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ルーヴァ「能力無しなんてやたらと居るもんじゃないでしょ。何の偶然だよ」
苦笑いのような表情で言ったルーヴァに対してエトルはどこか嬉しそうな、そして不思議そうな表情をしていた。
エトル「それといくつか言いたいことがあるんだがここじゃ言いにくい。昨日ゴーレムの魔物を殴り飛ばした説明を兼ねてこの後魔物討伐した後にってことでいいかな?」
ルラ「う〜ん。私はいいと思うけど2人はどう?」
ルラの問いにルーヴァは「特に問題無いしいいか」と言い、ルミナスは「2人がいいなら…いいかな?」と、少し考え込んでから賛成した。
4人は朝食を終え、宿を出て魔物討伐のためにエトルが事前に調べていた洞窟へと向かった。
向かっている道中、お互いを知るために簡単な雑談をしていた。
エトル「3人は何で魔物討伐隊になったの?」
『冒険者』とか『討伐者』と言われているのが一般的な中でわざわざ『魔物討伐隊』何て言い方をしているのに独特さを感じながら3人が答えた。
ルラ「私たち幼馴染で弱いなりにも冒険者に憧れてたの!特に私とルミナスは学校のクラスメイトからも弱いから無理だって言われたり嫌われてたりしてたから見返してやりたいって気持ちもあってね。」
エトル「そうか。」
ルーヴァ「ルミナスなんてこーーんな可愛いのに嫌いになる理由がわかんない!」
ルーヴァがそう言いながらルミナスに抱きついた。
ルーヴァは少し癖っ毛のあるショートヘアのオレンジ色の髪をしていて剣士とは言えまだ幼いことから少し勇ましく少女らしい顔立ちをしていた。
ルラは落ち着いたショートヘアでルーヴァと違って横が鼻の高さまであり、髪の色は赤く、3人の中で1番大人っぽいしっかりとした顔立ちをしていた。
そしてルミナスは肩まで掛かるロングヘアの金髪でとても幼く整った顔立ちをしていた。
エトルはと言うと珍しい黒髪で前髪が癖っ毛があり、長くはないものの右目がうっすらと髪で隠れていた。
ルーヴァの言う通り確かにルミナスは美少女というに十分すぎるほど可愛いらしい見た目をしていた。
ルミナスに抱きついたまま茶化すように言ったエトルに言った。
ルーヴァ「エトルく〜ん。美少女3人に囲まれて緊張してるんじゃ無いの〜?」
エトル「3歳も年下だと妹がなんかにしか見えないなぁ?」
と、エトルが茶化し返した。
ルーヴァ「たった3歳じゃん!」
と必死に反論するが、
エトル「成長期の3歳は大きい」
とすぐに論破されて少し不貞腐れ、ルミナスがルーヴァの頭を無言でなでなでして宥めていた。
そんなこんなしているうちに目的地の洞窟に辿り着いた。
入口に洞窟の名前の入った看板すらないことからほとんど知られていない未知の洞窟だと言うことが伺えた。
それもそうだ。入口が植物で覆われていて焼き払わないと分からないようなわかりづらいところだからだ。
ルミナスはどうやったらこんなところ見つけられたんだと少し不思議そうな顔をしていた。
中は暗く無音でとても不気味だった。
3人は苔などの植物が至る所に生えているのかと思っていたがそうでもなく、冷たい地中の中といった雰囲気で、それがより一層不気味さをかもし出していた。
エトルが「照明魔法」と唱え、太陽光のような暖色系で目玉くらいの大きさの三つの光の球が3人の頭上を歩行に合わせて浮遊した。
奥に進むにつれて下へ下へと下って行く構造になっていた。
10分ほど進むと魔物がいた。
なんともまぁ珍しいことにホールラビットと言う全長80センチほどで名前の通り自分の体に穴を開けて攻撃をかわす傾向のある滅多にいない魔物だった。
エトル「じゃあ」
そう言った瞬間にエトルが炎の槍を作った。
エトル「炎魔法」
