幕間その三 青年は初の依頼を受けたようです〜
パーティー加入が決まった翌日
俺達はギルドに依頼を探しに来ていた、昨日は先輩冒険者に絡まれたけど今日は大丈夫かな?
と思いながら、女神官と女罠士の三人で依頼板の前で依頼を探してると―――女罠士が依頼板から一枚の紙を剥がす。
ドヤ顔で俺と女神官のもとに持って来た。
「お〜い、このゴブリン討伐ってのに行くのだ」
えっ?ゴブリン討伐っていったらランクC級の依頼じゃないか!!
まだ俺は冒険者初心者でしかも、昨日冒険者になったばかりだよ、と思いながら、困った顔で確認の為に女罠士に言う、
「あの〜俺は昨日冒険者になったばかりなんですけど………」
「そうですよ、まだ魔法剣士は昨日、冒険者登録したばかりなのですから、他の依頼にしましょう。薬草採取とか………」
そう言って、女神官は俺の顔を見ながら薬草採取の依頼に優しく指を指す。
しかし、女罠士は譲らない。
ない胸を張ってこう言った、
「何事も経験なのだ、ウチと女神官はC級冒険者なのだ、貴方のサポートしながらでも依頼達成出来るのだ!」
う〜ん無い胸を張られてもなぁ……いや!胸は関係ないかぁ、
と思いながら女神官に尋ねる。
「俺は初めてで不慣れだけど大丈夫かな?」
「大丈夫ですよ、何かあったら私が治癒魔法で何とかしますので、安心して下さい。」
「女神官も大丈夫だ、と言ってるからこれに決まりなのだ!!」
女罠士は依頼を受ける為に依頼書を受付に持って行った。
無事依頼の受注が終わり俺達はゴブリンに畑が荒らされてる、と言う村にやってきた。
街から徒歩で三日程の村に俺達三人は着いた。
いや、田舎の町って言ってもどちらかと言うと小さな街?
いや町だ、俺が住んでた村は五百人弱の人が住んでいたけど、この町は一千人程の住んでるみたいだ。
ちなみに俺が冒険者ギルドに登録した街は約一万人程の人が住んでいる。
王都は十万人以上が住んでるらしい、一度は行ってみたいもんだ。
話がだいぶ逸れたが――――今から町長の家に行かなければならない。
そう、依頼は町長からの依頼だからで、話を聴いてみると、
最近ゴブリンが畑を荒らし家畜を殺し持って行くのでどうにかして欲しいの事だった。
畑を荒らし家畜を襲うと言うことは、この町の近くにゴブリンの根城あるということだ。
「わかったのだ、ウチらが一匹残らず片付けるから安心して欲しいのだ」
「私も頑張りますので、安心して待ってて下さい。」
「俺も全力を尽くすので安心して下さい。」
そう言って俺達三人はゴブリンの根城に向かう。
森を歩いているとやたらゴブリンとの遭遇率が高い。いくらゴブリンの根城が近くにあるたと言っても異常すぎる、俺は不安になり、パーティーメンバーに相談するために声をかけて近づいて行った。
「ゴブリンとの遭遇率が高くないですか?これは明らかに異常です。」
「そうですわね。確かに多ですわ、普通なら遭遇率、三十分に一度くらでわけね?」
「ウチは倒せればいいのだ、だってゴブリン倒せば町の皆も安心するのだ」
はぁ……女罠士は何故、ここまでお気楽な性格なんだろ。俺は以前、村から出発する時に護衛をしていた、B級冒険者パーティーに言われてた事を思い出し、更に二人に言葉を投げかける。
「俺が以前知り合ったB級冒険者パーティーが言っていたんですけど、異常な頻度でゴブリンに遭遇する必ず近くにゴブリンの上位種がいるらしいです。」
えっ?コイツ何言ってのって顔で女罠士が俺の前に詰め寄って、高らかに。
「それなら纏めて倒せば良いのだ、ホブゴブリンなんて一撃なのだ」
「上位種はホブゴブリンだけではありませんわ。ジェネラルゴブリン、メイジゴブリン等も居ますわよ。」
女罠士はイライラしながら、罠士らしかなる行動にでた、周りの草や木の枝を短剣を振り回しながら森のを真っ直ぐ歩いて行った。
俺と女神官はお互いに向かいあい、『はぁ……』と、ため息を漏らしながら、女罠士を追いかけていった。
ギャャャャーー
何だ!!今の声は慌てて俺と女神官は慌てて女罠士のもとに駆けよった
。
するとそこには………ゴブリンが、二十体、ホブゴブリンが二体の計二十二体の二個小隊のゴブリンがいた。
編成はゴブリン十体とホブゴブリンの一体、俺達三人は挟み撃ちにされていた。
(マズい罠に誘導されていたんだ!!)
すぐに俺は女罠士に俺の所まで下がる様に支持を出し、女神官にはすぐに俺達二人に支援魔法を使用し、すぐに後ろに下がって状況に応じて治癒魔法をかけてと指示をだした。
恐らく、この二個小隊は先遣隊だろう、と俺は判断し行動にでる。
「光の加護を私に力を貸して下さい。ライトシールド」
そう言って女神官は光の結界を俺と女罠士にかけた。
今だ!と言わんばかりに女罠士は複数の投擲様の針状の武器をゴブリンに目掛けて投げた。
その攻撃でゴブリン三体が完全に沈黙した。
「ウチを舐めないで欲しいのだ」
俺は女罠士に注意の意味も含めて、
「これは恐らく先遣隊だと思う、だから油断は禁物ですよ。」
ファイアーボールを複数出し残りのゴブリン達に向かって放った。
よし!!あとは残りホブゴブリン一体とゴブリンが五体になっていた。
(これは勝てるぞ)
「凄いですわ。」
「何だのだ?ウチの出番終わりなのだ」
二人が各々の事感想を言いながら、俺の方を見つめている。
俺は残りのゴブリン共に雷魔法を放った。
「サンダー・ボルト」
残りのゴブリンは消し炭になった。
「こんなに数が多いと持って行けないのだ……」
「そうですわね……それならせめて討伐部位だけは持って行きましょう。」
ゴブリンの肉は安価だかギルトに持って行けば買い取った貰える、魔石は持って無いとはいえ、肉は美味しいからだ。
「それなら俺のマジックボックスに入れて皆持って行こうよ」
と提案する。
消し炭になった亡骸は流石に食用にもならないので、と思って次々にマジックボックスに亡骸を入れて行く。
「何ですか?えっ!!マジックボックスですか………」
「えっ……ウチそんなマジックボックス持って……金貨百枚はするアイテムなのだ!!初めて見るのだ」
二人は狼狽えながらも俺に聞いてくる。
「あぁ…これは俺が独自に造ったマジックボックスですよ、ちなみにマジックボックスの中は時間が止まってるので腐敗とかしないですし、所容量は無限だと思うので、試してないから限界がわからないです………」
「何なのだ?」
「時間停止のマジックボックス……聞いた事がありません。」
あちゃーやっちまったかな(汗)
でも、せっかく三人で初めて討伐したのに持って帰れないのは悲しいもんね。うん!そうだよ。
俺は心でそう納得させた。
しかし、二人の視線が痛い……話題を変えなければ。
「そうそう、まだゴブリンの根城に行ってないしですし、早く行きましょう!町長さんの依頼はゴブリンの討伐ですね?」
「それも、そうですわね。」
「早く依頼終わらせて町の皆を安心させるのだ」
俺達三人はゴブリンの根城に向かって更に歩き出した。