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氷ダンジョン 五階。前編

 寒い日が続きますねぇ。

 風が強いので桜が散ってしまわないか心配です。

 結婚記念日まで残っているといいなぁ。

 


 スヴェンがランディーニの羽の上ですやすやと快眠に浸っている間に五階へと降りた。 眠っているスヴェンに優しい静かな戦闘だったが成果は当然大量だ。

 スヴェンにも多少甘くはあるようだが、基本として私に甘いダンジョンらしい。

 

 ハーケシール

 グラスに入ったハーケシール。

 レシピは王道のホソエガラシの種、シュガー、ローズウォーター、クラッシュアイス。

 胃炎に良く効くので、胃腸が弱い人が愛飲している。


 ハーケシール レア

 ホソエガラシの種。

 ダンジョンドロップ品は乾燥地帯でもよく育つ。

 

 ハーケシール レア

 ハーケシールキャンディ。

 妊娠中の女性に良いとされている。

 遠方から求めて訪れる者も多く需要が高い。

百個入り瓶が一ダース。

 本来はドロップしても小さなドロップ入れに数個入っている模様。

 

 フラッペ

 グラスに入ったフラッペ。

 モーレン味。

 様々な味がある。


 フラッペ レア

 種類違いで一ダース。

 ロイヤルミルクティー、ホワイトピルン、パープルベリー、オレンジン、ロベリートス メロメロン、アプルン、バニラ、プルナッパ、スイスイカ、ソーダ、チョーコレト。

 本来はグラスに入ったフラッペが三種類同時にドロップする。

 

