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序列最下位の陰陽師、英雄になる。  作者: 澄空
第二章 《地雷系陰陽師、落ちこぼれに恋をする。》
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第80話『恋をしたのは』




 あったかい。

 その温かさに触れていると、グチャグチャだった心が、ほどけていくような気がした。

 何かに包まれてる。

 何だろう?


 涙で滲む視界で、上を見ると。



 ―――――新太さんが、静かに笑っていた。


 あー…………。

 これ、……夢かな。

 新太さんが、ウチを抱きしめてくれるわけないし。

 こんなに近い距離にいるわけもないし。

 でも、何て……幸せななんだろ。


 手に持った銃を落とし、そのまま新太さんの背中に手を回す。

 あー……、ホントに幸せ。

 ずっと、ずぅっと心が辛くて。

 でも、自分じゃどうにもできなくて。

 新太さんに抱きしめられていると、不思議と、ウチもあったかい気持ちになってく。


 ……安心する。



「……来栖」


「……?」


「あの……、あー……えっと、今度さ、()どこか行こう」


 そう言う新太さんは顔を真っ赤にして、気まずそうに目線をウチから逸らした。

 照れてるの、かな。

 ……可愛い。

 ウチの答えなんて決まってる。


「……うん」


 コクンと頷くと、新太さんは安心したような、でも、ちょっと恥ずかしがっているような、そんな表情を浮かべた。


 可愛いな、新太さん。



 大好き。



 新太さんの胸に顔を埋め、思いっきり抱きしめる。



 すっごく幸せな夢だな……。




 上を向くと、新太さんの顔があった。

 睫毛とか長いなぁ……。

 目の横に小さいほくろあるんだ。

 知らなかったなぁ……。



 顔を近づければ近づけるほど、もっと近くで新太さんが見たい。


 そして生まれる、自然な




 ―――――夢、だからいいよね。

 だって、大好きなんだもん。






 ウチは、ゆっくりと背伸びをして。




 新太さんの唇に、自分の唇を重ねた―――――。





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