第27話 夏のある日の出来事
更新が遅れてます(=_=;)ピンチ!!(゜Д゜)
夏休みも終わりに近づいたある日…
「今日は何をするかな…」
最近はいろいろと騒がしかったが今日は平和な日だ。
青龍は華凛と遊沢と出掛けている。
♪〜♪〜〜♪
携帯が鳴ったので見てみると、ディスプレイには間塚和馬という文字が表示されている。
「和馬か」
…出るの面倒だな。
どうしようか迷っていると電話が切れた。
「何だったんだ?…ま、いいか。課題も終わったし…暇だ」
そう言っても外に出ようとしないのが月代クオリティだ。………我ながら言ってることが意味不明だ。
♪〜♪〜〜♪
再び携帯に着信。もちろん表示された文字は間塚和馬。
「………」
なんか放置しておくのも可哀想になってきたな。
そう思って通話のボタンを押して電話にでる。
『あ、ユウか?まだ宿題終わってないから…』
そこまで聞いて電話を切る。
「情けをかけたのが間違いだったか…」
言いかけた言葉から推測するとどうせ、宿題終わってないから見せてくれ、とかいう内容だろう。
♪〜♪〜〜♪
三度目の着信。当然和馬から。
しつこいな、と思いつつ渋々電話を取る。
『ユウ、いきなり切るなんて酷いじゃないか〜。それで相談なんだけど…』
「…………現在、電話に出ることができません。ピーという発信音の後にメッセージを残して下さい」
『えぇー………なんで俺ってそんな扱いなんだよー?』
「知らん」
『おい!やっぱ留守電じゃな…』
面倒になってきたので、再び電話を切る。
「………寝るか」
暇な時は寝るに限る。寝てるといつの間にか時間が経ってるからな。
「…おやすみ」
誰に言うでもなく、そう呟いて静かに目を閉じる。
ピンポーン
まるで計ったかのようにチャイムが鳴る。
「誰だよ」
睡眠モードの体を起こして玄関に向かう。
「おーい、悠居るー?」
玄関で馬鹿が叫んでいた。
…実力行使できやがった。こいつは迷惑というものを考えないのか?
「悠〜居ないのか〜」
「おい和馬、近所迷惑だからやめろ」
「なんだ居るじゃないか」
俺が近所迷惑という言葉を発しても大声でしゃべり続ける馬鹿一名。
これは制裁を加えてなくてはなるまい。
「和馬、部屋に入るには網膜認証が必要なんだ」
「へ?そうなの?」
「ああ………じゃあ、ドアの覗き穴に顔を近づけてくれ」
「わかった………これでいいか?」
「ちゃんと顔近づけたか?」
「おう」
和馬が顔を近づけたことを確認してドアノブを握り締める。
「いくぞ」
「おう」
体を一度引いて力を溜める。そして地面を軽く蹴り、脚、腰、腕の順番で力を伝えている。
力がドアに伝わった瞬間………ゴツンという鈍い音が鳴り響いた。
「……………」
「……………」
そしてしばらくの静寂。
「………少しやり過ぎたか?」
そーっとドアを開けてみる。
「………うおっ!」
そこには世にも恐ろしい光景が広がっていた。
白目を剥いた和馬が仰向けに倒れている。
「キモいな」
常人なら思わず後ずさりする光景だと思う。
つーか、この状況どうしよう?
「とりあえず起こしてみるか…おーい和馬、生きてるかー?」
近づくのはイヤだったので、遠くから声を掛ける。
「起きないか…」
キッチンに行って水を取ってくる。
「いい加減起きろ!」
水を和馬の顔にかける。すると、ようやく目を覚ました。
「う、うーん……」
「やっと起きたか」
「あれ?僕はどうしてここに?」
「俺んちに課題をしに来たんだろうが」
丁度いい具合に記憶が飛んでいるらしい。というか今、僕って言ってなかったか?
「とりあえず上がれよ」
「お邪魔します」
違和感を感じながら和馬を家に入れる。
「で、何をやってないんだ?」
「はい、数学と国語ですね」
それなら今日中に終わるかな。
って、そんなことより…
「なんでそんなしゃべり方なんだ?」
「え?僕ですか?」
「ああ、なんか変じゃね?…というか、わざとやってるなら殴るぞ」
「僕はもともとこんなしゃべり方ですよ?」
頭を打っておかしくなったか?
