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火葬場のファウスト 絶え間ないピグマリオンに関して  作者: 民間人。
火葬場のファウスト
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一つの区切りとして

 一つの作品が終わり、肩の荷がおりた事で、すっきりとした気持ちで一杯になる。ポイントを改めて見ると、そこまで高い評価をいただける作品ではなかったのだろうが、意外にも多くの方にブックマークを頂くことができた。


 最初期から定めていた予定からほとんどずらす事なく、スムーズに進行できたことも一つ嬉しいところだ。


 ここまで書き終えて、作品を作ることの難しさを改めて思い知らされたように思う。自分の浅学非才が災いし、彼らの活躍を十分に表現できないこと、ブックマークが一つ減った際の落胆や、原因の究明まで含め、プロット通りの内容をどのように展開するのか、長編ではそれすらも難しかった。


 それでも、一つ書き終えたと言う事実が、自分をひどく満足させる。そこで、今回は多くの投稿者がぶつかる課題について、いろいろ考えてみたいと思う。


 これは、多くの人が書くことをやめてしまうことについての一種の考察だと考えて貰えばいい。


 小説家になろうに限らず、こと芸術の分野とは残酷である。才能一つで全てが決まってしまうと言っていい。ここには、読者にいかに気持ちよくなってもらうことが、自分にとって気持ちいいかと言う精神的な面での才能も含まれるだろう。


 その中でも、この小説家になろうは非常に独特な文化の集積と言っていい。異世界転生・異世界転移・ファンタジー、人気作になるにはかなりジャンルが限定されているといえよう。その上、そもそも見てもらうための努力が通常の賞などへの投稿と比べても難しい。こと新参者は救いようもないほど多数の作品の深淵へと押し付けられる。それ故に、前に前にと押し出すために、毎日更新できるストックもといスペックがないとほとんど見向きもされない。


 非常に悲しいことだが、こうした事情から投稿をやめてしまう人も少なくない。筆者は幸いにも、それなりの覚悟ができていたため、晴れて完結できたに過ぎず、実際にはポイントの増えないもどかしさに苛まれた一人である。但し、そうして読者に踊らされるのは、実際には社会の機構としても決して間違っていないし、自由主義は途轍もなく差別主義だ。これから社会に出る人にとっては、更に優秀なライバルがいると思うと、背筋が凍る。兎も角、こうした相手側の評価こそ、創作活動を楽しむ一つの障害になることはご理解頂けるだろう。


 これを嘆くのであれば、それこそ公務員になることをお勧めする。問題は、趣味で書く事が苦痛になるような場合だ。小説を投稿することは、ある意味では自慰行為に近い側面がある。誰かに見てもらいたいと言う承認欲求だけではない。とりわけ趣味で書いた作品をあげてみようかな?と思う人は、こうした一種の自己満足にこそ意義を見出すべきだろう。


 ここまで非常に回りくどく記したが、要は所詮自己満足に相手を巻き込むとろくな事がないと言う事だ。それでも筆者はそうした人々を陰ながら応援したいと思う。趣味の中で人と関わりたいと思うことは、大いに素晴らしいことだと考えるからだ。礼節を学び、文章を研磨するためにも、是非とも投稿してほしいとさえ思う。そこで、一つだけ心に留めておいて欲しいことがある。


 それは、「物語にとどめをさせるのは作者だけである」と言うことだ。


 物語は、永遠に続くことを約束されていない。むしろ、続かないことによってのみ、目的が果たされると言えよう。何故なら、物語とは、ある人物(世界)の一部を切り取った、未完の年代記のようものだからだ。彼らの全てを描くことが出来ないのは当然、そしてどこかで区切るのも当然の理である。


 そして、それを終わらせられるのは作者だけであって、読者ではない。読者がいなければ社会的に無意味であるが、先に述べた通り自慰行為は自分の為の行為であって、法の範囲内であれば別段社会を気にかける必要はない。もし仮に、作品への評価が芳しくないと苦しんでいる方がいれば、是非ともそれが杞憂である事を伝えたい。


筆者の書いた物語は、筆者によってとどめを刺した。そして妙に気分がいい。だから皆様も、是非とも、ゆっくり、着実に、彼らをあるべき終わりへ導いて見て欲しい。


だからひとまずは恐れずに、『小説家になろう』

せっかく書いたなら勿体無いので描き切ってあげてください。

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