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学級日誌をつけるだなんて
学級日誌を書くほどツマラナイことはないと彩音は思っている。その日の一時間目の授業のことなんてほとんど覚えていない。誰それが宿題を忘れたとか、正解してドヤ顔してたとか、そんなことは書けず、日誌に書き残すほどのことを見い出せずにいた。しかもこれを六時間分書かなければならず、休み時間のことにまで及んで気づいたことを書くなんていうのは苦痛というほどではないにしても、決して楽しい作文ではなかった。
おまけに担任のコーセーは、三〇代半ばの男の割には細かいことをいうので、なおさらに面倒くさく感じられた。