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異世界トレード

作者: アレのような何か

勢いで書いた。

それ以上、それ以下ではない。

僕は新小岩した…



ヤミ金融から500万円借りてビットコインに全額ぶち込んで

億り人になろうとしたらC@が出金停止して、送られ人になったからだ。


しかたない。臓器を売るくらいならダイブしよう。

そう思った。


そして僕は新小岩したのだった。


痛かったのか? よくわからない。

ともかく、新小岩したはずの僕は、何故か椅子に座っており

目の前には、美少女というにはイマイチでブスというには可愛い

なんともいえない、ボーダーな女性が、なんかコスプレっぽい衣装で

僕の前に同じように対面で座っていたのだ。


「私の名前はベンジャミン…

 貴方は井上五郎さんですね?」


「ちょ、あなたそんな感じなのに名前ベンジャミンなんですか!?」


きっとツッコム所が違うんだろうなぁって思ったけど

思わずそれにツッコンだ。


「私は、まぁいわゆる閻魔大王的な機関の女神です。

 貴方は新小岩して死んだので、地獄行きかどうかの審判を始めます」


どスルーかよ、この女…。

まぁ新小岩したんだし、そうか閻魔大王様的なアレに来ちゃったか…

っていうか、なんですって? もう最初から地獄行きかどうかなの!?

天国か地獄かの2択は無いの?


「ありません。魂の金融商品取引法違反で貴方は地獄行きが確定です」


おい、思考まで読むのかよ。


「女神ですから」


なるほどな! …じゃないよ!

なんだよ魂の金融取引法違反って!? 聞いたことが無いよ!


「まぁ死後の世界のルールなので、当然死んでから明らかになります。

 魂の金融商品取引法において、貴方はヤミ金に手を出したので地獄行きです。」


ちょ! ヤミ金使っただけで地獄行き確定なの!? どういう事!?


「それが死後世界のルールですので仕方有りません。世界とはそういうモノです」


そうなんだ! …そうなんだじゃねーよ! 

なんだよそれは詐欺に近いじゃ無いか!


「生きているという事は、常時、世界の詐欺に引っかかっているようなモノです

 運命なので諦めましょう」


馬鹿言うな! 諦められるか!


「わめいても無駄です。そういうモノですので。

 井上五郎さん、貴方は魂の金融商品取引法違反で地獄行きは確定です。

 しかし、魂の確定申告に不備がありまして、こちらに落ち度が発生しました。

 なので、情状酌量の余地が生まれています」


ちょっと色々ツッコミ入れないと行けないところ多いけど

魂の確定申告って何だよ!?どういうモノなんだ!?


「秘密です」


秘密なのかよ!


「死後の世界のルールですので」


やっぱり詐欺だよな!!


「生前も詐欺みたいなモノで一攫千金狙ってたんだから

 世の中、右も左も詐欺だなんて納得できるでしょ?」


いやいやいやいや、そうだけど、いやいやいやいややややや!!!


「まぁいいです、こっちも事務職なので淡々と続けます。

 ともかく情状酌量の余地として我々の落ち度の帳尻合わせで」


ちょっと待て、落ち度の帳尻あわせって何だ!?


「死後の世界にもミスはあります。だって神だもの。みつお。

 そんなわけで、我々の不正の誤魔化しの為に、

 貴方にはチャンスを与えましょう」


今、不正の誤魔化しってハッキリ言ったーー!!!


「黙れ凡夫がっ」


凡夫ですか!?


「貴方の情状酌量として、私の管轄する異世界ダメーポで、

 その世界を今、混乱に陥れてる魔王を討伐してくれたら

 貴方の死を帳消しにして、オプションをつけて生き返させてあげましょう」


ちょ、そんな無茶、死後の管理人がやって良いの!?

女神風だけど、ようするに死神さまですよね!? 神がそんな無茶やっていいの!?


「斬魂刀持って、よくわからんのを切りまくる、

 西洋も無視して死覇装で100万年も君臨してる謎の自称死神とかいう

 大勢のモブよりは、まだ管理職っぽいと思いますが?」


それいっちゃらめぇぇぇ!!!!!


「ともかく、貴方は勇者、ゴローとして

 私の世界を荒らす魔王、ゴールドマンセッ○スを討伐して下さい。

 それが酌量条件です」


その名前は2重にマズくないですか!?


「貴方の世界の魔王も討伐されるといいですね」


ユダ金、敵にまわしちゃらめぇぇぇぇぇっっっ!


「成功の暁には、貴方のヤミ金残高を1000万にして

 元の世界に蘇らせてあげます。これが成功報酬です。」


ちょ!手元金が2倍になるだけなんですか!? つかヤミ金やん!

それ持ってる時点で、もう一回死んでも地獄行き確定やん!


「返せば良いんですよ全額。

 返せば、無かったことになるんで、帳消しです。

 ヤミ金抱えたまま死んだら地獄行きという法律です」


なんかザル法だな!! つか借りた金返せばいいって事かよ!


「そりゃ、貴方の世界、借りた金返さなかったら、コンクリでしょ?

 それと同じ事です。死後の世界も同じ」


死後の世界はYAKUZA!!!


「ともかく、貴方には魔王を討伐して貰いますが

 私の世界での戦いは特殊でして…物理で殴る女子力(物理)は効きません」


いや、俺、男なんですけど?


「私の世界は、ゼニーという力の過多で勝負が決まる世界です」


要するに金?


