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お茶を入れるんだけどさぁ、
いざお茶を入れようと思うとなにをどうするんだっけかと彩音は少し躊躇した。えーと、まずは急須を取って、茶葉を入れる。
父方の祖母はお茶が好きなので、いつウチに来てもちゃんとお茶を入れられるように、母は茶葉を切らすことがなかった。そして祖母は彩音や音華がお茶を淹れてくれることも楽しみにしていた。しかしこうゆうのはお作法というほどでもないけれど、たまにしかやらないと忘れてしまう。
彩音はおぼつかないながらも、大さじ山盛り一杯の茶葉を一人分としてを急須へと入れた。
祖母が好きな深蒸しでは茶葉を多めにするのとお湯を少しだけ冷ますのがコツであることは忘れないでいた。