 フラッペ レア

 グラスに入ったフラッペがデフォルメされたブローチ。

 一ダース。

 冷たいものでお腹を壊さない効果有。

  本来ドロップしない。


 ……ちなみにハーケシールは竜巻の形状で巻き上げ&窒息攻撃、フラッペは蓋付グラスの形状で蓋を飛ばしてくる攻撃でした。

 突っ込みたい気持ちはあったけど、彩絲と雪華が熱く語っていたので黙ったものです。

 気になる点は共通していましたとも、ええ。

 しかしモンスターの攻撃がいろいろと楽しすぎるなぁ……。


 宝箱は一つ。

 スケルトン仕様なのに中身が見えない不思議宝箱でした。

 中に入っていたのはカーテン。

 レースの繊細なカーテンなのにがっつり冷却効果がある。

 広いお屋敷全部につけても大丈夫なほど大量に収納されていました。

 宝箱自体もアイテムボックスになっているので重宝されるでしょう。


「……さて。最終階層だわ。この階のモンスターはどんな感じ?」


「変わり種のアイスじゃな。ベイクド・アラスカ、焼アイス、天ぷらアイス、アイス大福、葛アイス……の五種類じゃったはず」


「な、何か日本のアイスが多い気がする……」


「それならアリッサの好みにも合うんじゃない?」


「天ぷらアイスは美味しかったなぁ……」


 老舗有名天ぷら店で予約をすると食べられたのだ。

 当然夫が予約してくれた。

 ふわふわの天ぷら生地の中身は濃厚抹茶アイス。

 揚げたてだったので外側は熱く、中のアイスは結構冷たかった。

 食感も味も美味しかったという記憶がある。


「天ぷらアイスは中身のアイスの種類が豊富にあると聞いています」


「アリッサのドロップなら全種類制覇できそうじゃのぅ」


「せっかくなら全部食べてみたいわね。やっぱり味によってあうあわないとか、あるのかしら」


「よほど奇をてらった味でなければ美味しく食べられそうだけどね」


「……もう少しスヴェンを休ませてもよいかのぅ? まだまだ戦闘経験を積ませてやりたいんじゃ」


「ええ、構わないわよ。私たちも休憩しておく?」


「アリッサが疲れていないんだったら、少し探索しない? 最終階層ならボスがいるかもしれないし。ボス戦はまだスヴェンには難しいでしょ?」


「でもほら、見守るのもまた経験じゃろ」


「……はぁ。弟子? が可愛いのはわかりますが、自分たちの主はアリッサ様ですよ?」


「わかっておる! のぅ、奥方。駄目かのぅ?」


 スヴェンが良い子なのはわかる。

 必死に頑張り、自分を師匠と呼ぶ彼が可愛いのもわかる。

 ボス戦観戦も、まぁ、わかる。


「駄目だと言ったら?」


「無論やめるわい」


「それならいいわ」


「アリッサ!」


「いいのよ、雪華。私がそうと決めたことよ?」


「……わかったわ」


 ぷうと膨れる雪華の頭を撫でる。

 最終的にきちんと私の言葉を受け入れられるのであれば、それ以外は寛容に受け止めなければならないだろう。

 何より原因となっているスヴェンは良い子なのだから。


「じゃあ、私たちは探索してくるわね。誰か残る?」


「……私、残ってもいい?」


 雪華が声を上げる。

 先ほどのわだかまりを解こうという心積もりなのかもしれない。


「ええ、いいわよ」


「モンスターとスヴェンの家族が同時に来たら困るので、残ってくれるのは有り難いぞ!」


「……家族は今、何をしてるかわかるの?」


「喧嘩の真っ最中じゃよ。父と弟はこのままスヴェンを追いかけて、我らのおこぼれを預かろうとしておる。母は帰還して冒険者ギルドで休憩を取りつつスヴェンを待ちたいようじゃ」


「どっちが勝つ感じ?」


「母親が折れるじゃろうな。ま、階段を見つけるまでには、アリッサたちが戻って、移動を開始しているから、奴らに追いつかれることはなかろうて」


 母親も中途半端だなぁと思う。

 最後まで兄に寄り添えないのだ。

 最初は味方をしてくれるが故の絶望もまた深いものなのだと、母親は知った方がいい。

 

 似た想いを抱いた経験が母親への感情を澱ませる。

 私はふぅと小さく息を吐くと、心配そうに様子を見守っている皆に浅く頷いて、最終階層のアタックヘと足を進めた。



「え、凄い」


「……気をつけてください。攻撃は熱された油を飛ばしてくるものです」


 ランディーニたちの姿が見えなくなってすぐ、最初のモンスターに遭遇した。

 現れたのは天ぷら鍋。

 しかも油が跳ねる音がパチパチいっている。

 衣をつけたアイスは中に入っているのだろうか? と明後日の方向が気になった。

 仲良く横並びに三体。

 背後に同じく三体。

 驚くべきことに、一斉攻撃を仕掛けてきた。

 前のモンスターに、後ろのモンスターが放った油がかかったりしないだろうか。

 と思わずモンスターたちのフレンドリーファイヤーを気にしてしまう。


 じゅん!

