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猫を求めて

そういえば特に最近は吉永さんの話も聞かないし、あの猫が気になって、彩音の足は自然とテニスコートの方へ向かっていた。昼休みが終わるまで、もうあと五分ほどではあったけれど。なんとなく気がせって、足早にはなっていた。下駄箱の前で靴を急いで履き替えて、かかとのところを踏んづけたままでテニスコートの方へ向かった。校舎へ入っていく生徒とすれ違うのをもろともせず。

テニスコートの生け垣にはすぐたどり着いたけれど、猫の姿は見当たらなかった。

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