2話 設定?
家に帰るとドドドと階段を降りて来る人影が見えた。
「宇宙ー!」
「ッ‼︎?」
その人影はそこで止まるかと思ったがそのまま突っ込んできた。俺はそれをヒョイと交わすと人影は床にダイビングしていった。
「何かわしてんのよ!」
「いやいやいや、交わすだろ」
「姉を無下に扱うとは…」
少しこの家のことを説明すると、この家には今俺たち2人しかいない。親は両働で大体家におらず帰って来るのも遅い。つまりこの家は自分と姉でほぼ2人暮らし状態だ。姉、雨宮美羽は大学2年生でこの近くの大学に通っている。容姿はよく、高校の時10回くらい告白されてうざがっていた。次に俺、雨宮宇宙顔は中の上くらいだと思う。高校2年生だ。ちなみに一緒に登下校していたやつは和田太陽顔はイケメンで頭もまあまあいい(宿題はやってこないが)。
俺の家はまあまあ大きい方だと思う。なぜか誰も使っていない剣道場(俺が小学生の頃は使われていた)があるが普通の家だ。
「あ!そうだアレはもらいましたか?」
「?ああ、これか?」
そう言って俺はVRゲームの入っている袋を持ち上げた。
「そう、それ、早くやりましょ」
「正式サービスして明日からだろ?」
「その前に設定とか色々あるの」
「へー。じゃ夕食終わったらしようか」
基本食事の準備は俺で洗濯や風呂洗いは姉さんだ。前姉さんにご飯を作らせたらちょっとやばいことになった。姉さんは鯖の塩焼きと言っていたがもう原型をとどめていなかった。そんな簡単な料理でアレになるのか知らないがそれから俺がずっと一人でやっている。
「「ご馳走さま」」
「よしやるか」
の前に食器を洗って
午後8:30明日は土曜日だから少し遅く寝てもいいだろう。自分の部屋に戻りIDやパスワードを打ってVRギアを被り電源を入れる。すると急に眠くなり目を開けると真っ白の世界だった。
[初めまして こんにちは。ナビAIのアイです。]
いきなり声が聞こえて振り返るととても可愛いというより美しい女性が立っていた。
[まず、名前をお教えください]
少し考えたあと俺はソウと答えた
[ソウ様ですね。では何ををなさいますか]
「初期設定とNew world online のキャラメイキングをお願いします。」
[はい。分かりました。あなたの体をスキャンします。よろしいでしょうか?]
「はい」
[…終わりました。ではこの体を元に自分のアバターを作ってください。]
すると全裸の俺の姿が出てきた。変更できるのは頭と顔で身長、体重など体の大きさの部分はあまり変更できなかった。体の大きさなどを変えるとかえって動きにくくなり、戻った時に違和感しかないらしい。
俺は髪の毛を真っ黒にした。俺は昔から茶毛だったので黒にしてみたかったのだ。顔は少し変えたが、やりすぎると逆に変になりそうだったのでやめた。
「終わりました」
[はい。では次に職業とスキルを5個決めてください。]
見てみると、職業は前衛、中衛、後衛、回復、生産があった。いや職業じゃないだろ!とも思ったが「気にしたら負けだ」とNWOの公式ページにも載っていた。なお、前衛や中衛を選んでも生産はできるらしいが本職には劣るし、補助もない。俺は中衛を選んだ。
次にスキルだがこれは夕食時に姉さんからある程度聞いていたので決めていた【刀術】【見切り】【身体強化】【立体起動】【料理】を取った。小学生の時少し剣道をしていて刀を使ってみたいと思っていたのだ。剣道場で祖父が中学の剣道部を教えていたのだが合間に教えてくれた。その半年後にいきなり教えてくれなくなった。なぜかはわからないが。あ!でも1回祖父と試合をして勝ったことがあったな。その時くらいからだな祖父が教えてくれなくなったのは。まあいいけど。というか「お前に教えることはもうない」と言われたな。多分嘘だと思うがだってまだ半年だぜ。と思ったが、まあそれはいいだろう。料理は完全に自分の趣味だ。
「終わりました」
[では、終了です。公式サービスは明日の午後からです。]
そのあと俺はログアウトして現実に戻った。