4 死の味を知る
闘技場の二戦目。
相手は魔法を操る男だった。
見た目は細身だが、目は鋭く油断ならない。
「お前、ずいぶん楽に勝ち上がったらしいな。俺相手にうまくいくと思うなよ。」
その言葉に観客たちは下品な笑い声を上げる。
俺はいつものように黙っていた。
「準備はいいか!開始!」
合図とともに、男は素早く巻物を取り出した。
その瞬間
嫌な気配を感じた
「即死魔法だ!」
神威の警告が響いた。
だが
俺の反応
は
一瞬
遅れた
男が巻物を開いた次の瞬間、黒い光が俺の胸に突き刺さる!
「ぐっ…!」
視界が一瞬で暗転
◇◆-◇◆◇-◆◇-◆◇◆-◇◆-◇◆◇-◆◇-◆◇
目を覚ましたのは控室の床の上だった。
「死んだのか?」
体は無事だったが、妙な虚脱感が全身を包んでいた。
神威が低い声で語りかけてきた。
「特殊な巻物、ああいうのを多用しても良い決まりならば、あんな奴もおる」
闘技場には、特殊な魔法がかけられている。
蘇生されるが、その代償に寿命が一年縮む。
「まさかこんな形で初めての敗北を…」
俺は拳を握り締めた。
「可能性を感じたら瞬殺する。そう肝に銘じたはずだった。」
「それを怠った代償がこれだ。ゆめゆめ忘れるな」
俺は立ち上がり、仮面をつけ直した。
「二度と繰り返す気はない。」
試合後の控室には重苦しい沈黙が漂っていた。
だが、その静けさの中で、俺は次の戦いに向けて覚悟を新たにしていた。