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独白
死にたい、と思ったことは一度や二度ではない。常に死を望んでいるといっても過言ではないほど、僕は自分の事がこの上なく嫌いだ。
役に立たない事ばかりで、何者かの命を潰してしまっている感覚に押しつぶされそうになる。
創作を楽しいという人々にも申し訳ないほど、僕は創作活動を楽しんでもいない。誰もが幸福の中で物を書く社会、書物の中でくらい幸福で有りたいという人々の望みもまた、僕には遠いもののように思えてならない。
生まれてきた事実自体、僕には罪のように思えるのに。いつか終わる罪の精算の旅路のその果てにあるのは、死という救いだけだというのに。その救いだけを信じて祈って生きていけばいいのに。
幸福は死から遠ざけようとする劇薬だ。そんなものに縋って生きていくから、誰もが余分に苦しむのだ。
つまり僕は、そういうものすべてに縋って生きている浅ましい人間だという事だ。
殺されたいと思える勇気もないのだ。そんな人間が、どうして生きて許される?




