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愛とは

おはよう。おやすみ。

そんな平凡な毎日を繰り返し

何が楽しいのだろうか?

私の考えが屁理屈なだけだろうか?

私は小さい頃に父を亡くした。


父は私のことを

「なつ」と呼んでいた。


私は 高畑 夏希

名前が嫌いだった。なんか男みたいだし…


「なつきー!放課後遊びに行こうよ!!」

「ゆみちゃん、ごめん今日 塾なんだ」

「ほんと、なつきは真面目ちゃんだよねー笑」

「そんなことないよー笑」


私が塾に行きだしたのは去年 夏

高校1年生からだ。中学時代は吹奏楽部に所属し

部活バカだった私。

そんな私だったが、金賞を取ることもできず

私は何がしたいのかよくわからなかったのだ。


授業が終わるチャイムがなり

みな、階段を駆け下りて行く

部活や帰宅、そして補習へと。


私は一人 京都市内へ電車ででる。

定時にやってくる電車はいつも私を笑っているように見える。なんでこんな平凡な毎日を幸せでもないのに

歩かなければならないのか。なんてね。


そんな考え事をしていると

いつの間にか京都市内についている。


-まもなく、京都 京都です。

開くドアにご注意ください。乗り換え…-


塾のチャイムが鳴る。授業が始まる。

私だけ黙々と授業を受けているといつも後ろから


あいつ真面目すぎない?

そんな人生で何か楽しいのかな?


私は勉強したくてしてるんじゃない。

親が厳しすぎるのだ。門限は19時で1分足りとも許してくれない。何度鍵を閉められたことか。

だが、それって結局私を外に放置するから

尚更危険なのではないかと思い始めた。

門限なんて中学までだろと周りの友達は口を揃えて言うけれど、門限がなかったらなかったで私はきっと遊ぶことしか頭にないだろう。

だから塾に通っていてよかったのかなとも思う。


21時15分授業が終わり地元へと帰る。

必ず21時25分発に乗りなさいと言われているが

今日は何故か反抗したいのか21時45分発に乗りたいと思った。親にはちょっと遅れるとLINEを入れた。


各駅停車が好きな私は必ず各駅停車に乗る。

日々同じ場所同じ時間なのに

街並みは同じでも、景色は同じではない。

車の位置や、夕暮れや星。

私の日常は平凡なのに、なんて世界はユニークだろうか。楽しそうだな。


ガタンゴトン

ガタンゴトン


-次は宇治西駅 宇治西駅です。

右側のドアが開きます、ご注意ください。-


私は改札を抜けマンションへと向かった。

マンション下の公園で聞いたことのある男の人の声が聞こえてきた。


「おい、お前 まじであんなやつが好きなの?」

「んだよ、悪いか?お前には関係ないだろ。」

「はいはい、そうですねー。笑

んまぁでも、あんなバカ真面目で無口なやつが

好きだなんてお前らしくねぇな笑」


私のようにバカ真面目はたくさんいるんだなと

実感した。それに私のことを褒めてくれてるみたいでなんだか嬉しくなった。


エレベーターで8階に上がる。

お母さんが立っていた。


「なつき、遅いわね。塾終わったら

絶対25分発に乗りなさいといつもいつも

言ってるよね?お母さんの心配をなんだと

思ってるの?

全くお父さんが甘やかしすぎなのよ」


お母さんはお父さんの悪口ばかり

私に口にする。仲良しなのか仲が悪いのか

よくわからない。

でも、わかることはひとつだけ。

私のことを大切にしてくれている。

いつも貴方を愛してたのよ。子どもの頃から

自分の子供は可愛いの。愛くるしいのよと

口癖のように言っていた。


私にとって「愛」ってなんだろう?

そもそも「愛」って何故アイと読むの?

いや、「愛」ってなに?


目がさめる。今日は土曜日で塾も学校もない。

でも私は必ず図書室へと向かう。

自学自習である。


いつものように図書室に行くと

ある声が聞こえてきた。


「んとお前好きだな笑」

「うっせぇ、黙れよ。バレちゃうだろが」


今時の男子高校生は礼儀さえないのか。

全く、魅力もなにもロクでもない奴が

多すぎる。

私が恋をしない理由はこれだった。

中にはいい子もいるが、とある男子がこれでは

みんなに対して同じ印象を持ってしまう私がいる。


「恋とか愛ってなんなの…」


視線を感じる。

私は声に出してしまったみたいだ。


「あ、いや、なんでもないです…

すみません……」


遠くから聞こえてきた。


「ちょ、お前あいついんじゃん笑

しかも恋とか愛ってなんだよ」

「もしかしたら好きな人いるのかなー。」


私はもしかして?とも思ったがまさかそんなはずはないと自分に言い聞かせた。



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