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で、会話が始まるんだけど
「小山さんのことですか?」
右ちゃんは誰に対しても、生徒のことを「こいつ」とか呼ばせない。
「あ?あ、ええ。」
「テニスコートになにかあったの?」
「うん。ちょっと探しもの。」
「忘れ物?」
「…ネコ。」
「ネコなんていないだろう!」
「見たんだもん。」
「いたの?」
「いなかったから探してたの。」
「授業をサボる理由にはならないッ!」
「…まぁ、それはそうね、小山さん。」
「すいません。」
「ここにもネコはいないだろ。」
「まぁまぁ、秋山先生。私から話しますから。」