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24 第2戦:腕魔グルンタ

骨魔ジェークとの戦いを終えた俺は、軽く休息を取った後、再び闘技場の扉の前に立っていた。


観客席からは試合を期待する声が響いている。


「さっきの戦いで消耗しておるな。無理はするでないぞ。」

神威の声が冷静に響く。


「激マズ回復ポーション飲むから大丈夫だ」

俺は笑った。


◇◆-◇◆◇-◆◇-◆◇◆-◇◆-◇◆◇-◆◇-◆◇


扉が開かれると、次の相手が現れた。


巨体を誇る魔物――巨腕魔グルンタ。


体は人間の数倍の大きさで、四本の巨大な腕を持ち、全身は岩のように硬そうな皮膚に覆われている。


「人間…満足させてくれよ。」

グルンタの声は低く、地響きのようだった。


闘技場全体がその声の重みに震えたように感じる。


「腕力か」

俺は黒炎の霊刃を構えながら距離を測った。


試合開始の合図が響き、グルンタが一気に四本の腕を振り下ろしてきた。


その速度と威力は圧倒的で

地面が

砕け

砂煙が

舞い上がる


俺はかろうじてその攻撃をかわしたが、直後に再び迫る腕に対応するため後退を余儀なくされた。


「遅いぞ、人間!」

グルンタはさらに腕を振り回し、俺に追撃を仕掛けてくる。


破壊力は凄まじく、わずかに掠めただけでも体に激痛が走る。


「まずいな、このままでは」

俺は腰から回復ポーションを取り出し、一気に飲み干した。

とんでもなく不味いが体力が徐々に回復していく感覚がある。


「焦るでない。この巨体の弱点を見極めよ。」

神威の助言に従い、俺はグルンタの動きを観察し始めた。


その動きは力任せで単調に見えるが、その巨体ゆえに攻撃範囲が広く、隙を突くのが難しい。


「動きは鈍いが、腕をどうにかしないと」


俺は再びグルンタに接近し、一撃を繰り出した。

黒炎の霊刃が一本の腕を切断するが、グルンタは動じることなく残りの三本の腕で反撃してきた。

「やるじゃないか!だが!」


グルンタの攻撃を受け流しつつ、俺は魔力を注ぎ込んだ黒炎の霊刃をさらに振り下ろし、二本目の腕を切断する。


「これで少しは動きが鈍くなったか。」


しかし、グルンタは笑みを浮かべながら、紫色の見たことのない魔石を飲み込む。

残った二本の腕でさらに激しい攻撃を仕掛けてきた。


防御をするが吹き飛ばされる。


「じゃあ俺も」

俺は魔水晶を手に取り、触媒として回復魔法を発動させる。


体力と魔力がわずかに回復し、再び戦闘態勢に入る。


「仕留める。」


俺は

グルンタの攻撃をかわしつつ

一気に間合いを詰めた

最後の一撃で

残りの腕を切断し

黒炎の霊刃を

首元に突き刺した


グルンタの体が崩れ落ちると、観客席からは驚きと歓声が巻き起こった。

「人間がここまでやるとは!」

「シュラ、いいぞ!稼がせてくれてありがとな!」


視界に広がる景色がやけに鮮やかに感じられた。

戦いの最中に極限まで集中したせいだろうか、音や色が研ぎ澄まされ、全てが美しく映る。

俺は静かに息を吐いた。



闘技場を後にしながら、俺は黒炎の霊刃を収めた。


「手ごたえのある一戦だったな。次はさらに強い敵になるのだろう?そういう制度になっておるの」


神威の声に俺は短く答えた。

「望むところだ。」









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