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第5話スティーブン・スピルバーグ
映画監督スティーブン・スピルバーグもまた、ジョン・レノンが1970年代という早い時期から使いこなしていた、もう一つの重要な「顔」だった。彼の作品群を振り返れば、「スター・ウォーズ」シリーズ(製作総指揮を含む)、『グーニーズ』、『ゴーストバスターズ』など、観る者の心を躍らせ、夢と冒険の世界へと誘う作品ばかりだ。
スピルバーグの映画の特徴は、卓越した映像技術はもちろんのこと、子供のような純粋な好奇心と、普遍的な友情や勇気といったテーマを、エンターテイメントの中に巧みに織り込んでいる点にあるだろう。ジョン・レノンは、このスティーブン・スピルバーグというアカウントを通して、音楽とは異なる形で、人々に希望や喜びを届けたいと願っていたのかもしれない。スクリーンに映し出される壮大な物語と魅力的なキャラクターたちは、ジョン・レノンが抱く豊かなイマジネーションの間接的な表現だったと言えるだろう。