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地味に疲れたので。

 プレミアムガーナを購入してしまった。

 まずは濃厚な生チョコをいただきました。

 普通に美味しいです。

 キャンペーンにも応募してこようかしら……。

 


 明日は最低一日、まったりするように! と夫から言われました。

 それもそうかと思い、皆に話したら揃って大きく頷かれてしまいましたとさ……。


 次の日目が覚めたのはお昼近く。

 休日の醍醐味だわ……と、ベッドの上で伸びをしていれば、ノワールがポメグラネイトンのジュースを持ってきてくれました。

 過ごしやすい気温に整えられた室内だったけれど、熱が体に籠もってしまったらしい。

 クラッシュアイスがたっぷり入ったポメグラネイトンジュースを一息で飲んでしまった。

 まだ飲み足りないかも……と思っていれば、次にノワールが差し出してくれたのはホットのレモングラスティー。

 目覚めに良いと言われるハーブティーだ。

 ふーふーと息を吹きかけながら呑み終わる頃には、頭がすっきりして喉の渇きも癒えた。


「ちょ!」


 ベッドから降りれば彩絲と雪華に服を脱がされて、風呂に放り込まれる。

 ハーブ風呂のようだ。


「カモミール風呂だよ!」


「肌の保湿に良いのじゃよ。日差しを遮る服を着ていても弱い炎症を起こしている可能性もあるからのぅ。炎症を鎮める効果もあるからな。これが最適なのじゃ」


 温度は若干温い。

 肌を柔らかく擦られて、髪の毛も丁寧に洗われる。

 夫の手とは違う手で、洗われるのにも随分慣れた。

 若干の恥ずかしさは拭い切れないけれど、力の抜き加減は我ながら素敵にマスターできたと思っている。


 髪の毛はトリートメント、肌にはパック? のようなものをされている間も、水分の補給はされた。

 紙でできたストローに似たものを銜えて吸い上げれば、中身……む、麦茶?


「これって、麦茶よね?」


「熱いもの、冷たいもの、砂糖入りなどなど、いろいろな飲み方で楽しまれているわよ、麦茶」


「特に暑い地方では消費が高かったはずじゃ」


「今までよく出会わなかったわね?」


「ノワールが異世界情緒を優先したからじゃない?」


「さようでございます。今回は体調改善を優先させましたので、麦茶とさせていただきました。あまりお好みではありませんでしたか?」


「いえいえ。麦茶は好きよ。ただここで出てくるとは思わなかったので驚いただけで」


「であればよろしゅうございました」


 常温の麦茶はするすると喉を通った。

 あちらでも冷蔵庫に常備してあったしね。

 ときどき砂糖を入れるときもあります。

 別の飲み物として美味しくいただける口です。


 ぼんやりと浸かっているうちに、手足の爪の手入れまでされてしまった。

 のぼせないかしら? という心配はいらない。

 彩絲たちは常に私の体調に目を光らせている。


 鮮やかなターコイズブルーのカフタンワンピースを着せられた。

 刺繍が精緻で見惚れてしまう。

 露天に出したら高値で瞬殺する一品だ。

 髪の毛はアップにされて、ターコイズがふんだんに使われたバレッタで飾られた。

 手首にもターコイズと銀で作られた腕輪。

 重さを感じるが負担にはならない程度だ。


「朝昼兼用なので、バイキング形式よ」


「……どうして先にいただいているのですか、ランディーニ」


 小腹が空いたのだろうか。

 テーブルの上に並べられた料理をくちばしで突くランディーニの姿があった。

 ランディーニが、しまった! という表情をしている。

 フクロウのしまった顔なんて可愛いだけだ。

 ノワール以外は微笑ましげに見詰めてしまう。


「す、すまなんだ! ちょっと小腹が空いてしまったのじゃ。ほ、ほれ。これは美味しいぞ。アリッサには是非食べてほしいのぅ」


 自分が食べていた皿をすすすすっと足で動かした。

 

