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そして到着
やっと家に到着したが、買い物袋が重くって玄関を開けられず母は呼び鈴を押した。妹の音華が階段をドタドタと勢いよく降りてくる音が聞こえた。
「早く開けて〜。」
「おねがーい。」
ドアを開けきらない内に音華は大声でこういった。
「遅いー!」
母と彩音は顔を見合わせて笑った。母がさっき真似したとおり、あんまり似ていたので笑わずにいられなかった。
「もー。な〜に〜?感じわるーい。」
音華には訳が分からなかった。大きな買い物袋を四つも抱えてきた二人に呆れながらも、外へ出て門を閉めて、玄関を閉めて、買い物をキッチンへ運ぶのを手伝う健気な妹だった。