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夢見心地のまま
こうゆうのを「狐につままれたみたい」っていうんだろうか。彩音の頭の中はまだぼうっとしていた。早足でとおり過ぎてく生徒に気づきもせず、ぼうっとゆっくり、学校へ向っていた。
校門をくぐるとき、少し気になって理科室の横の壁を見てみたけれど、薄暗くなっててなんにも見えず、とおり過ぎるしかなかった。
下駄箱に到着するとガランとしていて、それでも余裕で上履きに履き替えて、階段を上って教室へ向った。
チャイムがなると同時にコーセーが入って来て朝礼が始まった。
彩音はぼんやり、窓越しに外を眺めていた。