11話 サン?
次の日学校に登校していると、後ろから声がかかった。太陽だろう。というか俺にこんな時間に声をかけて来る奴なんて太陽以外知らん。1年の頃は、女子生徒がたまに声をかけて来たが、恐らく目当ては太陽だろう。太陽はイケメンなのだが学校に遅れて来たり宿題を忘れて来たりすることが多いので2年になってからは女子生徒が声をかけて来たことはほとんどない(太陽が廃ゲーマーなのはほとんどというか俺以外知らないと思う)。たまに目線は感じるが。
「おーーい」
振り返ると予想通り太陽だった。声で100%分かってはいたのだが。
「おっす」
「おっす。オラ 太陽。ワクワクしてたぞ(昨日)」
「何処の戦闘民族だよ」
そんん区やり取りをしながら学校に向かって行く
「それにしても宇宙、よく勝てたよな。あれに」
「?ああボスか。お前も勝ったじゃねーか」
「あのメンバーで勝てなかったらやべーよ、逆に。少しβ版と変わってたから、難しく感じたけどな」
太陽達の動画を見たが太陽を含めた4人くらいは怒り状態にボスをさせるまで攻撃を食らってなかった。
まあ、俺も攻撃はほとんどくらってない。【デスタイム】でやばかったが。
「なー、宇宙。俺のパーティにこねーか?」
「俺は、ソロでいいぞ。ボスとやった時のパーティはそのための臨時パーティみたいなものだったしな」
「そっか。じゃあ今日だけ俺たちのパーティに入らねーか?」
「?別に予定無いから俺はいいけど、パーティの奴らはいいのか?」
「ああ。昨日言っててきたからな」
「おい。最初からそのつもりだったのか」
「まあ、そうだな。で、良いのか」
「ああいいぞ」
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「そういえば来週から夏休みだな」
「ああ。ゲームいっぱいしないとな」
「おい。勉強しろ。夏休みの課題最終日にはなって終わってなくても見せないからな」
「大丈夫だ。問題ない。」
「なにぃ!」
「俺はもう夏休みの課題をほぼやってある」
「なにぃ!」
あの太陽がもう夏休みの課題を終わらせてあるだと!?どんだけゲームしたいんだ。その頑張りをもっと勉強に回せよ
とまあそんな感じの話をしながら俺たちは学校に向かっていった
学校を終えログインする。
フレンドのオンライン状態を確認すると既に太陽はログインしていた。
なので、俺は約束の場所に向かう。
そこに着くと太陽いや、サンがいた。その周りには人が4人いた。恐らくパーティメンバーだろう。
サンがこっちに気付き手を振っている。
「おーーいこっちこっち」
「さっきぶり、サン」
「ああ。早速だがパーティメンバーを紹介するぞ。まずこの大柄で如何にも堅物そうな奴はカイリだ」
「おい!まあいい。カイリだよろしく頼む」
「次にこっちのちっこい女みたいな男はクルトだ」
「よろしく」
「次に魔法使いみたいな女性がセイだ」
「ふふ。よろしくね」
「最後にスーだ」
「え!ちょっわたしの説明そんだけ!?おかしくない?」
「とまあそんな感じの奴らだ。よろしく」
「ああ、こちらこそよろしく。俺はソウだ。方など使いで中衛だ」
スーだけが納得してなさそうにサンに視線を送っている。恐らくスーに対する言動はいつも通りのようであった。
これでいいのか?とも思ったが本人が本気で怒っているわけではなさそうなので別にいいのだろう。
「ああ。そうだな。みんなの役割は、カイリが盾に槍のタンクで前衛、クルトが双剣使いで中衛、セイは見た目通りの魔法使いで後衛、スーは回復と援助でこのパーティのいじられ役だ。そして俺が、まあ知ってると思うが片手剣使いで中衛でこのパーティのリーダーだ」
!こいつリーダーだったのかよ
それにスーの役割はもうみんなの共通認識みたいだ
「因みに全員βテスターでそこそこ強いぞ・・・まあお前が一番強いと思うがな・・・」
「ん?なんか言ったか?」
「いや、なんでもないぞ」
サンが最後の方をボソッと小さい声で言ったので分からなかったが何でもないと言ってるのでいいだろう
「やあーほんとに会えるとは思わなかったよ【剣聖】君」
「?【剣聖】」
「あれ?掲示板見てないの?自分の称号欄見てみなよ」
スーに言われて確認してみると確かに【剣聖】の称号が増えていた。みんなが知ってるとなるとこれが二つ名だろう。しかしいつのまに俺がそんな有名になったんだ?
そう思っているとサンが答えてくれた。掲示板に姉さんが動画を投稿したらしい
なるほどあの戦いを見たのか。二つ名持ってみたいな。とは思っていたがこんなに早く貰えるとは思ってなかった。
「じゃあ、挨拶も済んだことだし行くか」
「「「おう!」」」
俺たちは北の草原に歩いて行く。
北にはサイレントボアやアローバードが出るが結構楽に倒せた。そもそも、最初に来た時は、サンがレベル上げの為にわざとサイレントボアを引き連れていたので大変だっただけだと思うが。
サイレントボアは沢山出てくると強いが、1体1体はそれほど強くない。たまにアローバードが来るが、空を警戒していれば問題ない。
ユイ達とやったパーティでは寄せ集めのような感じでしっかりとした役割や連携は出来てなかったのだが、サンのパーティはしっかり考えてあるようで、綺麗な連携を見せた。
今日だけ入った俺は、連携もなにもないので、サンに「臨機応変に!」と言われた。おい!適当だな!
そして、極たまに出現するサイレントボアの上位個体ボアロードという中ボスのようなモンスターが出て来るのだ。
ボアロードはサイレントボアを複数引き連れており、二足歩行の猪のような奴だ所謂ミノタウロス (猪版)である。
まずカイリが足止めをし、次に俺とサンが迎撃、クルトが空いた所をカバーし、セイが魔法でたまに攻撃する。スーは回復と援助なのだがほとんど援助しかしていない。みんなほとんど攻撃を喰らわないのだ。
流石は中ボスで攻撃力は桁違いだったが回避や受け流しで十分防げるので問題なく、倒すことが出来た。
「よし!今日はここまでにするか」
そのサンの声で帰ることにした。体感時間的にはあまり経ってないように感じたがもう17:00に近かった。
町に戻ると
「いや〜強い人が1人でも増えると楽になるね〜」
とスーが言っていたが、いつもはボアロードを倒すのに時間がかかるのだそうだ。そのため回復もいつもは使っていたのだが今回はほとんどいらなかったそうだ。
そのおかげ?でスーが仕事がないとか言っていたが。楽出来るのだからいいだろうと諭されていた。
最後にサンがもう一度パーティに誘ってきたが遠慮しておいた。
俺はそこで別れてモンスターの素材を金に変えに行った。
思ったより高額でずっと金に変えていなかったのでキリに売った。結構な金になった。料理もしてみたいので肉などの食材系は売っていないが、十分だ。調味料とかも買っておきたいのでちょうど良かった。
次は料理をしてみようと思いながら今日はログアウトする。