#4 ギルドと依頼と夢想の魔法
……ノックの音が聞こえる。
ああこの音。本当に耳障りだ。
アイツか? 毎日毎日うるせえなぁ。毎朝ご丁寧に起こしやがって、俺は何て言われようが、あんな糞みたいな学校なんか行かねえんだ。
俺はお前とは違う、お前みたいな目前しか考えない、裏や闇から目を背けるロマンチストじゃない。
この世界に意味なんてない、無駄なんだよ何もかも。
寝たふりしよう。
「ショーセさん、すみません朝御飯ですよ」
「えっ、誰、ちょ、ここどこだ? あっ、そうだった!」
違う、ここは俺の部屋じゃない、俺の産まれた世界じゃない。
知らない女の子の声で、曖昧だった意識が一気に冴えて、全てを思い出し飛び起きた。
俺、死んだんだ。
それで転生して、大変だったけど何だかんだで宿に泊めて貰えて、部屋に入ってすぐベッドに飛び込んで寝たんだっけ。
「すみません、今開けます!」
急いで部屋の鍵を解く。
開かれた扉の前に、一人の少女が、朝食を乗せた盆を持って立っていた。
受付のクアに似ているが、彼女より少々幼く、しかしながら気品ある顔立ちの女の子。こちらに素っ気ない会釈をすると、部屋の中に入ってきた。
彼女は窓際にある木の机に、黙々と皿を置き始める。
動作に合わせて、長い髪はそよ風に吹かれる草花のように揺れた。その姿に、つい見惚れていると、視線に気付いたのかこちらへと不思議そうに振り返る。
サファイアのような綺麗な虹彩。魅力に魅かれ、渦潮のように吸い込まれてしまいそうだ。
そぞろに声をかけたくなった。
「すっごい似てるけど、クアさんじゃ……無いですよね?」
そう聞くと彼女の透き通るような白い肌が、みるみる耳先まで赤く染まった。
「ひゃっ……は、はいっ、私はクア姉ちゃんの妹で、あの、ロネ! ロネと言います。朝御飯の配膳はお姉ちゃんと二人でやっているんです」
「妹さんかぁ。ロネさんって言うんだね、可愛い名前だね」
「あ、ありがとうございます。そそそそ、それではごゆっくり」
ロネは顔を真っ赤にしたまま、扉も閉めずに逃げるように早足で去ってしまった。
刹那に覗いた彼女の顔は、今にも泣き出しそうだった。さすがに慣れ慣れしかったかな、ちょっぴり反省しつつ扉を閉め、席へとついた。
黄色のジュース、普通の目玉焼きとそれを飾る少々の野菜に、ちっちゃいフランスパンのようなもの。それと木のフォーク。なんら変哲の無い食事、食文化が同じことに安心した。
これがこの世界に来て初めての食事だ。
「いただきまーす」
……ジュースは、この色はパイナップルジュースだという先入観のせいで味の違いに驚いたが、甘すぎず後味もスッキリしていてとてもいい。
取り敢えずメインの目玉焼きを裂いてみると、鮮やかな黄身がトロリと溢れ出した。それを周りの白身と絡めて口に運ぶ。
濃厚な半熟の黄身と淡白な白身の見事なコンビネーション、ソースをかけないと物足りない俺も唸らす絶品だ。
野菜は見た目食感共々茹でほうれん草に似ているものの、苦味がなくてすんなり食べられる。
パンはちょっと硬い。味はついておらず他と比べたら素朴なのだが、それがまたいい。
あっという間に平らげた。
おいしかったぁ、ご馳走様。
極上の美味に満たされて、幸せに膨れた腹をさすっていると再びノックが響く。
「あ、あの、ショーセさん? ラフェムさんがお見えに……その……」
扉の向こうから、恥じらい混じりの震え声が聞こえる。どうやらロネは、まだ先程の事を気にしているようだ。
謝らないとな……。
「教えてくれてありがとうな、さっきは変なこと言っ……」
扉を開けたが、彼女はもういなかった。
階段を駆け降りる音が廊下に響いている。さすがに怖がりすぎじゃないか?
