シュテファーニエと屋台飯。
チケットに当選して安心していたら、支払いを店頭に設定していて、支払期限が明日と知りあわわ。
大急ぎで行って手配してきました。
そしてゴティバコラボスイーツを購入してきました。
ゴティバコラボスイーツはいろいろ挑戦していますが、どれも美味しくいただいています。
「地元の食事といえば、ここが一番のお勧めじゃよ!」
とシュテファーニエが連れてきてくれたのは何と屋台飯。
所謂屋台ストリートという奴だ。
シュテファーニエはよく訪れているのか、屋台の主たちから驚くほど気楽に声がかかる。
「ブラウンシュヴァイクの御当主! 新作があるので如何ですか?」
「あ、うちも新作を用意してますよ。料金はそのままで山盛りにしますから、一筆書いてくださいよ」
「そうか。では新作をいただくぞ。口に合わなかったら、そう書くが構わないな?」
「はははは。そうおっしゃっても一度だって悪く書いたことがないじゃありませんか!」
ストック置き場と思わしき場所に置かれている品より三倍は盛られた物を手渡した店主が豪快に笑う。
焼きそばに似た物。
『スパイシーな焼きそばだよ。ミーゴレンに似てるかな。こっちではメヘルミビェという名前で販売されてる。トッピングでいろいろ乗せるのもお勧めだね』
メヘルミビェ=スパイシーな焼きそば。
咄嗟に出てこない気がする。
まぁ、横で必ず説明してくれる誰かがいるから問題はなさそうだけど。
「うーむ。歩きながら食べるのには向かないものですな。やはり座って食べましょう。地元の味を中心に買ってきますから、最愛様は先に個室に入っていてください」
あちこちの屋台から渡された物を、更に手渡された。
彩絲たちの手も既に塞がっている。
どれだけの量をもらったのだろう。
何時ものことなのか、二人いた従者のうち一人が案内をしてくれた。
屋台飯を食べるにはしっかりした個室だった。
奥に座るように言われて、取り皿やカトラリーなども並べられる。
「御当主様はよくこちらに来られるんですか?」
フットワークが軽そうに見えたが、この街へよく来る理由がわからずに尋ねてみた。
「ブラウンシュヴァイク本家ではさすがにあり得ないのですが、分家やその系列となると馬鹿を仕出かす者もおりまして……一族の血を持つ者が捨てられていないかと、心配なされまして。定期的に訪れております」
「なるほど」
「それだけじゃないぞ? 単純に屋敷に籠もっていると視野が狭くなるからのぅ。あとはあれじゃな。孫たちの自立も促せるしな」
頼りがいがありそうな方だから、側にいたらついつい頼りにしてしまうのだろう。
「今回は大丈夫でしたか?」
「自分の所は大丈夫だったが、知り合い程度の家の子はおったわい。連絡だけはつけておくが……どうじゃろうな? 戻るより、孤児院にいた方が少なくとも命は安全な気がしてかなわぬ」
「ああ」
一度孤児院に入っていたってだけで、嫌な噂が回りそうだしね。
本人が良い子であればあるほどやるせない。
「最愛様は何か召し上がりましたかな?」
「いいえ。ブラウンシュヴァイク様がお戻りになったら御一緒にと思いまして、まだ何も手をつけておりませんわ」
「ほぅ。何とも有り難いことですな。その……もしよろしければ我のことは、シュテファーニエと呼んでいただけませんかのぅ。我が一族の姓を持つ者は多いので、できれば有象無象と一緒にされたくないのですわ」
照れくさそうにそっぽを向いてこめかみを掻く所作がいい。
美老女がすると本当に萌える。
貴女の萌えはしみじみ広いですよね……。
あ、喬人さんが呆れてる。
ても許容範囲らしいのでよしとしよう。
「では、シュテファーニエ様とお呼びいたしますね。自分もアリッサで構いませんわ」
「よ、よろしいのですか?」
「ええ。シュテファーニエ様には、是非そう呼んでいただきたいですわ」
「あ、アリッサ様」
「はい。シュテファーニエ様」
正面から私を見据えてくる顔が真っ赤に染まった。
照れていらっしゃるのかしら?
