表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
えいけん! -問題ばっかの私の映画撮影記!-  作者: コウ
第一章「えいけん分裂」
2/5

第二話「論争」

授業が終わり部活に向かう有紗達。

しかし部活ではここ最近のやる気のなさが原因で

映画祭を見送ることが決定していた。

そんな状況で支部長鏑木は部活をどうしたいか協議するが..


「んじゃ今日はこの辺で」


その言葉を聞き続々と生徒が立ち上がり

教室から出ていく。


「んー終わった..」


「ほんと..長すぎる..もう少し短くなんないかなー

90分って長すぎるよやっぱ」



不満そうに隣に座っていた宮崎香織は呟いていた。

セミロングの茶髪にキリっとした目。

カーキ色のワンピースとVネックラインで

見せているデコルテ見せで

大人の雰囲気を漂わせるまさにクール系女子。

いやカッコイイよ、もうこの子は。

女の子が惚れる女の子ってやつですよね、まさに。

でも結構女の子らしいとこたくさんあるから

我が大学の男共はそれを

見つけてほしいもんだ。

最も香織は自分よりカッコイイ素振りができる人と

付き合いたいらしいので

まず無理だけどね。うん。



にしても香織の言う通り4限まである日は

本当にだるい。

大学の授業は1コマ90分で

1限のスタートが9時からである。

4限のこの時間は3時からスタートで

現在の時刻は少し終わるの遅れて16時35分。

高校生の時の6時間目より遅い。

しかも講義中寝たら起こしに来る先生や

当ててくる先生ばっかなので

迂闊に寝ることもできない。


「部活までまだ時間あるしどうする?」


「うーん今から教室行ってもあれだし部室いこっか」


そう言って私達も立ち上がり教室から出ていく。

教室がある棟から歩いて3分。

学バスが出ているところにある棟が部室棟だ。

部室棟は現在湘華大学にある23団体もある部活と

12団体のサークルに部室が割り振られている。

そもそもここ湘華大学の施設紹介を簡単にすると

東京都西多摩郡にある西多摩キャンパス。

膨大な土地の広さは東京ドーム3つ分と言われている

駅までは歩けば40分、バスでも20分近くはかかる

かなり高いとこにキャンパスがある。

施設では教室や講義場があり、

教室棟が全部で3つあり

図書館、運動部用のトレーニングルーム、体育館等

土地だけがただっ広いので色んな施設がある。

この部室棟もそんなただっ広さが理由でつい最近新設されたばっかだ。

我らが映画研究会はそんな部室棟の2階の奥に部室を構えている。

さてこんな紹介をしてる間に部室の前についたので

私達はいつも通りドアを押して中に入る。


「お疲れ様ー」


「あ、お疲れ様ですー」


バイトみたいな挨拶で中に入るのもうちの特徴かもしれん。

部室には今挨拶してくれた一年生を含め二年生、三年生がゴロゴロしている。

ちなみに4年生はもう授業のコマが無く部活にはほとんど来ないので滅多に見ることはない。

私達は靴を脱いでパーツ型のマットで

繋げられたカーペットに腰を下ろす。

ぐるっと周りを見渡すと

まず寝転びながらお菓子を食べて話している

女の子達が一年生。

続いて奥のパソコンのほうで画面を見ながら話している男子達が二年生。

画面を見るからに今季のアニメの話だな、ありゃ。

そして三年生達は丸いテーブルで何やら書いている。

恐らくだけど進路予定表かな。

もう三年生は就活だもんね。


「ねえ今日の部活って何話すんだっけ?」


暇なのかポチポチとスマホをいじっている香織が

声をかけてきた。

あ、そういえば私自分の世界に入ってて放置してた

ごめんごめん。


「多分また定期上映会の話と映画祭でしょ?

まあ...映画祭は多分出れないからすぐ終わると思うけど」


「じゃあさ、帰りに飲み行かない?

昨日駅前に新しく居酒屋オープンしてたの見つけたんだ」


「うん、いいよ。

でも給料日までお金きついから飲み放題は無理」


「女二人だから軽く飲んで食べるぐらいだから平気」


女子大生っぽい会話ですね、うんうん。

まあこんな感じで部活始まる18時まで適当にだらーっと過ごすのが

部活までの流れ。

映画の撮影?まさかー、そんな真面目に撮影するやつなんて地引君以外いないよ。

つか地引君ももうそこまでやる気じゃないかもだし...








× × ×









東京とはいえこんな田舎だと暗くなるのも早い。

6月だというのに真っ暗だ。

そんな中教室棟の1階の教室に明かりがつき始めた。


映画研究会だけではなく文化系の部活は

部室ではなく教室でやることが多い。

人数が多くて入りきらないからね。

あと黒板とかもあるから

連絡事項も伝えやすいし。


私が教室に入るとすでに結構な人数がいた。

奥から一年、二年、三年と並んでいる机の列ごとに

座っている位置が分けられており

私は真ん中の二年生組の机に座る。

すると先に来て二年生と話してた由紀が

私に気付いた。


「あ、有紗おつかれー」


「由紀もおつかれ。今来たの?」


「うん。サークルを早めに抜けてきた」


ほーサークルね。

由紀みたいに部活とサークルを兼任する人は多く

部活と被ると出れなくなってしまうのが痛い。

ちなみに私はどこのサークルにも所属してない。

いやなんつーか...いいのがないというか..