罪悪感と不服の気持ちを抑えながら荷物を忘れていないか……といっても、鞄と文房具しか無いが、全部揃っているか念入りに確認してから、俺は待ち人のいるフロントへと向かった。
「そ、そ……そう……!」
「あれは肉食の……草トカゲ……」
階段を半分ほど降りたところで、クアがラフェムと会話している声が聞こえ始める。
はっきりと聞き取れないが、彼女は楽しそうに話し続けている。ラフェムの声は小さすぎるのかはたまた無言なのか、いくら段を降りて近づいても、全く聞こえなかった。
一階に着き、すぐ横の受付をみると、二人はならんで石机に寄りかかっていた。
おはようございますと挨拶すると、クアは明朗快活に返し、ラフェムは軽く微笑んで、よう。と手を振ってくれた。
彼女は、俺から鍵を受け取った後、仕事へと戻っていった。
彼の方は、俺を連れて出口の方へと進む。
ラフェムは、昨日のモコモコ姿ではなく、俺のと同じ、白のコート姿になっていた。
違う部分といえば模様の形状と、それが赤色であることぐらいか。
この服は、予想通り一般なものらしい。
……昨日は防寒着でまん丸だったので、そこから想像していた体つきは、ふくよかなものだった。
だがそれは全くの間違いだった。余計な肉の無い、ほどよく引き締まったバランスの良い体の輪郭が、コートの内にあることが窺える。彼の体で唯一の残念なところは、猫背であることぐらいだろう。
「早速だけど行こう、ギルドまで案内するよ」
……ギルド! やはり金を稼ぐにはギルドか、王道だな。
「二人とも頑張ってね、いってらっしゃい」
クアの爽やかな声掛けを背に、俺たちは宿から離れた。
開かれたドアの向こうに広がるのは、昨日は闇に隠されていた、鮮やかな自然と調和する人々の住処。
濃い青一色の空、天高く昇る直視できないほど輝く太陽、それを掴もうと言わんばかりに伸びる大きな白い入道雲。
いかにも夏の風景だ。いつも夜にばかり外に出ていた俺には、自然というものが少しばかり眩しすぎたのだが、すぐに慣れた。
曲がり角の多い小道を抜け、昨日散々走り回った大通りに出る。
そこには、昨日俺が見た殺風景とは全く違った姿があった。
親が連れ添う子供から、経験豊富そうな老躯の夫婦まで、様々な人の雑踏で賑わっている。
日本だったらこういう光景を、黒山の人だかりと言うが、この世界の人の髪は白から黒、赤から紫まで多種多様なので、この世界に合わせて言い換えるならば虹山だろう。
「ギルドはこっち、はぐれるなよ」
……なんて、しょうもないことを考えていると、ラフェムはそう言って、鮭のように人の川を力強く掻き分け遡上し始めた。
彼の赤よりの栗色の癖っ毛を見失わないよう、視線から一秒たりとも離さぬ。
しばらく進んでいくと、周りの店とは比較にならないほど大きな、とはいってもスーパーぐらいの、見事なお屋敷が現れた。
門口の横に、〝ビリジワンギルド〟という文字と、双葉のような絵が彫られた木の下げ看板が付いている。どうやら目的地はここのようだ。
観音開きの銀扉をラフェムが押し開けると、反対側から丁度こちらへ出ようとしていた、背の高い金髪の男と対面した。
彼は驚いて強張っていたが、同じく驚いていたラフェムを見ると爽やかな笑顔に変わる。
「よっ、おはよう、ラフェム。トカゲ狩りの依頼あるけど今から一緒に行かねえか?」
がさつに握り締めた紙を、旗のようにはためかせて、少年を誘う。
ラフェムは、生唾をゴクリと飲んでから、残念そうに首を横に振った。
「よう、ネルト。残念だがまた今度な、今日は用事があるんだ」