「だーかーら! せめて大皿から直食べじゃなくて、小皿に取り分けなさいと口を酸っぱくして言っているでしょう?」


 ノワールの怒りポイントはそこだったようだ。

 まぁ気持ちはわかる。

 私も親しくない相手にやられたら不快感を抱くだろう。

 ランディーニにされたところで可愛いと感じるだけだが。

 それにランディーニのお勧めに外れはない。

 食の好みが不思議とあうのだ。


「ランディーニのお勧めは美味しいから、その辺で大丈夫だよ、ノワール。そもそもランディーニだって他の目があればしないでしょう?」


「勿論じゃ! 小腹が空いていた以上に、この面々じゃからつまみ食いをしたのじゃ!」


「や、そこは胸を張ってつまみ食いを自慢するところじゃないから」


「その辺りにノワールが腹を立てるのじゃよ。わかっておるのだろう?」


「め、面目ない。すまぬ、ノワール」


 ぺこんと頭を下げる。

 うん、これも可愛い。

 ノワールは深い溜め息を吐いたあとで、ランディーニのお勧めを小皿に取り分けてくれた。

 食べたい! と私の目が訴えていたのだろう。


「では、貴女も自分の席につきなさい。ちゃんと小皿に取り分けて食べるんですよ?」


「う、うむ。ちゃんと小皿に取り分けるぞ……ちと面倒じゃがのぅ」


 小さく付け加えられた言葉にノワールの眉が跳ね上がるが注意は飛ばなかった。

 これ以上食事が遅くなるのを回避したいのだろう。


「アルコールはどうされますか?」


 私は少し悩んでから、食前酒は断った。

 空きっ腹に飲むと酔いが回って、せっかくの休みが楽しめなくなる可能性がある。


「私はシェリー酒ね。フィノはある?」


「ございます」


「妾も同じもので」


「畏まりました……ランディーニは?」


「……お、同じ物が飲みたいのぅ」


「あら、珍しい。別に他の物でも構いませんよ」


「や。たまには美味そうじゃ」


 普段は飲まない種類らしい。

 何だかんだ言ってランディーニの好みをしっかり把握しているノワールなのだ。


「主は何を飲まれますか?」


「お勧めは?」


「モーレンウォーターでございます。食べ過ぎ防止に最適かと」


 み、見透かされているわ。

 朝昼兼用のときって何時も食べ過ぎちゃうのよね。


 皆と同じグラスに注がれた。

 自分だけ色が違うなぁ、とぼんやり認識する。

 まだ若干寝ぼけているのかもしれない。


 楽しそうな乾杯の声を聞きつつ、グラスをあてる。

 モーレンウォーターは食べ過ぎ防止どころか、さっぱりしているので食欲増進効果があるのでは? と心の中で首を傾げつつ、ランディーニのお勧め小皿を手にした。


「トマトゥのワビサビソイソース味サラダじゃよ」


 なるほど。

 確かに美味しい。

 向こうでも食べ慣れた味だ。

 大きめをまるごと一個でもいただける。

 サイコロ状を食べていたが、今回は櫛形切りだ。

 見た目も考えての結果だろう。

 個人的には美味しければどちらでもいい。


和風のトマトサラダなら、和風味付けのサンドイッチがあいそうだ……とテーブルの上に視線を彷徨わせる。

 鮭と菜の花っぽい組み合わせの、ホットサンドらしき物を発見して手に取った。


「サモンとニガバナのホワイトミソソ味ホットサンドでございます」


ノワールの説明に感動した。

 おぉ、白味噌味のホットサンドとは!

 初めての味付けにドキドキする。


 パンはきつね色でさくさく。

 三角形に切られていて、サモンのオレンジとニガバナの緑が鮮やかに見える。

 

「味噌とオリーブとニンニク……気持ち赤唐辛子ってところかな? うん、美味しい」


 夫に作ってあげたい秀逸な味付けだった。

 あとでレシピを聞いておこう。

 

 ホットサンドとモーレンウォーターを攻略してしまったので、スープを探した。

 温製と冷製が置かれている。

 ミニカップに入っていたので当然両方いただいた。

 温製はコーンスープ、冷製はビシソワーズだった。

 これなら説明もいらない。

 どちらも滑らかな舌触りでぺろっと飲み干した。


美味しい物を共有したい癖は主人に似るのだろうか。

 彩絲は魚料理を、雪華は肉料理を勧めてきた。


「スナーパー(鯛)の白ワイン蒸しじゃ。ワインが利いていて美味しいぞ」


 白ワイン蒸し料理を食べながら白ワインを飲む不思議。

 ただ単にお酒が好きなだけの気もするが。

 

 ほろほろと口の中で崩れる身自体にそこまでの風味は感じなかったが、食感は好ましかった。

 白ワインもよく利いている。

 ほんのり香るぐらいでもいいが、ここまで酒の香りが残っているのも悪くなかった。

 一緒に温菜が添えられていることが多いのだが、今回はスナーパーだけだった。

 潔い。


「クエックのまるごと焼きだよ。何処から食べても美味しいんだけど、部位によって味が違うから、取り分けるねー」


 家鴨のまるごと料理はお勧めしない! と聞いていたがこちらは違うようだ。

 どーんと大きな皿に盛り付けられたクエックから、慎重に美味しい箇所を切り出してくれる。


「はい。どーぞ」


 皿の上には二口ずつ五種類の部位が置かれていた。

 どれが何処の部位とまでの説明はなかった。

 

「ん! 美味しくて、面白い!」


 味付けはシンプルな塩胡椒だけのはずなのに、全く味が違う。

 食感が違うだけかと思ったら旨味のせいなのか、かなり味が違っているのだ。


「でしょ? アリッサが気に入ってくれて良かったわ!」


 嬉しそうに微笑まれる。

 自分が美味しいと思う物に共感してもらえるのって、嬉しいよね。


 美女の微笑は何時でも美味しい……とこれは夫にだけ見抜かれそうな意見を抱きつつ、最後まで美味しく朝食兼昼食を大いにいただいた。





 柊麻莉彩 ひいらぎまりさ


 HP ∞ 

 MP ∞ 

 SP ∞ 


 スキル 鑑定∞ 

     偽装∞

     威圧∞  


 奪取スキル 生活魔法 育児 統率 礼節 謀略 地図

      王宮料理 サバイバル料理 家庭料理 雷撃 慈悲 

      浄化 冷温送風 解呪 神との語らい(封印中)

      ウインドアロー ウインドカッター 


 固有スキル 弱点攻撃

       魔改造 

       簡単コピー 

      

 特殊装備品 *隠蔽中につき、他者には見えません。

 サファイアのネックレス

 サファイアの指輪

 サファイアのイヤリング


 特殊アイテム

 リゼット・バローのギルドカード

 魚屋紹介状

 衣類屋紹介状


 称号 時空制御師の最愛

 セブンデイズにMODを入れてプレイしていますが、楽しくて仕方ないです。

 鬼のように物作りのレシピがあるんですよね。

 先日黙々と物作りをしていたら、ゾンビに特攻されて一部拠点を破壊されました。

 こ、こんなこともあるんだ。

 やはり拠点周囲に囲いを作らねば……。


 次回は、 お次はスイーツ販売ですね。1(仮)の予定です。


 お読みいただいてありがとうございました。

 引き続きよろしくお願いいたします。 

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