120/177
やっとおさまったのかな
「なんだ、どうしたんだ?」
「秋山先生まで、大きな声を出さないでください。」
「どうするんです?」
「任せてください。」
「エメラルドとガーネット!」
佐伯先輩はカメに向かってひときわ大きな声で喚いた。
「お願いします。」
右ちゃんがカメに向かって深々とお辞儀をした。
カメは自由室から出ていった。なんともいぶかしげな顔をしたままだったけれど。
佐伯先輩は席に座って、口も閉じた。右ちゃんがコップに注いだお水を実に大人しく飲んだ。そして、また本を読み始めた。