「そっかあ、トカゲより優先ってことは相当大切な事だな。じゃあ一人で行くわ。燻製にしといてやるよ、またな」
「じゃあな」
男はラフェムの知り合いのようだ、馴れたやり取りを交わすと、すれ違って繁雑の中へと消えていった。
気を取り直して、中へと入る。
ギルドと呼ばれる建物には、中に入って、正面突き当りに受付らしき場所と上下階に続く階段があった。その前に右に食事処の部屋、左には大きな掲示板が配置されている。
アイボリーなレンガの壁に、鈍く光るダークブラウンのフローリング。
目を凝らすとようやく見える、決して新しくない傷や欠けから、年季を感じると同時に、とても大切に管理されていることも察した。
ラフェムは左折し、掲示板の前で立ち止まる。
自分の背の何倍も高い、コルクボードの掲示板には、害獣退治やら、探検の誘い、荷物の配達など、多種多様の依頼が書かれた紙が貼り付けられている。
上まで隅々貼り付け、そ見れるように、長い梯子が壁に立て掛けられているが……上の方にあるのは……子供の落書きか? そもそも、手の届かなくなる範囲から、紙が急激に少なくなっている。……何となく、かっこいいから高くしただけなのだろうか。奔放だけど、それはそれで良いかも。
「ああ、ああ、聞いてなかったが、君はなんの魔法が使えて、どのぐらい強いんだい?」
「なっ!? 魔法?」
掲示板を観察している最中に、突然そう試す様に聞かれた。
わからない。
そうとしか言い様が無かった。
この世界にどんな種類の魔法があるのかも、自分がどれぐらいの強さと能力を持って転生したのかすら知らないからだ。
俺の答えに、彼は不思議そうに顔をしかめた。
「あれぇ、自分の魔法がわからないなんて、自分の魂同然のこと普通忘れないだろう。そもそも……旅人だって言うけど、どこで生まれて、どこから来たんだ?」
どうやら、この世界の住人は何か魔法を絶対に習得しているらしい。
昨日からの不審な言動の積み重ねで、彼は猜疑心を抱いているのだろうか、絶え間無く次々と質問を投げかけてくる。
うーん、馬鹿正直に生まれも育ちも日本で、死んだので転生しましたなんて答えたら、普通に異物として気味悪がられ迫害される可能性もあるだろう。少なくとも、日本じゃそうするかな。宇宙人を取っ捕まえて……みたいな、そういうオカルト話あったし。
嘘もつくのも悪いし、どうし……
…………………………。
?
日本……日本?
「俺……俺ってどこで生まれて、何をしてきたんだっけ……?」
覚えてない。
いや俺は、確かに日本で生まれ、日本で育ったはずだ。それはわかるんだ。
だが、日本とは……なんだ? 俺はそこのどこにいた?
記憶の底から捻り出しても、ぼんやりとした灰色の箱が聳える狭い空間しか思い浮かばない。そこに住んでいましたという事実だけが、伴うべき情景や経験を完全に削ぎ落として記憶に残っている。
それに、思い出せないのはそれだけじゃない。
魂が神のところへ呼ばれる以前に、自分はどこでなにをしていたのか、はっきりと自主的に思い出せなくなっている。
あんなにも最悪だと蔑み、厭世観を持って見ていた確かに存在した世界と生活を想像できない。
言葉と、俺という個人を成り立たせる経験とは無関係な抽象的な知識と、今にも霧散してしまいそうな程に不安定な漠然とした穴開きの記憶だけを持って立っていることに気付いてしまった。
気持ちが悪い。なんで? あるはずなのに、なければ俺は俺では無くなってしまうのに、こんなにも思い出せないんだ?
