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水底の深い果てよりも
水底の深い果てよりも、なお深層より老い残る人、いかばかりかは羨み見上げても、いかに思い詰めながらも、世の中の物語というものの在り方を、何とか掴みとろうと思いつつ、手持ち無沙汰の昼餉、夕餉の折、友人、知人の語るうちに、その物語、かの物語、なろう小説の在り方などを、途切れ途切れに目にするたびに、どうにかして彼らを解き明かしたい、自分の語りに入り込みたいと思い至る。
あまりにままならない評価に、物語に無双者を組み込んだり、付き合いなどして、人間を不釣り合いに認め、今日も疾く作品をあげ「物語の多くに埋もれないうちに、出来る限り見てください」と、見栄を捨てて額をつき祈り申し込むだけで、三年も経つのに、浮上もせず、筆を取る気も失せ、直ぐに消えてしまいたいと思う。
長年書きしまいこんでいたものを、世にあらわにして、生き急いで、散々荒みきるまま散らかした部屋に、流行りに乗らず、埃が積もるそれを見れば、人間に評価をばら撒き、額をついた自分の立ち尽くす様を見下げ尽くして、侘しくて人知れず咽び泣く。