顔を掌で覆ってしまった。
ふふふ。
可愛らしいわ。
お年を召した方に失礼かもしれないから、こっそり心の中で萌えておこう。
「で、ではアリッサ様。お好きな物をお好きなだけ取り分けて食べる方式でよろしいかな?」
「ええ、勿論。何からいただこうかしら……」
「あ、この街で屋台飯の食べ方をお勧めするなら……まずは炭酸水から! ですな」
「あら、そうなの? じゃあ炭酸水からいただきましょうか」
炭酸水がフルートグラスに注がれる。
それだけで高級な飲み物に見えるのが不思議だ。
せっかくなので乾杯もしておく。
「乾杯! ん! 結構炭酸が効いているのね」
「微炭酸が人気ですので食中は、そちらがよろしいかもしれませんね」
炭酸水そのものが好きなのでどちらも楽しくいただける。
ほんのりフルーツの味がついているのも好ましい。
「お次はクラーケン焼きかしら」
「本来この暑い地域では食べられないんじゃがなぁ。時々釣れるんじゃよ。大きい割にはやわらかくて美味いぞぅ」
クラーケン=大きいの印象が強いので、釣るといわれると違和感がある。
しかしこの街の何処で釣れるのだろう。
ダンジョンかな?
川とか湖はあるっぽいけど、さすがに海はないものねぇ。
「ん!」
やわらかくて絶妙に歯ごたえがあるイカにそっくりだ。
美味しい。
甘塩っぱいタレがよく絡んでいて、お酒が進みそうだ。
「シュテファーニエ様はお酒は飲みませんの?」
「嗜む程度ですな。クラーケン焼きにお勧めのお酒を用意しましょうかのぅ」
「是非」
シュテファーニエの背後で従者二人が、我が主はザルです、ワクです、とにかく酔わずに楽しく飲むお人です! と器用にジェスチャーしてくれた。
どんなお酒を合わせてくれるのだろう。
楽しみだ。
「一押しはこれじゃ!」
一升瓶が出てきました、ありがとうございます。
「街長が気に入って取り寄せておる。その流れでブラウンシュヴァイク家も取り寄せているのですわい。名前はハルコウ。うっすらと金色に輝く米で造った酒ですぞ」
渡されたのはぐい飲み。
くっと一息で干す。
まさしく日本酒。
向こうでは瓶の綺麗さで選ぶという邪道な真似をしていた。
最終的に夫の許可を得て購入していたので外れはなかったけれどね。
懐かしい味だ。
絶妙なフルーティーさに思わずお代わり! と言いたくなってしまった。
美味しくて飲みやすい。
「ぐいぐいいけてしまいますね」
「うんうん。アリッサ様もいける口じゃな? ではそれぞれの屋台飯にあう酒をどんどんだしましょうぞ!」
スイッチが入りました! と従者がジェスチャーしてくれる。
なかなか楽しいひとたちのようだ。
次に選んだのはメヘルミビェ。
どのくらいスパイシーな焼きそばなのだろうか。
「メヘルミビェにはアオヒラが一押しかのぅ。見た目も美しい酒じゃよ」
再びのフルートグラス。
微かに気泡があるのでスパークリング日本酒とか?
一口口にする。
ビンゴ!
たぶんスパークリング日本酒で間違いない。
目の覚めるような青さと爽快感。
口の中がさっぱりする。
「こちらも美味しいです。食べ物もお酒も」
「そうじゃろう、そうじゃろう。新しい同士はほんに嬉しいのぅ」
「主、これも美味しかったわよ」
雪華がぐっと差し出してきた皿には、どどーんと骨付き肉が載っている。
「コッコーの塩焼き。美味しい塩だから、塩だけしか使ってないんだけど美味しいのよ」
「! あとは焼き方も秀逸だね。外はカリッと中はジューシー」
「ふむふむ。肉の素材を生かすシンプルな味付けじゃ。最近は特に女性人気が高いのぅ。酒は……これじゃな。モーレンサワー」
レモンサワーは屋台飯なら何でも合う気がする。
当然コッコーの塩焼きにもぴったりだった。
孤児院へ孤児たちを届けた雪華とランディーニも参加した屋台飯&お酒の食べ飲み放題は大変好評で、深夜まで続く。
異世界仕様なのかあまりお酒に酔わなくなったらしい。
倍以上の量を飲んだせいもあってか、シュテファーニエに負けました! と言われたときは驚きとともに喜びを感じてしまった。
勝負したつもりはなかったんだけどね。
柊麻莉彩 ひいらぎまりさ
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称号 時空制御師の最愛
ケンタッキーで月見バガーセットを購入しようとアプリを開いたら、速度制限でログインできず。
諦めて帰宅しましたとさ。
とほほ……月末になると速度制限がかかりがちです。
……という話をしたら、プラン見直しを検討する方向になりました。
次回は、地味に疲れたので。(仮)の予定です。
お読みいただいてありがとうございました。
引き続きよろしくお願いいたします。




