第6話 復活したクラスメイト
「いってきます」
「いってらしゃーい」
青龍に見送られて家を出る。今日は何かいいことないかな〜?
「ユウくん、おはよー」
「おはよう」
いつものように華凛と一緒に登校する。
「そういえば、今日から宴ちゃん来るらしいね」
「あいつ復活したのか、そりゃ良かった」
学校に着いて二人で教室に入る。
「くっ、今日も二人で登校か…男の風上にも置けないな」
そんなことを言ってくるのは例によって和馬である。うん、また気絶させられたいらしいな。
ドスッ
「うっ……………」
毎度毎度、世話の焼けるヤツだ。
「あ〜あ、またやってるよ。まぁ静かになるからいいけど」
「あっ、おはよー宴ちゃん」
「おはよう、華凛、ツッキー」
「ああ、おはよう」
今話しかけてきたのは遊沢宴[ユウザワウタゲ]、活発そうなショートカットの女の子だ。復活したというのはこいつのことで、先日まで風邪で欠席していたのだ。ついでに言うが趣味はギャンブルらしい。
「間塚も懲りないよね。何度も気絶させられてんのに」
「ああ、まったくだ」
しかもそれに気付かず何度も文句(愚痴?)を言ってくるのでたちが悪い。
「ね、ねぇ何度も言ってるけどあのままでいいの?」
何回も見ているのにまだ華凛は慣れていないようだ。
「いーんじゃないの?アタシもうるさいの嫌だし」
「俺も遊沢と同意見だ」
「じ、じゃあそっとしとこうかな」
結局そのまま放置らしい。友よ安らかに眠れ。
キーンコーン
「おっとチャイムだ」
チャイムが鳴ったので二人とも自分の席に戻っていった。
−−−−−−昼休み
みんな昼食を食べおわってまったりしている。華凛は担任に呼び出されていない。ついでに和馬は二時間目に復活済みだ。最近、和馬の回復力が強くなったのは気のせいか?
「ねぇねぇツッキー、ちょっといい?」
「ん?何だ」
なんだ遊沢が話しかけてくるなんて…何かあるのか?
「この前の休日さ〜何してた?」
「買い物に行ってたけど、それが何かしたか?」
バレたら面倒なので青龍のことは黙っておく。
「女の子と一緒じゃなかった?」
「ぶっ……………」
やけにニヤニヤしているのはこのせいか。ヤバいな…よし、知らんぷりしよう。
「いや、一人だったぞ?」
「なんで疑問形なのよ、ていうかちゃんと目撃してるから嘘ついても無駄よ」
「あっ思い出した、この前の休日はずっと家に居たんだった」
「さっきと言ってるコトが変わってんじゃない。そのままシラをきるつもりなら皆に言っちゃおうかな〜?」
「やめてくれっ!」
げっ、つい反応してしまった。
「じゃあ、あの女の子とどういう関係か教えて」
くっ、そりゃ完璧な脅しじゃねぇか、でも俺は負けないぞ。卑劣な脅しには屈しないのだ!
・
・
・
「……で、かくかくしかじかという訳で」
さっきの決意は何処へやら結局脅しに屈する俺。
しかし神獣のことは隠す。
「へぇ〜ツッキーも苦労してんだね」
「遊沢よ、俺の苦労をわかってくれるのか」
「でも可愛かったよね、あの娘」
「うっ、それはそうなんだが……」
確かに青龍は可愛い、それは認めざるを得ない。
「しかし女の子をたらしこむとはね〜しかもあんな可愛い娘を。ツッキーなかなかやるじゃん」
「は?おまっ、さっき話したばっかなのになんでもう飛躍させてんだよっ!」
「ははっ、どっちでもいいじゃん。同棲してるのは事実だし」
「同棲じゃない!居候させてんの!」
もう遊沢には何を言っても無駄らしい。
「ユウくん、誰と同棲してるの?」
タイミング悪く華凛が帰ってきた。しかも冷た〜い笑みを浮かべて。
「げっ……華凛、ちっ違うんだ」
「ツッキーが女の子と同棲してるんだって〜」
っ……またこいつは余計なことを。
「へぇ〜ユウくん、その娘とラブラブなんだ〜」
「違うのですよ華凛サン」
まっマズイ、誤解を解かなければ。つーかまた飛躍してるし。
「何が違うのかな?ユウくん?」
恐っ、いつもの華凛じゃない。
「何も違わないんじゃない?」
「遊沢は黙ってろ。あのですね………かくかくしかじかでして」
これまでの経緯を話す。
「ごめんユウくん、早とちりだった」
「いや、わかって貰えればいい」
誤解が解けた所で突然遊沢が、
「じゃあ今度皆で遊びに行くぞ〜」
「賛成〜♪」
はっ?マジっすか?華凛もノリノリだし。しかし……
「その前にもうすぐテストがあるぞ?」
「「あっ!!」」
それは寸分の狂いもない見事なハモりだった。
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