三話 どうやらチート能力に少しは気づいたようです〜
こちらは新しい話数です、ご迷惑おかけしました。
視点は監視官です。
僕は新米監視官。
今日も監視対象の青年を監視しています。
青年が村から独り立ちしてから九日目、青年はB級冒険者パーティー(勇者パーティー)の剣士と模擬戦を観戦している。
カキンッ!カキンッ!
「ほら脇がガラ空きだよ!そんな防ぎ方だとダメじゃないか。」
「はい!すみません!」
「よし!それならもう一戦するか?」
「ウッッ………」
B級冒険者パーティーのリーダーがそろそろ日も暮れて魔物が活発になる時間だからと言われてB級冒険者パーティーが夜営の準備をしていると、俺はB級冒険者パーティーのリーダー男剣士に勉強とは名ばかりの模擬戦に誘われて、夜営地から少し離れた所で模擬戦を初めて約三時間余りしている。
「もう立てません。」
「そうれじゃ、これで俺との勉強は今日で終わりだな。」
そう明日には街に着く、いよいよ青年は冒険者になれる、先ずは冒険者ギルトで登録しなくちゃね。
「今日まで有難う御座いました。」
青年は男剣士に頭を下げお礼を言った。
しかし、青年は凄いですね。
流石は【女神様の加護】と言うべきですね、青年は模擬戦で男剣士に負け続けてるはいるが、初日の模擬戦なんて数秒で気絶してたと言うのに。
今では男剣士と三時間余り模擬戦をしても気を失わないのですから、男剣士と言っても彼は【剣勇】を女神様から授かってるこの星の勇者なのだから。
この勇者パーティーには
男剣士が【剣勇】の加護、
女戦士が【戦姫】の加護、
男召喚士が【聖獣召喚】の加護、
女魔法使いが【魔道士】の加護、
女神官が【聖女】の加護
を授かっているパーティーメンバーである。
これらの加護は【女神様の加護】の次の最上位加護なわけで。
(女神様、このチュートリアルは流石にやり過ぎですよ………)
その勇者パーティーから村から独り立ちした青年は毎日それぞれのメンバーから勉強と言う名の訓練をしている。
勇者パーティーメンバーも初めは軽い手合わせのつもりが三日目辺りから本気を出してるのが僕にはわかる。
男剣士からは剣技を見て取得し女戦士からは戦技を女魔法使いからは複数の属性魔法を取得した時は流石の勇者パーティーは驚きを隠せなかった。
「【剣】と【魔法】の加護を授かった事は聞いていたけど……」
「三日目で私の戦技を」
「アタイの五つの属性魔法を会得するとは」
「「「この子は天才!!」」」
(まぁ…そう思うよね、だってチートですかね)
僕も初めてチート能力を間近でみて思った。
しかし、その驚きを吹き飛ばす出来事がその翌日起きたわけで。
男召喚士から闇魔法の聖獣召喚を会得し女神官からは光魔法の最上位治癒魔法を会得したからである。
この二つの魔法は普通【魔法】加護だけでは覚える事が出来ない属性魔法だからだ。
聖獣召喚の場合は【闇魔法】と【召喚士】を、最上位治癒魔法は【光魔法】と【聖女】の二つの加護を授かって初めて使用できる魔法で勇者パーティーの二人以外に使える人はこの星いない筈だったわけで……
それなのに目の前の青年が今まさに会得したのだ。
困惑しながら男召喚士と女神官が尋ねる。
「キミの…加護は………剣と魔法だった……よね………」
「え〜っと………あれは…うん…私と同じ最上位治癒魔法…です………ね」
(うん、普通驚くよね、でもこれがチート能力)
「はい、俺何かおかしな事したでしょうか?」
勇者パーティー一同は
「「「おかしすぎる!!」」」
同時に口を揃えてツッコむ。
(これがボケとツッコみと言うやつですね、初めてみたした。)
この後青年は勇者パーティーに力の使い方や隠し方を教わっている。
勇者パーティーも自身の能力が強すぎる故に同情したのであろう、各国の王族や貴族や権力者達は強い能力をくだらない政事に利用するのを知っているから。
信頼できるパーティーを探すのが何よりも一番大切だと、何度も何度も青年に言い続けていた。
「信頼できるパーティー以外に自分の能力を話したり、使ったりしたらだめですよ!!」
「まずはパーティーメンバーを探しなさい!」
「いいですね?」
あまりの勢いに青年は「はいっ……」としか言えなかった。
勇者パーティーも一人ひとり国が違うらしい、魔族が人族に危害を加え始めそれを阻止するために各国が相談して、集めたのがこの五人の勇者パーティー。
勇者パーティーの物語はまた別のお話で
十日かけて街に着いた青年は直ぐに冒険者ギルトに向って冒険者登録を済ませた。
青年は冒険者登録を済ませ依頼板に向って歩いてると、一人の男冒険者が声をかける。
(あっ!絡まれてますね、確か……テン…プラー…でしたか?)
『テンプレ』
んっ?誰かの声が、今はそんな事よりも目の前の出来事を注視しましょう。
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