154/177
螺鈿のキーホルダー
「落としたみたいよ。」
片岡が彩音に差し出したのはキーホルダーだった。それはいわゆる螺鈿の、紫色っぽいオーロラのような羽を持つ蝶々の形をしたキーホルダー。特に気に入っていた訳ではなかったのだけれど、学生鞄はみんな同じもので区別が付かなくなるからと入学式の前に母が取り付けてくれたものだった。蝶々も紫も特に彩音は好きではなかったが、人とは違うものをと思って、母が東京のデパートで買って来てくれたものだった。
「落としたみたいよ。」
片岡が彩音に差し出したのはキーホルダーだった。それはいわゆる螺鈿の、紫色っぽいオーロラのような羽を持つ蝶々の形をしたキーホルダー。特に気に入っていた訳ではなかったのだけれど、学生鞄はみんな同じもので区別が付かなくなるからと入学式の前に母が取り付けてくれたものだった。蝶々も紫も特に彩音は好きではなかったが、人とは違うものをと思って、母が東京のデパートで買って来てくれたものだった。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。