「まぁいいや」
俺に害があるわけでもないし放っておこう。
「ほら夏休みの課題」
俺が記入済みの課題を和馬に渡す。
「あ、ありがとうございます。いつもすいません」
おおっ!めっちゃ良い子になってる!いつもなら………
「ほら夏休みの課題」
「おっ!さすが悠だぜ!」
………ってな感じで礼も詫びもするはずがない。
「悠さんの字はいつも綺麗で見やすいですね」
「そうか?」
和馬(馬鹿ver.)の場合を想定していると、そう言われた。
それからしばらくの間、和馬(良い子ver.)の文字を書く音しか聞こえない時間が続く。
「はぁ〜やっと終わった」
「ん?早いな」
「はい、今日はなんか頭がすっきりしてるんです」
「そうか」
特にすることもなく、和馬と話していると、
「ただいま〜」
「お邪魔しま〜す」
青龍たちが帰ってきた。
「おかえり」
「あ、お邪魔してます」
良い子バージョンの和馬はなんかしっかりしていた。しかも、爽やかな笑顔を振りまいている。
「ちょっ…あれ、和馬だよね?」
「か、和馬くんどうかしたの?」
「間塚、頭でも打ったんじゃないの?」
三人とも同時に話し掛けてくる。
「あ〜いっぺんに話し掛けるな!とりあえず青龍、あれは和馬だ」
「うん、でも顔だけ一緒で中身が違うって感じだよ?」
さすが神獣。今の状況を正確に把握している。
「次、華凛。和馬の体はなんともない」
「そ、それは見たらわかるけど…そういうことじゃなくて」
華凛はなんと言っていいかわからないようだ。
「最後、遊沢。正解だ」
「は?」
「だから、和馬は頭を打ってああなった」
「マジで?」
自分が言ったことが正解で驚いている。
「ん?皆さんどうかしましたか?」
和馬は自分に視線が集まっていることに気付いて三人に問いかける。
「「「いや、何でもないです」」」
見事なシンクロである。
そして青龍たちは三人でコソコソと話し始めた。
「何話してるんですかね?」
「さぁな」
三人の会議を見守ること数分。ようやく意見がまとまったらしい。
「何話してたんだ?」
「ユウくん、今からすることは手を出しちゃダメだからね」
「ああ、わかった」
「それと見るのも禁止〜」
華凛からそう言われると、俺は傍観者になること決めた。というか、何をするかわからないなら止めようがないだろ。
「間塚〜ちょっとこっちにカモ〜ン」
遊沢が手招きをして和馬を呼ぶ。
………あれが悪魔の手招きに見えるのは気のせいか?
「なんですか?」
和馬は俺から死角になっているキッチンに誘い込まれる。
俺も三人に気付かれないようにキッチンが見える位置に移動する。
「青龍ちゃん!」
「おっけー」
遊沢の合図で青龍が和馬の後頭部に手刀を振り下ろす。
「ぐふっ」
手刀を喰らった和馬は糸が切れた人形のように床へ倒れ込んだ。
「ちょっ…何やってんの!?」
「あ、ユウ。さっきの見ちゃった?てへっ♪」
「もう、ユウくん見ちゃダメだって言ったでしょ」
「ツッキー、これはしょうがないことなのだよ」
なんて奴らだ…罪悪感のカケラもねぇ。
「で、なんでこんなことしたんだ?」
「ううっ、すいません。つい出来心だったんです」
遊沢はテレビでよく見る万引きした人の真似を始めた。
「はい、遊沢は発言禁止な」
「ノリ悪いなぁ〜ツッキーは」
遊沢の発言を禁止した所で青龍と華凛を見る。
「うーん、強いて言うなら…良い子の和馬は和馬じゃない!ってことかな」
「で、実行犯の青龍さん。これで和馬は元に戻るのか?」
「さぁ?」
…これで戻らなかったら和馬が不憫すぎる。
「で、華凛さんはなんでこんなことをしたのでしょうか?」
「え、なんか笑顔が気持ち悪かったから……」
ひどっ!華凛が一番酷い、というか和馬を否定してるな。
「まぁツッキー。間塚が元に戻るまでお茶でも飲んで落ち着きな」
「あ、私たちケーキ買って来たんだ〜」
「早く食べるよっ」
「ああ」
その後、俺たちはお茶会をして楽しんだ。
ちなみに和馬が起きたのは一時間後。その時にはもう元に戻っていて、良い子バージョンの時の記憶はなくしていた。
めでたし、めでたし…………なのか?
一応夏休み編?は終わりですm(_ _)m季節感が全くありませんが…。次は二学期、学園祭とかがある予定です(^^ゞ