「お、おい、大丈夫か、顔が真っ青だぞ。………………あー……。わかった、まさか記憶喪失なのか?」
俺は、相当苦痛の滲み出た表情をしていたのだろうか。戸惑いと心配の声をかけられた。
記憶喪失……嘘でも本当でもない。どう答えればいいのかわからない。
「無いのかな、無いのかもわからない、あの緑の丘で起きた以前の事が全く……」
「……まさか、こんな大事になるとは思わなかった。すまない、僕のせいで混乱しているよね……そこに絶対にあったものを失った恐怖と不安はわかるよ、わかる。だから、まずは何かを取り戻そう。魔法の詠唱は覚えてる? 自分の魔法を引き出せれば、何か思い出せるかもしれないよ! うんうん!」
魔法にまつわる記憶なんて無いから思い出す筈がないのだけど、自分の魔法を知るチャンスだ。
「詠唱もわからないのです。でも、試してみたい、魔法の使い方を教えてください」
彼は、魔法については腕に覚えがあるようで、得意げな顔で了承すると、掲示板から後退りするように、部屋の中央に移動する。
「じゃあ、まずは炎魔法。ちなみに僕はその魔法の使い手なんだ。手の内で燃え盛る小さな鬼火を想像して、〝エン ジャロフラミア〈我が燃える魂姿を現せ〉〟と唱えるんだ。君の魂が炎の力なら、考えたものと同じものが出てくるはずだ、ほら」
彼は、そう言うと握り拳を差し出し、花のように指を開く。咲いた手のひらの中には、小さな炎が緋色に煌めいていた。
おお、凄い。耳を澄ませば、空気が熱せられて低い唸り声を発しているのが聞こえる。科学なんかじゃ説明出来ない不可思議な炎への好奇心や興味が、心の沈みを一気に吹き飛ばしてしまった。
いきなりこういうのを最強レベルに使いこなせるチート能力を身に付けているのは、異世界転生の定番ネタ。
使いこなせる自信しかない。いや、強すぎて逆に使いこなせないかも? へへへ〜参ったね。あ、あれか。記憶は代償ってことかなぁ。
早速、言われた通り唱えてみた。
「……エン ジャロフラミア」
彼の手に浮かぶ炎をそっくりそのまま思い浮かべながら、胸を張って詠唱。
した……のだが、なにも起こらない。適性がないのか……?
ラフェムは少し残念そうだ。俺もかっこいい炎を操りたかった、無念。
「炎魔法使いでは無いようだね……じゃあ、次は水魔法。君が泊まった宿のクア姉妹は、この水使いだ。心という器の中でたゆたう清水を思いながら、〝スイ ウォロハイド〈我が清らかな魂姿を現せ〉〟」
「スイ ウォロハイド」
……おかしい、何も起こらない。
その後にも、雷魔法〝ライ サンドラグロム〟に、風魔法〝フィ ヴァンエント〟……他の魔法詠唱を全て教えてもらったのだが、どれ一つ使うことが出来なかった。
妄想していた異世界転生のチート能力とは程遠い、自分の実力と現実の厳しさはかなりショックだ。
記憶が無い上、魔法も無いなんて、あまりにも酷すぎる。先程の自信は、今や鋭利な槍となって俺の心を引き裂いていた。
「魔法が使えないなんて……、……不思議だな。まあ、ある時なにかの拍子で魔法も記憶も思い出すさ、そんなに気を落とすなよ。気晴らしも兼ねて、これにでも行こう」
落胆する俺を慰めるようにそう言うと、彼は掲示板に貼られた紙を一枚剥がして持ってきた。
紙には、街の外にある森で、とある赤色の果物を採集してきて欲しいと、可愛らしい筆跡で書かれていた。報酬は六銅。
確かに採集だけなら他の害獣退治等とは違って魔法も要らないだろうし、こんな俺にも出来そうだ。
それに、報酬も借りている三銅を返して、しかももう一泊することができる。かなり上等だ。早速、その依頼の手続きをすることにした。
