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小説を「論ずる」こと
小説を面白いか否かで表現することは、決して難しい事ではない。ストーリーラインの面白さや、心の赴くままに書き綴れば、それは面白さを表現できたと言えるからである。
しかし、いざ視点を変えて、なぜ面白いのかを論ずることは、とても難しい。理由込みの理論と言うのは、やはりある程度の自己分析と考察が必要になるからだ。それ故に、作品に対する思い入れが大きくなければ、とても体力が持たない。
誰かの脳内で組み立てられた、或いは組み立てられなかった思いを汲むこと、それは文章からでは難しく、しかし、やはり私が求める小説の本質はそこにこそある。そして、それはあまり評価されないと言うのも事実であり、商業化と創作活動が抱える矛盾でもある。
物語る者として、他の物語る者達の作品を、一つでも、或いはいくつかは、考察をしてみたいものだ。そして、きっと的外れな考察をして、どこかで笑われているのだろう。論じることの難しさは、どうしても拭い去れないらしい。
つまりは、他者の視点こそ、世界の全てなのだから。
最初、あげる場所間違えました。やばいやばい。




