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そしてなぜか片付けを手伝わされるんだけど
片岡の迫力に圧倒されて、彩音はそこに置かれていたサンダルに履き替えた。そして無言のまま、片岡が箱から用具を取り出しては机の上に置き、彩音は棚へと戻した。
「こっち!」
彩音が置き場所を間違えそうになると片岡は強い語気で誘導した。ビーカーやフラスコ、アルコールランプ、大した量ではなかったけれど、教室でハシゴが実演したんだろう。
「これはそっちだから。」
少し珍しい形の…「鉗子」って余分だったっけ。ハサミの先の形がクリップみたいになって、なにかを掴むようになってた。