掲示板の部屋から出て、すぐ左……つまりは入り口からまっすぐにある、受付へと移動する。
依頼を受けるには、この街や他の街、どこかしらのギルドに所属している事を証明するか、新たに入団する必要があった。もしもの時に対応できるようにする為らしい。
もちろん所属なんてしていないので、新規入団の手続きをする。
受付嬢からクラフト紙のような茶色をした、看板の双葉と同じ模様が既に描かれている新規のカードを手渡された。
そして、指定の場所にサインをする……と言っても、俺はこの世界の文字は書けないので、ラフェムによみがなを振って貰った。
次に、カードを彼女に返すと、受付嬢が右の四角い欄に俺の顔の絵を書き込み始めた。どうやらこの世界に、カメラや写真という存在は無いらしい。
お姉さんは俺の顔をじっくり眺め、デッサンをするときのように、画材で大きさを測ったり、片目を閉じたりしては、慎重に筆を動かしている。
……でも、描かれる線は、人間の複雑な肉付きを持たない図形だ。
そのギャップに違和感を覚えると、ラフェムは彼女に聞こえないよう、ぼそぼそと耳打ちしてきた。
「このビリジワンのギルド、有名なんだよね…………絵心が無いことで。アトゥール街の受付嬢は鏡に映したように描くから、あっちはわざわざ他の街から登録に来るほどなのに。何でかなぁ。まあこれも味があっていいんだけどね」
彼はそう言いながら自分のカードを見せてきた。
笑ってはいけないのだが、真ん丸の輪郭に、丸めた糸屑のような赤い目、かつらのように乗せられた、漫画のギザギザ吹き出しのような髪、まるで小学生の絵だった。
でも、この絵でも一応ラフェムだとわかった。跳ねた毛や太めの眉などの特徴は一応描けており、使われている色だけは彼そのままだからだ。
この絵のお陰で、何だか重く沈んでいた気分が和らいだ。
十分ぐらい経っただろうか、上手く出来たのか上機嫌な表情でよし。と彼女は呟きながら首を小さく縦に振った。
「描けましたわ、これであなたの入団登録はおしまい。今度は依頼の手続きをするわ。ラフェム、依頼用紙頂戴」
「どうぞ」
ラフェムが持つ依頼の書かれた紙と交換するように、俺のカードが渡された。
絵に描かれた俺は、毛先が深緑の黒髪で、緑の虹彩をした少年だった。
ここで初めて、俺が元々の姿では無くなっていたことを知った。ずっと鏡を見ていなかったから、全くこの事に気付いていなかった、機会があったら自分の姿をちゃんと確かめよう。
そんな事を考えているうちに、依頼の手続きは終わったらしい。
木で編まれた、果物を入れるための籠と、先程の紙の内容が写し書かれ、その上から大きな印が押された紙を手渡される。
説明によると、依頼の達成を示す証拠……今回であれば、採取した果物と共に、この紙をここに提出すれば、晴れて仕事完了となり引き換えに報酬が渡されるらしい。
その貰った紙を丁寧に端を揃えて折り、バックへと仕舞った。
初めての仕事、精一杯頑張るぞ。
意気揚々、籠を背負いながら勢いよく後ろを振り向いた。ラフェムは急な動きにびっくりして一瞬止まっていたが、すぐに笑顔になってノリ良く同じように背を向けた。
「よし、森に行こう」
彼はそう言いギルドから飛び出すと、若干空いた広い道を爽快に駆け出した。
猫背にのっそりしたあの見た目から想像出来なかったが、かなり足が速い。
あっという間に地平線の向こうに消えてしまいそうだ。
「待ってくださーい!」
どんどん小さくなっていく彼の背を目指し、爽快な風の舞う黄金の太陽の下を、浮かれた足取りで駆け抜けた。




