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右と左って、

彩音は穴があっても落ちてしまわないように四つん這いにはならないようにしていた。中腰の姿勢で歩き回るのは大変だったけれど、無理のない程度に生け垣を少しばかり掻き分けてみたりした。左の方で音がしたかと思ったのに、今度は右の端の方でガサっと聞こえたりして、左右の感覚が失われつつあった。一歩、また一歩と少しずつ左の方へ進んでいるつもりだった。ガサッと音がしたかと思って振り向いた右側にはなにもなくて、生け垣の右端に自分がいた。

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