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そこへやって来たのは
「知ってるんでしょう?佐伯先輩!見たんでしょう?あのネコ!」
「小山さん!」
右ちゃんが静止を試みようとも、そんなことお構いなしに彩音は返事をしない佐伯先輩を問い詰めた。
「佐伯先輩!見たんでしょ?!」
佐伯先輩の両肩をひっつかもうとしたとき、彩音の右手はひっぱたかれた。彩音はそこに立ち尽くしてしまった。
「どーしたの?おまえ。」
キーちゃんだった。
保健室のか自由室のか分からないけれど、入って来たキーちゃんが彩音の右手をひっぱたいて止めた。