第15話
この前、一緒に出掛けて以来、ハルキさんの様子はおかしい。
憂鬱そうな暗い顔が、話している間にも時折覗く。
オレなんかが立ち入っちゃいけない話だけど、やっぱ心配だよ。
前ほど行かなくなった店だけど、それでも、週に2回は顔を出していた。
それに最近、パパとママがなにやら画策してるみたいで、コワイんだよね。
夜中にボソボソ話し込んでたり、パソコンに向かってカチャカチャしてるかと
思えば、しょっちゅう、誰かと電話してたりして・・・ぜってー何かアル。
「トモー、今日、泊まっていい?」
「いいけど、マジで泊まるんだろうなー。この前みたいに、夜中、出掛けるつもり?」
「ちゃんと泊まるって。たまにはトモくんの相手もしてあげないと、拗ねちゃうだろ。」
まったく子分扱いってゆーか、もー、頭撫でんのやめろっての!
うぜー。
「ダレが拗ねるか!」
新しい彼女と楽しくヤってるうちは、オレんチに寄り付かないくせして。
どういった風の吹き回しなんだか。先週だって、ウチに泊まるとか言って
結局、夜中に遊びにいちゃうんだもんな、あきれるよ。
「ボクも寂しくって・・・」
「オマエ、また、振られた?」
ガクっと肩を落とすユウタの悲壮感にニヤニヤっと笑いが止まらない。
だから、朝から大人しかった訳か。
「性格の不一致。」
「性の不一致なんじゃねーの?」
「あはは、そーともいう、マジメな子はダメねやっぱり。」
んだよ、大人ぶりやがって。
知ってんだぞー、ゴムの付け方コッソリ練習してんの。
まだ、1回もまともに使った試しが無いってこともね。
そんなユウタ情報は、ユウタの元カノが全部教えてくれる。
なんでかユウタと別れると、みんなオレに話に来るあたり、おかしくね?
「少し大人しくしたら?シーズン入るし。」
「あ、そうだ、来週あたりニューモデル入るってよ、見にいかね?」
「いくいく!」
11月下旬には、1回行けるとイイんだけど。
ユウタに誘われて始めたスキーは、今年で4年目。
いい感じで上達してるけど、やっぱユウタにはかなわない。
あーあ、オレもユウタくらい愛嬌と度胸があったらなぁ
少しは女の子にももてると思うんだよな。
学校が終わって、
家から新らしいソフトを持って来たのはいいけど、
1人でずーーーとヤルの止めてくんね?
オレ、めっちゃヒマなんですけど。
マンガ読んじゃったし、ゲームはユウタがヤってるし。
店行って、ハルキさんと話してたほうが楽しいっての。
「なに、ため息ついてんの?」
「オマエがうらやましーって思って。」
大袈裟に驚いて見せなくってもいいてば、オレだって言った事に後悔してんだし。
「オマエ、ホントにそんなこと思ってんの?」
「うっせー。」
はい、はい、思ってますよ、出来ればユウタに生まれたかったて。
オマエみたいに、自分に正直にストレートに行動できたらっていっつも。
「オレは、オマエがうらやましい。」
「はぁ?」
今度は、オレが驚く番。
ゴメン、マジびっくりしてんですけど、オマエ、今なんてった?
「オマエの素直のとことかさー・・・オマエ、よく自分の事ヤだって言うけどさ
オレ、オマエと居るとスゲー和むつーか、癒されるつーか、とにかく、オレは
オマエと居る時が一番ホっとする訳。
オンナと別れたら必ずオマエんとこに戻ってくるだろ、オレ。」
「それ、なんか、違くないか?」
なんか、微妙に意味が違うと思うんですが・・・それ。
ゲームをするユウタの背中を、後ろのソファーに座って見つめていた。
ヤツはゲームをやめる気配など微塵も見せなかったけれど、
その耳が、なぜか真っ赤になっている。自分の言った事が恥ずかしいって?
「とにかく、オレはオマエが好きなの。わかってる?」
「わかってるよー、オレだってキライだったらユウタとツルまねーし。」
何かを思い出したように、振り返ってギロリとオレを睨みながらユウタは言った。
「一つだけ気に入らねーことがある。」
「な、なによ。」
「元カノみんなが言うんだ。オレじゃなくて、やっぱトモと付き合えば良かったって。」
マジっすか?
それって、本当ですか?
ひゃーー、意外にオンナウケいいの?オレって。
ちょっと、ばら色な人生が目の前に浮かんできたりして。
「えーーー、マジ!なんで早く教えてくれねーのよ。」
「悔しーべ、オレよりオマエのがモテんの教えんの。」
何を!
オレの人生、彼女無しなんだぞー。
オマエと一緒に居たら、きっと一生彼女無しってビビってたんだからな。
何が、悔しいって?
