第4話 遊びに行こう!(中
今は青龍と一緒にデパートに来ている。
デパートと言ってもゲームセンターから食料品店など色々な店が入っている便利な所なのだ。
そういえば米を切らしてたな、後で買わなければ。
「なぁ青龍、これからどうする?」
「ん〜ちょっと早いけど昼食にしない?」
うん、こいつはいつも食欲旺盛だな。
「青龍は何食べたい?ファーストフードから懐石料理までなんでもあるぞ。まぁファーストフードが妥当だな」
「じゃあそれでいいよ」
よし、昼食はハンバーガーに決定!栄養偏ってるけど…
「んじゃ昼食にするか」
そしてハンバーガーを買う。
「うん、意外と美味しいね」
という言葉とともに青龍は次々とハンバーガー消費していく。
「って青龍、お前まだ食うのか……」
青龍の前のトレイにはハンバーガーの包み紙がすでに7、8個ほど乗っている。はっきり言って食べ過ぎだ。
「………青龍」
「何?」
「太るぞ?」
「ぎくっ…………」
そのまま青龍は固まってしまった。
「い、いや大丈夫だよっ?」
「ハンバーガーはカロリー高いからな、まぁ青龍がそう言うんならいいけど…」
「も、もうおなかいっぱいになったよ」
結局今食べていたハンバーガーで最後にしたらしい。
「よーし次はどこ行く?」
「う〜〜〜ん」
さっきのことをまだ引きずっているらしい。その証拠にウエストをしきりに気にしている。
「ま、まぁあのくらいじゃ大丈夫だと思うぞ?そんなに気にすることじゃないって」
「う〜ユウが気になるようなことを言うからだよ」
テンション下がってる!?どうにかして注意を他のところへ。
「よ、よしゲームセンターにでも行くか」
「うん、まぁなんとか気を取り直して行くよ」
と言いつつローテンションな青龍。
やっぱり女の子はそういうのを凄く気にするんだな。うん、先に気付くべきだったと後悔。これぞ後悔先に立たずってやつだ。
で早速ゲームセンターに直行。
「へぇ〜ここがゲームセンターかぁ〜」
「青龍来たことなかったのか?」
「うん、人間界に来たのも久々だもん」
「人間界って神獣にもそんなところがあるのか」
それは初耳だ。なんとなく行ってみたい気もする。
「ユウ〜ここで何するの?」
「何するのって遊ぶんだよ!手始めにアレだな」
「アレって何?」
「アレってのはUFOキャッチャーだ」
ゲームセンターに来たら絶対に欠かせない俺の定番だ。
「よーし、じゃんじゃん獲るぞ!」
コインを入れてハンティングを開始する。狙うのは犬のぬいぐるみだ。
ウィーーン
これはいける!そう確信した次の瞬間、
ポスッ
「「……………」」
かわいい犬のぬいぐるみとは全く違う、妙に顔がリアルな猫のぬいぐるみが取れた。
「ま、まぁ取れないよりはいいんじゃない?」
「そりゃそうかもしれんが……この猫リアル過ぎて気持ち悪いぞ」
「で、でもよく見るとかわいいかもしれないよ?」
「じゃあ青龍、これやる」
青龍にリアルフェイスキャットを差し出す。
「うっ…そっそれはユウがせっかく取ったんだからユウが持っとくほうがいいと思うよ?」
今までのフォローが一瞬にして無意味なものに。
やっぱりこれは誰も欲しがらないらしい。というか青龍明らかに引いてんじゃん。
「……仕方ない俺が持っとくしかないか」
家に帰ったら押し入れに封印決定だ。
そういえば青龍の家具一式買わなくちゃいけなかったな。UFOキャッチャーも猫のせいでやる気が無くなったことだし、ちょっと寄ってくか。
「青龍、今から家具買いに行くぞ」
「え〜ユウはもう持ってるじゃん。あ、私から壊された時のため?」
「いや俺のでも予備でもなくて青龍の。服も買ったから必要だろ?」
つーか壊す気だったのか。
「えっいいの?私はただの居候だよ?」
「なに遠慮してんだ?生活に必要なものは買わないといけないだろ。それに居候っつたって最低限のことはしないとな」
「えへへ、ありがと。ユウは優しいんだね」
青龍ははにかんだ笑みで言う。
「じ、じゃあ早速行くか」
俺は赤くなった顔を誤魔化すようにリアルフェイスキャットを持ってゲームセンターを出る。
「あっ、ユウ待ってよ〜」
よし次は家具を買いに行くぞ。
あ、今日は遊ぶんじゃなかったっけ?まぁいいか。