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朝なんだけど
落ちる、落ちる、落ち続ける。彩音は落下を続けていた。恐怖感はすでにどこかへとんでしまっていた。この落とし穴はかなり深いようで、ただただまっすぐに落ち続けた。
彩音は目を覚ました。
見慣れた天井はいつもよりも強い陽射しで照らされていた。
ここは自分の部屋で、自分のベッドで寝ていて、いつものパジャマを着ている。お風呂にも入ったみたいだ。
とにかく起き出す。全身鏡に映る自分はいつもと変わらず、怪我やアザなどは見当たらない。
七時、とにかく制服に着替えて階下に降りる。