ウィンドウルフ
コクと歩きながらギルドに向かう
「どうしても討伐系依頼するの?...わかった、ごめん、そんな顔しないで謝るから」
コイツは何のために冒険者になったと思ってやがる
孤児院からは自立したが別にこの街を出るわけではない。だってこの街以外街を知らないし。
とは言ってもここに長居をする気はない。そのためにも依頼を受けていろんなところに行ってみようと思う。できればもっと王都っぽいとこ行きたい。
ナウでヤングな私は東京さ行くだ
「最近私がツッコミになってる希ガス」
私はコクの存在自体にツッコミを入れたい
冒険者ギルドに着いて中に入る
「おい、あの二人組みって...」
みたいな反応は無かった
まあ確かに目立ちはしたけど試験会場に居たのは昼間から飲んでるような暇なおっさんばっかりだったし、その人達が騒いでも酔っ払いの言うことって感じで本気にされないだろう。
ただし、ギルド職員は別である
「あ、ハクさんコクさん、早速来たんですね。こちらにD級の討伐依頼を用意してあります」
そう、最早採取依頼など用意されない。完全に討伐大好きっ子に認定された。解せぬ。
「実際その通りじゃん」
否定はしない
そんなことはさておき、依頼に目を通す。
お、これにしよう。
「デスヨネー」
私はウィンドウルフの討伐依頼を受けた。
え?理由?討伐数が20匹と多いからですけど何か?
「 し っ て た 」
ちなみにギルド職員に聞くとウィンドウルフは今繁殖期で数が多いらしい。しかも今年は被害件数が過去最高でこのような討伐数になっているようだ。
だとしてもD級の冒険者に魔物20匹討伐を課すとか...
「冒険者って想像より危険だ」
「そうだろ!?悪いことは言わねぇさっさと田舎に帰っておとっつぁんの畑仕事を手伝おう。まだ間に合う」
「危険だとより燃える!」
「oh...」
ギルドを出て詳しく依頼を読み込む
「期限は一週間か...」
「一日三匹ペースで狩ればいいんだ!割り算できちゃうなんて私天才」
「コク、なに言ってんの?」
「え?あ、ハクもしかして割り算できないのぉ〜?アホの子なのぉ〜?」
「一日で行くよ(満面の笑み)」
「嫌でござる!嫌でござる!」
私はコクを引きずって森の中へと入っていった