「まぁ似たようなモノです。

 そのゼニーを、魂オンラインでトレード勝負して

 最も多く持ったモノが強い、そういう世界のルールなのです」


まんまオンライン取引やな


「お好きでしょう? 博打」


はい、好きです。

ついでに、JSも好きなんです。


「ああ、貴方は地獄行き監査で、ロリコン重篤罪の管轄にも

 回さないといけませんね」


冗談です、すいません。

りゅうおうの○しごと見て、ちょっと粋がってました。


「とにかく、貴方はお好きな博打…あああーートレードで

 トレード界最強の魔王、ゴールドマンセッ○スの持つゼニーを上回ったとき

 相手を買収する事ができ、それで討伐完了です」


買収で倒すのかよ!


「女子力(物理)は効かない世界なので」


「まぁ…地道な修行とかするんじゃなくて

 一攫千金できれば倒せるって言うんなら、俺も勇者になれるかも…

 どのみち、地獄行きなんだし、それなら他の可能性に賭けてみるのも…」


「ようやくモノローグから吹き出しになったかと思えば

 博打打ちカミングアウトですか」


「あんたの世界、最初から博打やんけ!」


「是非もない…」


「で、そのゴールドマンピーさんはいくらゼニーを持ってるんですか?

 目標金額を知らないと、ゴール見えないし…」


「ええっと…230億ゼニーくらいですね」


「ゴールドマンピーのわりには、随分、金額低いな!」


「まぁそうですけど、個人でやれるレベルならここが限界かと…

 それとも、ソ○スとかの金額を目標にしましょうか?」


「ごめんなさい、僕では、その金額でも絶望的なんで

 それでいいです」


「そうですか…」


「で、原資は?」


「貴方の死んだ時のヤミ金で始めましょうか

 500万ゼニーを原資に、230億ゼニーを越えたらクリアと」


「現実的に考えたら、キツイハードルやな…」


「でも現実で、それ目指して博打してたんでしょ?」


「それを言われると是非も無い…」


「トレード手段は、いろいろありますが、どうします」


「ビットコインで」


「即答ですか…」


「ビットコインで死んだので、ビットコインで勝ちたい…

 それって変ですか?」


「変です」


「即答かよ…」


「まぁいいです、実はそんな取引方法、今までは無かったですけど

 急遽作りますか…人間現世も、わからないものを作って困ります…

 えーっと、こんな感じ?

 はい、取引方法を作りましたんで、

 取引所、SC@でやってください」


「いきなり、死亡フラグ全開のスタートライン来たな!!!」


「時事ネタと出オチですから」


「身も蓋もない事を…」


「では取引を開始して下さい」


「はーーい」




そして僕の新しい戦いが始まった…

ビットコインのこの世界でのゼニー価値は、220万ゼニー。


嫌な数字から始まりやがるな…。


「220万か… まずは買うしかないから買いだな…」


買った。


「チャートを見て、上がったら売る をすればいい簡単なお仕事です。

 理論上は絶対に儲かるんだ! ニューエコノミックス!」


30分経過


「あれ、下がり始めてる…ま、マズイ…

 190万…いや…しかし、ビットコインは1000万まで上がるって

 誰かが言ってたし、きっと今は陽動の時期なんだ…

 騙されるな…ここは買い増ししてナンピンしよう…」


30分経過


「く、糞っ! 180万になっちまった…

 だがきっとこれも仕手筋からの騙し下げさ…

 慌てて売るのを誘ってるんだ…

 ここは、ダメージを抑えるために買い増しのナンピンだ…

 きっと上がる…300万まで暴騰する! 絶対に!」


30分経過


「う゛ぁあああああああああっっつ

 暴落キター!!! 128万ーーーー\(^o^)/

 とにかく売らないと死んでしまいます!!!

 死んだのに、もう一回、死んでしまいます!!!!

 ふーー、致命傷で済んだわ…」


だがそのときだった…


「なん…だと…

 今の128万が底だと!?

 いきなりここから昇竜拳するのかよ!?

 くそっ! 今ので致命傷食らったんで、買うしかないわ!

 食らえ売り豚、昇竜拳!!! トレ転! トレ転!!」


30分経過


「うおおおおおおおお!! 198万まで昇竜したーーー!!

 かつる!! これでかつる!!!

 致命傷もここから、逆転できるぜ!!

 よし、ここば勝負所だ!! レバレッジ25倍 界王拳!!!」


レバレッジ25倍界王拳を押したその時だった…


『緊急報道です、緊急報道です、東部中央平原の大帝国が

 ビットコインの取引を全面的に停止するという発表が為されました』


「なん…だと……」


僕は真っ青になってチャートを見る。


「あああああああああああ

 180…160…150…

 少佐っ! 止まりません!! 少佐ァァァァ!!!!!」


「ゴロー…、貴方の端末にはセイフティ機能は無いの

 しかし、無駄死にではないわ…

 貴方のダメポが面白かったから…」


「ホワーーット!?何言ってるの、この糞女神!!」


「駄目な奴は、死んでも、異世界に転生しても駄目

 輪廻転生しても、永久に負け組という

 素晴らしい訓示を貴方は示してくれたわ…

 それだけで、値千金の活躍よ」


「じゃぁ俺、助かりますか!?」


「いいえ、死にます」


「死ぬの!?」



「はい地獄行きの刑です。(スマイル)」



それと同時に、僕が座っている椅子の底が消え、

僕は自由落下した。


「なるほど! これが真のフリーフォールか!!!」


僕は地獄に真っ逆さまに落ちていった。





「ふぅ…100人くらい使えば、1人くらいはアタリが出ると思ったけど

 まだ試行回数が足りないわね…

 難しいわ…確率論って…

 でも、まだまだリストから沢山の新小岩からの弾がやってくるし…

 気長に、アタリが出るまでやりましょうか…

 いつかはきっとアタリが出るのが確率論なんだし…」


女神はそう言って、井上五郎の名前の欄に×印を入れたのだった。







ほんのちょっとした出来心だったんです…


そう誰もが言うんだ…

だいたいにおいて…

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