エトル「昨日のゴレーム壊した原理を教えるね。まず昨日のあれは魔法を使ってないようで使ってたんだ。ただ直前に、そしてほんの一瞬だけゴレームを粉砕できるほどの魔力を出しただけだ。」
エトル「丁度こんな風にね」
と言い奥に、下へと逃げていくホールラビットに向けて槍を放った。
3人ともこんな速度だと逃げ足が速くて仕留めづらいことで有名なホールラビットには当たらないし、倒せるほどの火力はないと言うことが薄々感じていた。
案の定当たる前に体に穴が開いて貫通したが、その先にある下り坂の天井に当たるまでの2〜3mで急加速し、半径1mほどの炎の爆発が起こり、バラバラに焼け焦げた骨しか残らなかった。
ルラ「凄い…。魔力の量も尋常じゃないけど…何よりよくこんな魔法思いついたね。」
ルミナスとルーヴァは魔法の強さに驚いていたが、ルラは感心もしていた。
エトル「これが昨日の魔法の原理ね」
そう言いながら手を2回はたいていた。
エトル「君たちの知りたいことを教えたし次は俺の番ね。」
ルミナス「宿で言ってた言いづらい話のことですぅ?」
エトル「そうそう!と言うか昨日気絶される前に行ったこと覚えてる?」
ルミナスとルーヴァは思い出せないような感じだったが、ルラが少し悩んだ後に思い出したかのように言った。
ルラ「絶望の王を殺してほしいってやつ?」
エトル「そっ。」
エトルの何にも考えてなさそうな発言からルーヴァが呆れたようにため息をついた。
ルーヴァ「あのねぇ、今まで四天王全員を倒せた人何人いますか?」
少しふざけたトーンで言った
エトル「1人くらいかな?」
怒りというより興奮気味でルーヴァが返した。
ルーヴァ「いないよ!そもそも歴史的に見ても四天王のうち1人に一回勝てた勝ったくらいが人間の限界だぞ!?」
エトル「まあそうだね。」
ルーヴァ「それなのにそれ以上の絶望の王を!平均以下のアタシたちが!なんだってええぇぇぇぇ!!???」
ルミナスは興奮気味なルーヴァをなだめ、エトルは少し嬉しそうに口元が笑っていた。
そして今度はさっきまでのふざけた雰囲気無しではっきりとはこう言った。
エトル「絶望の王は殺せるよ。」
ルラ「…」
ルーヴァも含め全員がその言葉と雰囲気に圧倒されて無言のなった。
ルーヴァ「何を根拠に…」
エトル「上手く言えないけど俺1人だと倒せない。けどお前らがいれば自信がある。お前らもいつかは俺よりも強くなるはずだ」
とても信用できるような、納得できるような説明ではなかった。
だけどどこか引き寄せられるような何かがあった。
エトル「そのために提案だ。俺を仲間に入れてくれないか。」
静かな声でそう言った。
ルラが考えるような素振りをしてから答えた。
ルラ「いいよ。君がいれば少しは安心だ。よろしくね。」
そう言うとルラが手を伸ばし、エトルはその手を握った。
その時のルラは普段とは違ってリーダーらしい大人な雰囲気があった。
その時ルラに一瞬小さな声でこんな声が聞こえた。
「灰…」
3話目にして2ヶ月のサボりをしてしまった。
どうせなので本編にはあんま関係ないキャラクター詳細書いていきます。
名前: ルラ
年齢: 15歳
詳細: 7歳〜15歳まで普通に学校に通い、進学はせずに幼馴染のルーヴァとルミナスと組み、冒険者になった。能力がないからと虐められそうになったがルミナスという美少女が横にいて手を出そうにも出せず、おまけにルミナスに片思いをしてよくちょっかい出して泣かせてたガキ大将に怒って男の急所を蹴った事件から周りから恐れられている。そのことについてルラ本人は恐れられてるというより一目置かれていると勘違いしている。
ファッションセンスについてはあまりない方でルミナスとルーヴァがファッションセンス抜群でいつも服選びを手伝ってもらってるうちに自分のファッションセンスがどっかに行ってしまった。