そんな中教室のドアを開けて一人の男が入ってきた。

ご紹介しよう、その天然パーマのくるくるした髪型。

そして黒いジーパンにメンズの有名ブランドのロゴが入ったTシャツ。

マスカラを使ってないのに

その大きい目は少し羨ましいと思える

我らが支部長、鏑木英二君が部活にやってきたのだ。


「おつかれー、んじゃ早速始めるんで

みんな席ついてー」


鏑木君の掛け声で立ち話をしていた部員達がそれぞれの席に着き始めた。

また彼が入ってきたドアから副支部長の地引君。

もう一人女性副支部の舞川さんが入ってきた。

今日は主席メンバー全員お揃いで..

なぜお揃いなのかは恐らく鏑木君が説明してくれる。


「んじゃ業務連絡の前にまず今日は

事前連絡をしていたから

ざっと見る限り人数いるんで色々話そうと思う。

とりあえず業務連絡終わったあとその話はしようと思う」



そう、いつもはメールで簡単に部活ありますよー的な連絡が来る。

しかしそんな連絡をしたにも関わらずここ最近の参加率が悪すぎた。

先月なんか一年生が入ったばっかの5月なのに2,3年生5人しかこないという異常事態。

これには支部長も少し激怒して

「今日は必ず来てください」と部活の全体ラインに事前連絡している。

それで来なかったらもう除名もんですよ、そりゃあね



「んじゃ地引、頼むわ」


「はい。業務連絡ですが

今月末にある定期上映会。

あれに出す作品があまりにも少ないんで

過去の作品をいくつか出すことにしました。

どの作品を出すかは後程アンケートを取るメールを送るんで各自解答頼みます。

んで映画祭ですが残念ながら

今年も部の代表として出せるような作品がなく、

今から作る時間もないので今回も見送りにすることにしました。以上です」



淡々とした業務連絡だが

内容が内容だ。

出す作品が少ないで済むならいい。実際のところ

新入生はこの定期は初めての作品になるので

全体で1本、二、三年生は各グループで数本。

4年は多くて2本で

最低でも6作品以上集まる予定だった。

ところが今年の新作品数は

一年が1本←まあここまではいい。

二年1本←ん?

三年0←え

4年時間が無く完成できない←何も言えない。

といった状況である。


映画祭に至ってはもう何も言えない。

1回だけ去年の夏の映画祭に行った時

あまりのクオリティの高さに唖然とした。

こんなものを同じ学生が作っているのかと..

まあそのクオリティと同等の作品がでる

今年の映画祭。

うちの部活からそんなクオリティの高いものを

出せる人なぞいるわけない。

今年も映画祭に出すことなく終わりはほぼ確定と言ったところだ。


「はい、ありがと。

んじゃ業務連絡は以上。

んで本題なんだけど...」


そう言って鏑木君は改めて全体を見渡して

目を閉じて何かを覚悟したかのように

言葉を発した。






「お前らこの部活どうしたい?

はっきりいって今のままならつぶそうと思うんだよねここ」




その発せられた言葉で教室内はざわめいた。

一年は驚きを隠せないでいるし

二年ははあ!?と声をあげるものや

悲しそうな表情をしている。

しかし三、四年はまるでわかりきったかのように

表情を変えずため息が聞こえるほどだった。


「静かに」


舞川さんの言葉でピタリと教室のざわめきが消える。

おお..さすが教職志望。


「まあなんつーかな..本当に新入生には申し訳ないんだけど

現時点で俺ら二年を含め真面目にやってる上級生が

ここ最近いないと俺は思うんですよねー」


鏑木君はチラっと三、四年生の方を見るが

先輩達は誰一人鏑木君のほうを見なかった。



「まあ簡単な話

やる気ないなら別に部活である必要性がないんだよね

最近大学側もうるさくてさ..ここ数年大した成績残してるわけでも

ないからもしこのままだと廃部は免れないかもしれないってさ。

一年間にかかる部費も半端じゃないしね」



「ちょ、ちょっと待ってください!」


鏑木君の言葉に反発したその声の主は窓側から聞こえた。

つまり一年生達がいる一番端の席だった。

声の主は...名前がまだ憶えられてない。

けど確か一年の中でも撮影に凄い関心欲があって

毎回部活にきてた女の子だ。

立ち上がったその女の子は鏑木君に対して思いをぶつけてきた。


「ど、どうして廃部にまでする必要あるんですか?

