164/177
そして、母との会話
「初めてよね?」
「あ、はい。小山さんとはクラスは違うんですが、理科室に荷物を運ぶのを手伝ってくれて。」
「あらそう。」
「その後は片付けも手伝ってくれて、とても助かったんです。」
「やるじゃない、彩音。」
彩音は返事をしなかった。片岡の嘘に付き合う気はなかったからだ。
「今日はフレッシュスーパーまで行くんだけど、彩音が調味料見てくれるんじゃなかったっけ。」
「…うん。」
「じゃ、早く着替えてらっしゃい。」
「はい。」
「あ…、じゃあ、私はここで失礼します。」
「はい、気を付けて帰ってね、片岡さん。」