 足元に落ちた油が恐ろしい音を立てる。

 どれほどの高温なのだろう。

  百度は軽く超えていそうだ。

 夫がくれた便利装備があるので、攻撃が私にダメージを与えることはないんだけど、反射的に攻撃や防御はするよね。


「今はランディーニもいないことだし……ウインドアロー!」 


 無詠唱も良いけど、詠唱もいい。

 実践では無詠唱だと思うけど、自分の言葉が目に見える攻撃になるのって憧れがあるのですよ。


「えぇ?」


 ウインドアローは敵を風の矢で貫く、単体絶大ダメージ魔法。


 しかし魔法は貫通した。

 鍋の中央をいい感じに貫いていったのを目視できたので間違いない。

 二体同時に倒せたのはラッキーだろう、けれど。

 最後のあがきとばかりに鍋の中で煮えたぎっていた油が跳ね上がり、全員に向かって降り注いできたのだ。


「この油も使い勝手が良いのです」


 ノワールがまたしても一滴残らず回収して、瓶に詰めてしまったので、驚いただけですんだ。

 散り際で驚かせてくるのはやめてほしいとしみじみ思う。


「……熱くないの?」


「ないようじゃな」


「ないみたいよ?」


 残っているモンスターを見やれば、子蜘蛛と子蛇に翻弄されている。

 無数の子蜘蛛と子蛇が油の中に入って暴れまくっているのだ。

 本来であればからっと美味しく揚がっていそうだが、そうではないらしい。


「温泉気分の子とか、いない?」


「いるのぅ」


「いるわね」


 苦手な子もいるらしく、何体か飛び出してはいた。

 だがそれ以外は所狭しと油風呂を楽しんでいる。


「でも、これじゃあおちょくっているだけで、モンスターを倒せないんじゃ? え……死んだの?」


「憤死じゃろうな」


「己が自信を持った攻撃を完全に封じられたからね……」


 二人の声は不憫そうだった。

 モンスターの死亡理由、憤死。

 凄いな、憤死なんて。

 自分や夫の家族が何時かするかな? と思ったことはあったけれど。

 実際に死亡理由として目の当たりにしてしまったのは、衝撃的な体験だった。


「あ、ごめんね。ノワール一人でアイテム拾わせちゃって」


「すまぬ。妾も拾うぞ」


「お気になさらず。子蜘蛛や子蛇たちが頑張ってくれましたから」


 私が彩絲たちと憤死について語らっている間に、ノワールは子蜘蛛たちをお供にドロップアイテムの回収に励んでくれた。

 今回はモンスターが多かったようで、ドロップアイテムも多く出たようだ。


 アイスの天ぷら

 バニラアイスの天ぷら。

 食べられるコーンに入っている。


 アイスの天ぷら

 アイスを揚げるための油。

 サラダ油。

 このダンジョンでドロップした油は健康に良い。


 アイスの天ぷら レア

 バニラ以外は全てレア。

 抹茶、ロベリートス、チョーコレト、スタッチ、チョーコレトミント、メルキャラ、ホワイトピルン、コーヒー、レッドビーン、メロメロン、マローン、アプルンの詰め合わせ。

 現時点ではこの種類。

 アリッサが希望すれば新しい味が増えるかも?


 アイスの天ぷら レア

 天ぷら鍋。

 揚げすぎない効果付。

 職人も欲しがる一品。

 人気の割にドロップしない。


 私が希望すると新しい味がドロップするらしい。

 しかしチョーコレトミントってことは、チョコミントが異世界にもあるんだね。

 こちらの世界にもマニアがいるのかしら……。

 アイスの天ぷらがコーンに載っていたのも驚きましたよ。

 これはこれで美味しそうだけどね!





 柊麻莉彩 ひいらぎまりさ


 HP ∞ 

 MP ∞ 

 SP ∞ 


 スキル 鑑定∞ 

     偽装∞

     威圧∞  


 奪取スキル 生活魔法 育児 統率 礼節 謀略 地図

      王宮料理 サバイバル料理 家庭料理 雷撃 慈悲 

      浄化 冷温送風 解呪 神との語らい(封印中)

      ウインドアロー ウインドカッター 


 固有スキル 弱点攻撃

       魔改造 

       簡単コピー 

      

 特殊装備品 *隠蔽中につき、他者には見えません。

 サファイアのネックレス

 サファイアの指輪

 サファイアのイヤリング


 装備品

 ゴーグル 可視光線透過率 自動調節機能付

 ふわもこキャップ 防寒効果抜群

 メリノンウールシャツ 保温性、通気性、防臭力が高い。

 タートルネックジャケット 速乾性、吸汗拡散性、保温性が高い。

 ハードシェル フード付 雨雪も安心の撥水性

 メリノンウールタイツ 保温性、通気性、防臭力が高い。

 マーサラップパンツ 速乾性、吸汗拡散性、保温性が高い。

 アルンパインパンツ 滑り止め効果が高く、防風も完璧。

 メリノンウールハイソックス 防菌防臭効果有

 アルンパインスノーブーツ 緊急離脱機能付 疲れにくい効果付与

 メリノンウールグローブ 防菌防臭効果有

 スノーグローブ 緊急移動機能付 加熱機能付

 リュック型冷蔵&冷凍庫 無限収納で時間停止状態


 特殊アイテム

 リゼット・バローのギルドカード

 魚屋紹介状

 衣類屋紹介状


 称号 時空制御師の最愛  





 晴れる日がやってきたら、植え替えをする予定です。

 せっかく雑草を抜いて準備したのに、なかなか雨が止んでくれなくて、鉢植えを買いに行けないのですよ。

 今回は何を植えようかなぁと思いつつ、何時も特売の花を植えております。


 次回は、氷ダンジョン五階。中編(仮)の予定です。


 お読みいただいてありがとうございました。

 引き続きよろしくお願いいたします。

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