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火葬場のファウスト 絶え間ないピグマリオンに関して  作者: 民間人。
煉獄のナルキッソス
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アンゲロス

 空を飛びたい。そのまま堕ちてしまってもいい。

 高い高い高架橋や、高層ビルの上から。

 誰かを殺していないか、仕事のたびに心配になる。アクセルを踏むたびに、轢き殺してはいないか。油断して、仕事でミスをしていないか。

 ストレスに弱く、怒りやすくて、すぐその後に後悔する。家まで持ち帰らないように堪えても、何かが伝わってしまう。


 甘ったれるなというだろう。甘いものが好きなのは悪いことか。

 子供っぽいというだろう。子供だってカレーが大好きだ。

 無責任だというだろう。責任があれば偉いなら、一番偉いのは犯罪者だ。

 壊れた瓶の蓋のように、僕の心の弁は脆くて。

 崩れたコンクリートの様に、僕の器には穴がある。


 空を飛びたい。そのまま堕ちても構わない。

 痛みが何処かから来るのなら、もうこの場所にはいたくない。

 空を飛びたい。そうして堕ちてしまいたい。

 僕に言伝をするのは誰だ?神か、或いは親か、社会か上司か。

 何かを考えずいられたなら、きっと僕は、痛みを負わずにいられるだろう。


 痛みがそこにあるのなら、空を飛ぶ勇気になるだろう。


 空を飛びたい。堕ちたい。壊れたい。


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