僕より年上のあなたと僕より年下のきみの狭間で揺れ動く僕。
___僕には、好きな女性が2人いる。
1人目は、僕の教え子だった女の子。
名前は、かなでと言い。 歳は僕より9個下の女の子だ。
彼女は、無邪気で僕に仔犬のように懐いてくる女の子だった。
可愛いというか? 世間知らずというか?
男がどういう生き物なのかも分からないんじゃないかと思うほど。
時には、優しい僕だってオオカミになる時があるんだぞ!
そんな事を彼女に言って、脅かしてみたりもするのだけど、、、?
彼女は、きゃっきゃと僕の顔をマジマジと見て無邪気に笑う。
『___先生? 何言ってるの? 先生がそんな事する訳ないでしょ!』
『・・・かなで、』
『私! 先生の事が大好きだよ!』
『・・・えぇ!?』
『___先生は? どうなの? 私の事、好き?』
『・・・まあ、うん。』
___僕は、そんな君に“元気をもらっていたのかもしれない。”
いつも、元気で笑顔の君に、、、。
*
___それと? 僕には、好きな女性が2人いる。
2人目は、僕の一番上の兄の元彼女だった女性だ。
僕は、5人兄姉の末っ子で。
一番上の兄貴とは? 10個歳が離れている。
その兄貴の元彼女も、兄貴と同級生だったから?
僕とは、10個上の女性になるな!
___一番上の兄貴と彼女が付き合っていた、学生時代の時。
よく兄貴は、家に彼女を連れてきていた。
僕は一番下の末っ子で、歳もまだ8歳か9歳だった頃から。
僕を、彼女は物凄く可愛がってくれて! 僕は用もないのに
兄貴の部屋に、ずっと居たように感じる。
僕には、姉も一人居るにはいるけど? 歳も1つ違いで姉という
より友達みたいな存在で、当時は僕にとっての姉は? 兄貴の恋人
だったこの女性だったのかもしれない。
___兄貴と彼女が別れて随分経った時。
兄貴が6年前に交通事故で急に亡くなってしまった。
その時に、葬儀に彼女が来てくれていた事。
僕は、久しぶりに会った! あなたに恋心をまた燃やしてしまった。
昔よりも、もっと綺麗になっていたあなたに...。
まさか、兄の死であなたとまた再会できるとは思ってもみなかった
から、僕は少しあなたを見た時、緊張していたんだよ。
『・・・あぁ! 蒼汰くん? なんだか? 男らしくなったわね?』
『___お久しぶりです! 園香さんだって? 凄く綺麗ですよ。』
『お世辞も言える、男性になったのね?』
『アハハ~僕だって! もう直ぐ30歳ですよ! もう大人です!』
『・・・そうね! もう、わたしもオバサかな?』
『そんな事ないですよ! 園香さん? “ご結婚は?”』
『・・・3年前に旦那とは離婚したわ! 子供も居なかったしね!』
『・・・そうなんですね! 余計な事を聞いてしまってすみません。』
『___いいのよ! 蒼汰くんは? 結婚や恋人とかいるの?』
『・・・いえ、今はいません。』
___僕は、園香さんに“嘘をついてしまった。”
いや? かなでとはまだ付き合っていないか!
恋人同士のような関係ではあるけど? 付き合っている訳ではない。
これは! 【嘘】をついているとは言わないよな...。
そんな事を、頭の中で考えていると、、、?
園香さんが、僕に突然! こう言った!
『・・・もし? 蒼汰くんに今、好きな人や恋人がいないなら?
わたしと付き合ってほしいんだ! まあ~こんなオバさんなんか?
嫌だろうけど?』
『・・・えぇ!? そんな事ないですよ! 僕でよければ! 是非!
付き合ってください。』
『・・・えぇ!? いいの?』
『___はい! 僕もずっと、園香さんの事が好きだったから!』
『・・・蒼汰くん。』
___僕は、この日から園香さんと付き合うようになった。
だからと言って、かなでの事も僕は好きだ!
どちらも選べない。
どっちも同じぐらい好きなんだから!
・・・でも?
かなでに、園香さんと付き合った事も言えないし!
園香さんに、かなでという女の子の存在も言えない!
___僕は、どうしたらいいのか?
ずっと! ふたりの女性の間で心が揺れ動いている。
僕は、一体!?
【・・・僕は、本当は? どっちが好きなんだろう?】
最後までお読みいただきありがとうございます。