139/177
ダンボールには底がないのか?
「これもお願い。」
片岡はまたもや彩音がジンくんの方へ行かなければならない棚の方へ置くものばかりを渡すのだった。そもそもクラスも違う片岡に、なぜ自分が手伝わされているのかも分からなかった。ハシゴやほかの生徒が来る様子はまったくなかった。だいたい、あんな小さなダンボールにどれだけの器具を入れてきたというのか。彩音は不思議に思い始めた。もしかしたら片岡の目の前に置かれているあのダンボール箱は底なしになっていて、彩音に働かせ続けるためにいくらでも器具を取り出せるようになっているんじゃないかとさえ疑われるのだった。