んじゃー、今まで、ラブラブなオマエの姿見せ付けられてた、オレの立場は?
「ひっでー、オマエ、最悪、オレに彼女が出来ねえ理由、ぜってーオマエだ。」
「しゃーねーべ、オレのが先に仲良くなるんだから。」
ん?
オレが先に仲良くなるってどーゆーことよ。
オレにもチャンスがあったってこと?
「もしかして、オレを好きな子をユウタが、全部、食ってね?」
「そ、そ、そんなわけねーじゃん。オンナだって、好きだからオレと付き合うんだし」
あやしー、絶対にあやしすぎ。
なんか、隠してんな、ユウタのやつ。
「正直に言ってみ、怒らないから、ユウタくん。」
「な、なに、どうしたの?トモ・・・」
体格じゃ敵わないのは知ってるけど、レスリング並にヤツの後ろから
腕と脚を絡めて、ヤツの身体をしっかりロックしてやった。
「や、ヤメロヨー、死んじゃうじゃん、ゲーム!」
「白状せい、さもないと・・・はぁーーぁ。」
「んあぁぁ、やめ、キモイぃぃ」
わざと、ヤツの耳に熱い息を吹きかけてやった。
オレが知らないとでも思うか、オマエの弱点、感じるところってのを。
「で、どういうことかな。」
「んはぁ、な、な、なにがーー。」
唇を耳に引っ付けて、ボソボソとわざと響くように低い声で言ってあげる。
ユウタの身体が、ビクビクっと微かだけど跳ねている。
コイツ、ちょっと感じてんな。
「もしかしてー、女の子から相談受けてなーい?オレってどんなー?とか、
オレが好きな人ってダレー?とか、親友のユウタくんなら知ってるでしょー?って。」
言葉を繋ぐ間に、意地悪く息を吐く振りをして吹きかけて。
その度に、小さく喘ぐような声を漏らすユウタが面白くて。
「んぁ、ともー、お願いーやめてよー、オレ・・・」
「白状したら止めてもいいよー、はぁぁーーー。」
しつこいくらいに、何度も息を吹きかけているうちに、
ユウタの身体がビクビクっと今度は、はっきりと仰け反った。
「あぁ、んぁぁぁ。ダメだー、オレ・・・マジで・・・
はぁぁぁぁトモー、ゴメン、スゲー感じちゃって、こんなん初めて。」
「感じてんのー?」
ユウタは恥ずかしそうに、でも、しっかりと頷いた。
ちょっとぉー、オレで感じちゃってどうよ?
そして、甘えるような声でお願いするんだ。
「トモー、自分でするからー、そうやってくっ付いてて。」
「マジかよー。」
服の上からでも、はっきりとわかるくらい反応してるユウタ自身。
オマエってヤツは、盛りのついたお年頃っていうか・・・
「だって、ほらーこんなになちゃってんだぞ。
こーしたのオメーだかんな、責任あるべ!違う?」
んだよ、今度は脅しかよー。
「う・・・、くっ付いてるだけだかんな。」
「ビタっとくっ付いとけよ。」
あぁぁ、もー、なんだってんだよー。
何が悲しくくて、ユウタの自己処理の手伝い?
その振動がオレに伝わってくるじゃん・・・
苦しげな表情とは別に、その息遣いは潤んでいるみたい。
「トモぉ、もっと抱きしめてぇ。」
「う、うん。」
オレよりも少し大きくて厚い胸板に回したこの腕に
ギュっと力を入れる。オレはユウタを背中からしっかりと抱きしめた。
チラリと視線に入るユウタのソコは、今にも弾けそうに濡れて、
ユウタは欲求に身を任せて、ただ激しくしごく。
「んぁぁ、トモぉ、イキそう。」
「イケよ、いいから。」
そのままイカれてもかなわないし、オレは急いで
ユウタの先っぽにテイッシュをあてがった、その途端、
ヤツの手がオレに重なって、放さない・・・
まったく・・・オレはナニか?
「トモぉ・・・イクぅ、あ、あ、あ、んあぁぁぁぁぁ。」
グッタリと身体をオレに預けて、ユウタは荒く息をする。
「トモォ、サイコー。」
「オレにサセんなっての!」
勢いよく立ち上がったもんから、ガスって大きな音を立ててユウタは床にぶっ倒れた。
「イテーーー、ナニすんんだ、このー!せっかく余韻にひたってたのに。」
「トイレ!」
くそー、なんだよユウタのやつ、オレで、イキやがって。
あんなスゲー勃って、あんな顔でイかれたら、オレだって・・・
自分自身の熱くなった下半身を見られる前に、オレは急いでトイレに逃げ込んだ。