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コーヒーの色が変わる
砂糖壺の方にはビーカーの中の液体を混ぜるガラス棒も挿されていた。彩音はまずミルクを入れ、そして大きめの角砂糖を紙コップに一つ入れ、このガラス棒でかき混ぜた。透明のガラス棒が黒茶色いコーヒーの液体を、砂糖を溶かしながらミルクの筋を混ぜながら明るい茶色に変えていく様は興味深かった。
「美しいよね?」
ハシゴが呟くように言った。彩音は自分に語りかけているのかを疑って、はっとハシゴに目を向けてしまった。
「ほらね。興味津津なんだから。」
大分間を置いてから片岡が言った。