。さっきの二回は銀の残像が見えたが、今回は青だ。と言う事は……。
彼女はそれを見ると、たちまち目を煌かせて手に取ると、俺の方に体を向けて、産まれた武器を見せた。
少しばかり細部が違う気もするが、確かに俺の綴った通りの、サファイアのナイフだった。
「これ、凄い綺麗だわ! あなた凄いのね、やろうと思えば出来るのね!」
なるほど、文を詳しくすれば、ちゃんと相応の物が……。
…………これは、使えるかもしれない……。




