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いつもどおりの朝みたい
「おはよう。」
彩音の母はいつもどおりの様子だ。
「いただきます。」
いつもと変わらない朝ご飯。いつもと同じく父親はすでに出かけたようだった。
「音華は?」
「合唱祭の朝練なんだって。」
「お母さん、あたし、昨日何時頃帰って来たんだっけ?」
「ん?覚えてないの?」
「…そうじゃなくて。」
「なに?宿題忘れた?」
「宿題?あったっけ?」
「知らないわよ。」
「知らないなら言わないでよ。」
「あんたが変なこと言うからでしょ。ほら、遅れるわよ。早く食べて学校行きなさい!」