それって先輩達の都合ですよね..?」



声の震えが私にもわかるぐらいその一年生の緊張は

伝わってきた。

そりゃ上級生に向かって言いたいことをはっきり言うのは

正直辛いし言いにくいけど

一年生からしたら

「お前らの都合でうちら巻き込むな」

と思ってるのだから言いたいことは

たくさんあるはずだ。




「そ。だから新入生には申し訳ない。

けど映画研究会が消えるわけじゃない。

部活での継続が無理なら

サークルとして申請し直したらいい。

そうすればまた活動できるだろう」


「でも..それじゃ今使っている部室や部活の機材の撮影器具はどうなるんですか?」


「...当然没収される。

また部活での肩書がなくなる以上

学生映画連盟からの登録も外れる」



一年生はその言葉を聞いて今にも泣きそうな表情で

そのまま席に座った。

つまり何を言ってももう無駄だと思ったのだろう。

他の一年も諦めたような表情で下を向いていた。



「鏑木、俺は反対だ」


今度は反対側から聞こえた。

廊下側のほう。今度は四年生組だ。

確か..元幹事長の市川龍太先輩。

身長180cm以上ですらっとした顔立ち。

そのショートカットが本当に似合ってて

過去に市川さんが出てる恋愛映画を見た時は

少しドキっとした。

しかも元副幹事長の東沙希先輩と付き合っている。

こちらもかなりの美女なので

まさに美男美女カップル。

が今はそんなことはどうでもいい。



「そもそもやる気がないのは

今主体となっているお前達二年生が原因だろ。

俺達三、四年は就職活動もあって

撮影に参加するのが

難しいことくらいお前も知ってるだろ」


「知ってますよ。

四年の先輩方は就職活動で忙しいのは。

だけど三年生の皆さんは本当に忙しいんですか?」


「..その言い方だと俺達がいつも暇みたいに言ってるように聞こえんだけど?」



鏑木君の問いに質問で返したのは

三年の古川徹先輩。

まあヤンキーだよね。はっきりいって。

大学デビューしましたって感じのその茶髪な髪色と長すぎる髪。

まあイケメンの部類には入るけど市川先輩には負けるなー、うん。

あと本当に喧嘩っぽくて結構苦手..


「暇とはいってません。

けどSNSで先輩方は部活の日に飲みにいったり

遊んだりしている投稿を見ることが多いので

本当に忙しいかと思いまして」


「要するにお前は俺達のせいだっていいたいんだろ?

なら最初からそういえよ」


「いえだから先輩達のせいでは..」


そういうと古川先輩はいきなり立ち上がって

鏑木君のもとに歩み寄って胸倉を掴む。


「うぜぇんだよ!てめえは!

いちいち遠回しに言いやがって!」


大声で叫ぶその先輩の姿に

呆気を取られたがすぐに他の三年生達が立ち上がって

引き離そうとした。


「おい!古川!」


「キレなくてもいいでしょ!馬鹿なのあんた!?」


「うっせえな!どいつもこいつも..」





あーあ。

もう飲み無理だね。

隣にいる香織を見ると

香織もこちらを見て駄目だこりゃと顔で語っていた。



「あーもういいわ。

好きにしろよ。ここ潰れようが潰れまいがどっちでもいいから。

お前ら二年が主体なんだから好き勝手やれよ。

従いますよ、俺らは」



わざとらしく言った先輩の言葉に怒りを感じるも

それを言葉として発する勇気は私にはなかった。


「じゃあ俺帰るわ」


そういって古川先輩は自分の荷物を持って教室から出て行った。

嵐が去ったか..


「..鏑木君」


胸倉を掴まれ少しいらついている鏑木君に

幹事長の土岐弓香先輩が話しかけた。

ようやく動いたか..土岐先輩、幹事長なのに

さっきから動かないんだもん。



「古川がごめんね..

その..私達も二年生の判断に従うわ。

誰も反対はしないから」


その言葉に三年生達は頷いた。

あ、もう完全に任しっきりなのね、うちらに。



「おい待てよ。お前らだけで納得すんじゃねえよ」


「..市川先輩。何で先輩は部活を廃部にしたくないんですか?」


「はあ?決まってんだろ。今の新入生で今年で20年目だぞ?

そんな長く続いている部活を俺らの代で潰すわけには」


「先輩が無くしたくないのは履歴書に書けなくなるからですよね?

違いますか?」


鏑木君の反論に市川先輩は唖然とした表情を見せやがて暗い顔に表情を変えると、

「そうか..もういい好きにしろ」

と荷物を持って出て行った。

そして市川先輩が出ると後を追うように4年の先輩、そして3年の先輩達も

そのまま出て行ってしまい残ったのは私達二年と一年だけになった。






「で、どうする?これから」







こうして議題に関して何一つ進行がないままただ時間だけが過ぎていく。

しかしこの議題に変化をもたらした者がいた。

その人は私の前の席にいた男子で急に立ち上がった。












「やる気あるやつとないやつで分ければいい」









































まだまだ慣れませんね..

もっと勉強します。



実は他にもピクシブ等で二次創作の作品を書いております。

オリジナルは初めてなのでまだ慣れませんが

今後もこんな感じで書いていきたいと思うで

改めてよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